ギニアからの密航者が死亡 車輪格納庫からぶら下がったまま着陸(モロッコ)

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2019年10月03日 21:12  Techinsight Japan

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密航者が狙う車輪格納庫(画像は『Khaleej Times 2019年10月1日付「Man found dead in landing gear of a plane; tragic details revealed」(Agencies file)』のスクリーンショット)
先月末、ギニア共和国の首都コナクリを出発しモロッコ西部カサブランカに到着したロイヤル・エア・モロッコのフライトで、密航者とみられる男が死亡していたことが明らかになった。旅客機は遺体が車輪格納庫からぶら下がった状態で着陸しており、男は離陸前の旅客機の車輪部分をよじ登って侵入したものとみられている。『Khaleej Times』などが伝えた。

ギニア共和国のコナクリ国際空港を午前2時5分に出発し、モロッコのムハンマド5世国際空港に午前6時35分に到着したロイヤル・エア・モロッコAT526便の車輪格納庫に9月30日、密航者とみられる男が侵入し死亡した。約3時間半のフライトだったが上空はマイナス60度にもなることから、男は離陸後まもなくして凍死した可能性が高いという。遺体は車輪格納庫からぶら下がった状態のところを、ムハンマド5世国際空港の地上勤務員によって発見されている。

当局は男がどのように車輪格納庫に侵入したのか、コナクリ国際空港のセキュリティも含めて調査を進めているが、男がサブサハラアフリカ(サハラ砂漠以南のアフリカの地域)出身である以外、詳しい情報は明らかにされていない。

今年7月のアメリカ連邦航空局(FAA)のレポートによると、旅客機を使った密航はこれまで44か国で発生し、34のケースはアフリカの空港で起きている。密航の手段としては車輪格納庫への侵入が多いものの、旅客機に隠れて密航した者の77%が死亡しており、死者数は1947年以降少なくとも126人に上るそうだ。

専門家によると、旅客機の車輪によじ登り車輪格納庫に侵入するのは決して難しいことではなく、夜間は辺りが暗いため密航者が比較的簡単に潜り込むことを可能にしているのだという。ただし車輪格納庫に入り込めたとしても、離陸後に車輪が格納される際に押しつぶされる危険がある。また格納庫内は車のトランクよりも狭いことも多く、高度が上がると酸素が薄くなり意識を保つことが難しくなるうえ、低体温症や凍傷を起こし、最悪の場合は凍死する。

ちなみに今年6月には、ケニアのナイロビから英ヒースロー国際空港へ向けて飛行していたケニア航空機から密航者と思われる凍結した遺体が落下し、ロンドン南部で日光浴中の男性が巻き添え寸前になるという事故が起きている。また2014年には、16歳の少年が米カリフォルニア州のサンノゼ空港を飛び立ったハワイアン航空の車輪格納庫に閉じこもり、ハワイ州マウイまでの約5時間のフライトを生き延びていた。

画像は『Khaleej Times 2019年10月1日付「Man found dead in landing gear of a plane; tragic details revealed」(Agencies file)』『NewsyPeople 2019年10月1日付「Horror as stowaway’s limp body is discovered hanging from plane wheel-well」(Streamable)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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  • 色んな意味で恐いなあ。
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