「沖合」に女性連れ出し、頬なめて逮捕…水上オートバイで「監禁」が成立する理由

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2019年10月08日 10:21  弁護士ドットコム

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琵琶湖の湖上で、水上オートバイに乗せた女性の右頬をなめた男性が、監禁と強制わいせつの疑いで逮捕されたと京都新聞(9月24日)が報じた。京都新聞によれば、男性は沖合1.8キロの琵琶湖で、女性を脱出不能の状態にした上で、頬をなめたという。 


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今回、男性の逮捕容疑の1つはなぜ「監禁」だったのか。監禁とは部屋に閉じ込めるなどの行為に限らず、湖や土地など広い場所であっても「監禁」にあたるのか。本多貞雅弁護士に聞いた。



●屋外でも「監禁」となる理由

監禁とは「一定の区域」から出ることを不可能または著しく困難にすることをいいます。なお「一定の区域」とは、必ずしも壁や柵で区切られている場所である必要はありません。屋外等であっても、一定の場所から通常の手段では脱出できないような状況であれば監禁となります。



過去の裁判例では、原動機付自転車の荷台に乗せて疾走した行為や、海上の沖合に停泊している漁船内に置き去りにしたような行為についても監禁罪が成立しています。



今回の「水上オートバイで湖の沖合1.8キロまで連れ出す行為」も、水上オートバイから降りて脱出することを著しく困難にさせる行為ですから、監禁にあたるといえるのです。




【取材協力弁護士】
本多 貞雅(ほんだ・さだまさ)弁護士
東京弁護士会所属。裁判員裁判事件や否認事件をはじめとした刑事事件、外国人の入管収容事件(長期かつ無期限収容問題等)に精力的に取り組んでいる。全件収容主義と闘う「ハマースミスの誓い」事務局長、入管問題調査会事務局。
事務所名:本多総合法律事務所
事務所URL:http://honda-partners.jp/


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