猪塚健太、気合い十二分!「舞台を続けていきたい、ドラマでも必要とされたい」

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2019年09月28日 22:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

猪塚健太 撮影/齋藤周造

 柚希礼音&ソニンの最強タッグで注目の新作ロックミュージカル、A New Musical『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』が9月25日にいよいよ開幕。

 19世紀半ばのアメリカで女性の労働環境改善のために闘った女性たちの自分の信念に生きる姿や挫折、友情を描いた感動作だ。

 ウーマンパワー全開の今作で、ファクトリー・ガールズの人生に関わる上流階級の青年ベンジャミンを演じる猪塚健太さんに、作品の魅力や自身の舞台への思いなどを聞いた

女性たちの闘い!

19世紀の話なんですけど、すごく今に通じるなと思って。当時の女性は本当に働き口がなくて、教師か農業をやるかぐらいだったのが、

 産業革命によって紡績工場で働けるようになり、初めて自分が稼いだお金で好きな洋服を買ったり趣味に使ったりできるようになるんです。

 でも業績を伸ばすために労働時間をどんどん延ばされて馬車馬のように働かされる、今でいうブラック企業のような劣悪な労働環境になってきて。

 生命に関わる労働環境の悪化を改善するために立ち上がった女性たちの闘いなんですよ。だから完全に現代社会とリンクしていて、まさに働き方改革を初めに行った人たちの話だなと思いました

 今、何か問題を抱えている人が一歩踏み出す勇気を持てる、背中を押してもらえるような作品だと思います」

 貧しい家族を助けるためと自らの自由を得るために紡績工場で働き、のちに自分の文章を武器に労働争議へ身を投じるサラ(柚希礼音)

 工場で働く女性たちの寄稿集の編集者として、居場所である工場と仲間を守ろうと奔走するハリエット(ソニン)。今作には2人をはじめとする魅力的なファクトリー・ガールズが登場する。

いろいろなタイプのガールズが出てくるので、女性は特に自分はこのタイプだなと思いながら共感して見られるんじゃないかな

妥協せずに自分でやらないと

 猪塚さん演じるベンジャミンは政治家を志す上流階級の青年。知的で美しいハリエットに惹かれている。

純粋にアメリカをよくしたいという強い思いを持って頑張ろうとしている青年です。自分の夢を叶えるには一緒にいてもらいたい女性だと、ハリエットに恋をしてアタックしていくんですけど。

 よかれと思ってしたことが彼女たちにとっては迷惑だったりして。本人は当たり前のようにしていることが、世間的に見たら“なんかちょっとズレてるんじゃない?”という感じに見えたらいいなと思って。

 そこまでは台本に書いていないですけど、役作りの裏設定で階級の違いやそういうところを出せたらなと思っています

 主役以外のキャラクターの人物設定は細かく描かれていないこともあるので、妥協せずに自分でやらないと説得力が全然ない役になってしまうんだなと気づいてからは、そこはまず第一に大切にするようにしています

 座長の柚希礼音さんとは、同じ事務所に所属しているが初共演。

普段はすごく可愛い方だなと思います。稽古場で“柚希さん、おはようございます!”ってご挨拶したら、僕がストレッチしているところにいらっしゃって“ちえさん、な”って言われて。

 そう呼ばれていることは知っていましたけど、いきなり呼べないのでタイミングを探っていたら、向こうから言ってくださったので“じゃあ、ちえさんって呼びます!”って(笑)。

 でも本当にすごい方だと思います。これだけ第一線で活躍されているのに、ひとり芝居をされたり『氷艶』でスケートまでされたり、どんどん新しいことに挑戦していてカッコよすぎです

 今回も難しい楽曲に前のめりに取り組まれていて、稽古初日から勢いを感じましたし、抜群に頼りがいがあります」

 ブロードウェイの新進気鋭の作曲家コンビによるオリジナルなロックも今作の大きな見どころ。

「闘いを表すうえで、ロックはすごく合っているんじゃないかなって思います。とにかく女の人がすごくカッコいいんです

 歌稽古のときに、女性全員で歌うシーンは鳥肌が立ちました。男たちをぎゃふんと言わすっていう爽快感が、まさにウーマンパワーミュージカルですね

必要とされるようになりたい

 現在32歳。20代は舞台を中心にキャリアを積み重ねてきた猪塚さん。'10年から在籍していた劇団プレステージを今年5月に退団。

 昨年は主演ドラマ『ポルノグラファー』が話題になるなど、俳優としての幅を広げている

「今まで10年くらいやってきた舞台の活動は完全に僕の基盤になっているので、もちろんこの先もずっと続けていきたいというのが、まず第一にあります。

 それを続けつつ、近年はありがたいことに映像の仕事もやらせてもらっていて、その面白さもだんだんわかり始めてきたところなので、

 舞台とは違う映像作品の独特の感じとかも自分に取り入れて磨いていって、ドラマや映画でも必要とされるようになりたいと思っています

 それに、ドラマだと舞台と違って、地元・愛知の家族みんながいつでも見られて喜んでくれるのがうれしくて

 そういう意味でも出演させていただけるのであれば、積極的にやっていきたいという思いはありますね。家族が大好きなんですよ(笑)」

 真ん中でも脇でも光れる若手バイプレーヤー、猪塚健太という俳優にハマる人が増えそうな予感。

(取材・文/井ノ口裕子)

いづか・けんた

●1986年10月8日、愛知県出身。'06年、俳優デビュー。'10年〜今年5月まで劇団プレステージの看板俳優としても活躍。主な出演作品は、舞台『娼年』『BLOODY POETRY』、ドラマ『ポルノグラファー』『今日から俺は!!』など。今後は、ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演二十五周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』(2020年3月)出演。

A New Musical『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』 
19世紀半ばのアメリカ・ローウェル。産業革命により大規模な紡績工場が誕生し、多くの先進的な女性たちがファクトリー・ガールズとして働いていた。サラ(柚希礼音)も貧しい家族を助けるため、自らの自由を得るためにローウェルへやってくる。しかし、彼女が工場で目にしたのは劣悪な労働環境だった……。自由を求めて闘った女性たちを描いたウーマンパワーミュージカル。
出演:柚希礼音、ソニン、実咲凜音、清水くるみ、石田ニコル、ほか。
東京公演:9月25日〜10月9日@TBS赤坂ACTシアター/大阪公演:10月25日〜10月27日@梅田芸術劇場メインホール
【オフィシャルサイト】http://musical-fg.com

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