『シャーロック』ディーン・フジオカ、古典文学の翻案は「毎回逃げずに向き合っているテーマ」

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2019年09月28日 20:31  リアルサウンド

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左から岩田剛典、ディーン・フジオカ、佐々木蔵之介

 10月期「月9」ドラマ『シャーロック』(フジテレビ系)の制作発表会見が9月28日都内で行われ、主演のディーン・フジオカと岩田剛典、佐々木蔵之介が登壇し、同作の見どころや撮影時のエピソードを語った。


参考:『モンテ・クリスト伯』が描いた人間の本質 作り手たちのエネルギーが詰まった最終回を振り返る


 ディーン・フジオカが演じる原作のホームズに相当する誉獅子雄は、犯罪捜査専門のコンサルタント。「イニシャルがS・Hつながりです」と名前の由来を明かした。ワトソンにあたる精神科医の若宮潤一役の岩田剛典は、「ディーンさんと良い“バディ感”が生まれているんじゃないかと思います」と手ごたえを語った。佐々木蔵之介演じる江藤礼二は、原作ではレストレード刑事。「ひとことで言えば最低の刑事ですが、おふたりに頑張っていただいて、僕はおこぼれをいただくという働き方をしたいと思います」と挨拶した。


 クランクインから1か月。現場の雰囲気について、「和気あいあいとしていますが、シーンによってはカオス。冷静になると『オレら、何をやっているんだろう』と思うくらい」(ディーン)と話す。獅子雄と潤一が出会う第1話では、スタジオのセットに雨を降らせたが、「経験したことがない、ちょっと見たことのない印象的な絵」(佐々木)、「雨ガッパを上下で衣装の中に仕込むか聞かれるくらいの水量」(ディーン)と撮影を振り返った。


 おすすめのシーンを「獅子雄がバイオリンを弾くシーン」と答えたディーン。初めてのチャレンジというバイオリンは、クランクインの1週間前に曲が決まり、猛練習を重ねたとのことで、「最終回にどうなっているか、乞うご期待です」と笑顔で予告した。シャーロックの論破術と、佐々木演じる江藤警部のキャラクターをおすすめに挙げたのは岩田。「個人的に蔵さん(佐々木)のキャラクターがツボ。本番は大丈夫だったんですけど、テストまでゲラが止まらなくて、間違いなく見どころになると思います」と注目ポイントを挙げた。


 ディーンも、佐々木について、「お話しさせていただくと、めっちゃ可愛いんですよ。番宣もご一緒して、『蔵さんって、もしかしてゆるキャラなんじゃないか』と思うくらい癒されている」とコメント。早くも共演者の推しメンとなった佐々木だが、司会の山崎夕貴アナウンサーから思い当たる節を尋ねられて、「記憶にございません」と公開中の映画タイトルに寄せて笑いを誘っていた。


 『モンテ・クリスト伯‐華麗なる復讐‐』、『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』(いずれもフジテレビ系)に続いて、古典名作を翻案した『シャーロック』だが、ディーンは「今作に限って言うと、令和元年の東京という部分が大きく違う。元号が違うだけと言う人もいますが、ひとつの文化圏、国、コミュニティでカレンダーが変わるというのは大きな変化だと思うし、このタイミングでリメイクをやる意義があると思っています」と話した。「なぜ古典の名作をリメイクするかは、プロデューサーや監督と毎回逃げずに向き合っているテーマ」と一貫した姿勢を強調した。また、自身が歌う主題歌「Shelly」のイメージについて、「ドラマ本編と距離感を出したかった。原作そのままではなく、一歩引いてキャストの人間模様を運命の女神が見ているような曲」と語った。


 オリンピックを目前に控えた令和元年の東京を舞台とする本作。お気に入りの東京スポットを「東京湾岸エリア」と答えたディーンは、その理由について、「今も魅力的ですけど、どんどん変わっていく可能性を感じる。海から陸を見ると違う角度で見えるし、陸地に上がってパトロールすれば、池袋の一角が完全にチャイナタウンになっていて、飛行機に乗らずに中国へ旅行に行った気分になれる。下町には日本の伝統というかコミュニティもありますし、東京ってパトロールしがいがありますよね」と解説。すかさず佐々木が「パトロールしてるの?」とツッコミを入れると、「佐々木さんも湾岸エリアをパトロールされるのかなと。散歩でもいいし、困った人がいたら助けてあげようというくらいの気持ち」と持論を展開した。


 ディーンのパトロールトークはその後も続き、山崎アナからインスタグラムで「#○○パトロール」というタグで投稿するのが流行していると聞くと、「パクられた」と残念な表情。「もう10年選手ですよ。ずっとパトロールって言ってました」と自らが元祖であることを主張した。佐々木から「夜、マラソンしながらしてるから、ほんまのパトロールやな」と振られると、「警察が尋問している横を通ったりしますね。パトロールしている人をパトロールしています」と冗談で返していた。


 今作の副題は『アントールドストーリーズ』。アーサー・コナン・ドイルが残した『シャーロック・ホームズ』原作シリーズの本文中でわずかに言及される“語られざる事件”を題材として、ストーリーを練り上げた。語られざる秘話を明かすコーナーで、岩田は台風上陸時の撮影エピソードを披露。「横須賀で撮影があって、高速道路がとにかく動かなかった。高速を途中で降りて、ひさびさに電車で現地に向かった」とのこと。バレなかったかと聞かれて、「そのときは焦っていたので、目の前しか見えていなかった。車で6時間の後、電車で2時間かかりました」と苦労話を明かした。


 獅子雄と潤一のバディが共同生活を送る『シャーロック』にちなんだ「共同生活で許せるかクエスチョン」では、3人それぞれの許容量をチェック。「家では基本パンツ一丁で過ごす」という項目に「許せる」を選んだ岩田は、「自分もそうだったりするんで。(男同士なら)好きにしたらいいんじゃないかな」とコメント。「許せない」と答えた佐々木が、「気になるでしょ。パンツの形状がどうかにもよる」と意図を説明すると、「そう、そこなんです」とディーンが食い気味にフォロー。「普通にTバックを穿いていたら嫌だと思いません?」と力説し、最終的に岩田も「トランクスタイプかと思ってました。Tバックはちょっと許せない」と意見の一致を見ていた。


 さらに、「パジャマや部屋着がダサい」、「毎日相手の郵便物を受け取る」など、『シャーロック』の世界を離れて男子トークは盛り上がったが、最後に、ディーンから「令和元年の東京を舞台に、毎回すごく魅力的な最強のメンバーで起こる物語。謎解きの爽快感も大事ですが、その場所にいる人間の物語や関係性に注目していただけたら」とPRして締めくくった。


(取材・文=石河コウヘイ)


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