これぞクライマックス!セ・パともに“Wリーチ”で迎える第3戦、傾向的に有利なのは…?

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2019年10月07日 07:22  ベースボールキング

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ベースボールキング

劇的勝利で望みをつないだDeNA
◆ 勝った方がファイナルへ…

 ついに始まったプロ野球のクライマックス・シリーズ。10月19日(土)からはじまる日本シリーズへの出場権をかけた戦いは、各リーグの2位・3位チームによるファーストステージが5日に開幕。この土日はセ・パともに1勝1敗の痛み分けとなり、今夜の第3戦までもつれつこととなった。

 両リーグとも、リーグ3位チームが初戦を取り、追い詰められた2位チームが意地を見せて取り返す、というまったく同じ流れに。短期決戦は「初戦が大事」とはよく言ったものの、2勝先取の3回戦においては、勢いに乗って3戦目に向かえる分、「2戦目を取ること」が重要という考えも一理あるように思える。

 勝った方が優勝チームへの挑戦権を掴む、運命の第3戦…。果たして、「初戦勝ち」と「2戦目勝ち」では、どちらの方が多く次のステージへと進んでいるのか。過去の傾向を振り返ってみた。


◆ 過去のCS・1stが第3戦までもつれた場合…

▼ 2004年:西武(2位)
第1戦:西武
第2戦:日本ハム
第3戦:西武
【初戦勝ち】
※当時はパ・リーグのみの実施、呼称は「プレーオフ・第1ステージ」


▼ 2006年:ソフトバンク(3位)
第1戦:西武
第2戦:ソフトバンク
第3戦:ソフトバンク
【2戦目勝ち】
※当時はパ・リーグのみの実施、呼称は「プレーオフ・第1ステージ」


▼ 2007年:ロッテ(2位)
<パ・リーグ>
第1戦:ロッテ
第2戦:ソフトバンク
第3戦:ロッテ
【初戦勝ち】


▼ 2008年:中日(3位)
<セ・リーグ>
第1戦:中日
第2戦:阪神
第3戦:中日
【初戦勝ち】


▼ 2009年:中日(2位)
<セ・リーグ>
第1戦:ヤクルト
第2戦:中日
第3戦:中日
【2戦目勝ち】


▼ 2011年:ヤクルト(2位)
<セ・リーグ>
第1戦:ヤクルト
第2戦:巨人
第3戦:ヤクルト
【初戦勝ち】


▼ 2012年:中日(2位)・ソフトバンク(3位)
<セ・リーグ>
第1戦:中日
第2戦:ヤクルト
第3戦:中日
【初戦勝ち】

<パ・リーグ>
第1戦:ソフトバンク
第2戦:西武
第3戦:ソフトバンク
【初戦勝ち】


▼ 2013年:ロッテ(3位)
<パ・リーグ>
第1戦:ロッテ
第2戦:西武
第3戦:ロッテ
【初戦勝ち】


▼ 2014年:日本ハム(3位)
<パ・リーグ>
第1戦:日本ハム
第2戦:オリックス
第3戦:日本ハム
【初戦勝ち】


▼ 2015年:巨人(2位)・ロッテ(3位)
<セ・リーグ>
第1戦:巨人
第2戦:阪神
第3戦:巨人
【初戦勝ち】

<パ・リーグ>
第1戦:ロッテ
第2戦:日本ハム
第3戦:ロッテ
【初戦勝ち】


▼ 2016年:DeNA(3位)
<セ・リーグ>
第1戦:DeNA
第2戦:巨人
第3戦:DeNA
【初戦勝ち】


▼ 2017年:DeNA(3位)・楽天(3位)
<セ・リーグ>
第1戦:阪神
第2戦:DeNA
第3戦:DeNA
【2戦目勝ち】

<パ・リーグ>
第1戦:西武
第2戦:楽天
第3戦:楽天
【2戦目勝ち】


▼ 2018年:ソフトバンク(2位)
<パ・リーグ>
第1戦:ソフトバンク
第2戦:日本ハム
第3戦:ソフトバンク
【初戦勝ち】


▼ 通算
【初戦勝ち】=12/16
【2戦目勝ち】=4/16


◆ 「初戦勝ち」が圧倒的

 2004年〜2006年までパ・リーグのみで行われていた「プレーオフ」時代も含め、過去にファーストステージ(第1ステージ)が第3戦までもつれたケースは計16例あったが、そのうち【初戦勝ち】チームが実に12度もファイナルステージへ進出。約15年という短い歴史のなかで、意外なほどの大差がついている。

 逆に、【2戦目勝ち】チームの突破率は25%。勢いに乗って第3戦に臨むことができるのかと思いきや、やはり崖っぷちからの連勝というのはかんたんなことではないようだ。


 そして、ここからは少し余談になるが、良いタイミングなのでこの記事のタイトルついて少し触れさせていただきたい。

 CSや日本シリーズのような短期決戦では、先に王手をかけられたチームが追いかけるように王手をかけることを「逆王手」と表現することもあるが、私の将棋好きの知人はこの表現を嫌う。

 と言うのも、「王手」とは「次に相手玉を取ることができる状態」のことを指し、野球では優勝や目標達成まで「あと1勝」という意味で使われることが多い。一方、「逆王手」とは「王手をされた側が玉を逃げるか、合駒をすることによって、先に王手をした側の玉に対して王手がかかること」。この場合、先に王手を取っていた側は一転して絶体絶命のピンチになるわけだが、野球でいう「逆王手」は追い詰められていた側も「あと1勝」の状態になったことを指すことがほとんどで、数字上は“五分”に戻った状態。先に王手をかけた方の「王手」が消えるわけではないため、そこに違和感を感じると言うのだ。

 そこで、適切な表現方法を考えたところ、今回は「Wリーチ」に落ち着く結果に。野球の記事ではほとんど見かけることがないため、野球好きな読者の方にはかえって違和感を与えてしまったかもしれないが、ここではあえてこの表現にさせていただいた。


 というわけで、余談が長くなってしまったが、今年の1stステージは泣いても笑ってもあと1戦。セ・パともに勝った方がファイナルへ進出するという、“Wリーチ”の状態で迎える運命の第3戦…。

 これまでの傾向通り、初戦を取った3位チームが“下剋上”突破を果たすのか、はたまた2位チームが本拠地で意地を見せて優勝チームに挑むのか。決戦はいずれも18時にプレイボールとなる。


【きょうの試合予定】

▼ セ・リーグ
DeNA(平良拳太郎)− 阪神(高橋遥人)
<横浜 18時00分>

▼ パ・リーグ
ソフトバンク(高橋礼)− 楽天(岸孝之)
<ヤフオク 18時00分>



文=尾崎直也

このニュースに関するつぶやき

  • 記事の最後の余談のほうが、プロ野球関連の“おかしな”用語として知っておくべき大事な話やで。
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