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会社を休んでベルマーク300円分集計… PTAのアナログさに悲鳴

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2019年10月09日 11:30  AERA dot.

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写真実録!ブラックボランティア活動 (C)2コマでPTAを叫ぶ母/イラスト:いらすとや
実録!ブラックボランティア活動 (C)2コマでPTAを叫ぶ母/イラスト:いらすとや
 子どもを持つ親たちにとって“避けたいもの”になってしまったPTA活動。なぜ強制参加? 非効率すぎ、変えられない・変わらない……そんなPTA問題の核心をズバリ表現する「2コマでPTAを叫ぶ母」さんのマンガを題材に、PTA問題に詳しいライター大塚玲子が解説します。初回は、超不毛と悪名高い「ベルマーク活動」について。

*  *  *
 一体いつの時代の風景なのか。

 スナック菓子やラーメン等々。食品パッケージから切り取った小さな紙片を空き箱に回収して、メーカーや点数ごとに分類。そして電卓で計算、集計……。そう、それは昭和の時代によく耳にした「PTAのベルマーク活動」。なんと今も続いています。

 学校の一室でやっているくらいですから、もちろん「悪い活動」ではありません。ベルマークをたくさん集めて点数を貯めると、自分の子どもが通う学校や被災地の学校に、ラジカセだのピアノだの、備品を寄付できるという仕組みですから、奨励されるわけです。

 学校にとっては、やはりありがたい話です。ご存じのように、日本は教育に驚くほどお金をかけません。GDPに占める教育の公的支出の割合は、いまや先進国(OECD加盟国)のなかでビリ。学校に与えられる予算は、とても少ないのです。

 そんな状況ですから、ベルマーク活動だろうがなんだろうが、ほとんどの学校は喜んで寄付を受け取ります。

 とはいえ、この寄付のシステムは、さすがにアナログすぎないか。

 マンガにも描かれているように、たとえばポテチの袋から切り取ったベルマークは、裏が油でヌルヌルべたべた。調味料を包む薄いセロハンに印刷されたベルマークは、そよ風に舞うほど繊細で、集計には手間がかかります。

 20人が2時間作業したとしても、あがりはたった数千円。「捨てちまえっ!」と叫ぶ人がいるのも、不思議ではありません。

もっと効率よく寄付をする方法はいくらでもあるのに、なんだってこんなやり方をしているのでしょうか。

 そもそもベルマークが始まったのは1960年。高度成長期まっただなかの時代です。「父親が外で働いてお金を稼ぎ、母親が家事育児を担う」という性別役割分担の全盛期でもありました。

 要するにこの時代のお母さんたちは、わりとお暇だったわけです。右肩上がりの経済成長のもと、父親ひとりの稼ぎで一家は生活できる。しかも洗濯機や冷蔵庫、炊飯ジャーや掃除機など、家事を自動・省力化してくれる家電も普及してきました。

 子どもが学校に行っている空き時間、ひとりで家にいてもつまらない。だったら子どもの学校にでも集まって、ほかのお母さんたちとおしゃべりしたいわ、と考えたのかもしれません。

 でも、ただおしゃべりっていうのも気が引けるから、何か「学校のため」になるようなことをしながら、時間をつぶせたらいいんだけれど……。

 無駄に手間がかかるベルマーク活動は、そんな母親たちのニーズに、うまくフィットしたのかもしれません。

 しかし、あれから早60年。2019年現在、状況は天と地ほど異なります。子育て世代でも夫婦共働きはもはや当たり前ですし、ひとり親だって増えています。わざわざ有給休暇を取って、または家族との時間を削って捻出した時間をベルマークやPTA活動に使いたいと考えるお母さんは、いないわけではありませんが、決して多くはありません。

 PTAに「一人一役ノルマ」がある今、ベルマークは「働く忙しい母親が、家でもできる活動」として人気を集めていたりするわけですが、これはもう、完全な本末転倒です。

 みんなで学校に集まっておしゃべりをしたいお母さんたちにとってこそ、手間のかかるベルマーク活動はそれなりにメリットがあったのに……。時間に追われる母親が家で請け負うそれに、何のメリットがあるでしょうか。

 ただ、意外とこういう作業が好きな人もいるのは事実です。ですから「なくせ」とまでは言いませんが、せめて少なくとも、「やりたい人でやる」ことにできないものでしょうか。父親でも母親でもいいから。

 積極的に「やりたい」と思っている人以外を、どうか巻き込まないでくれ。それができないのなら、一刻も早くやめちまえ、と言いたいです。(文/大塚玲子)

●大塚玲子(おおつか・れいこ)/PTAや家族などをテーマに取材を続けるジャーナリスト。全国各地で行う講演会「PTAをけっこうラクにたのしくする方法」も好評。著書に『PTAがやっぱりコワい人のための本』など

●2コマでPTAを叫ぶ母/関西在住の主婦。子どもが通う学校でPTAの本部役員を引き受けた経験から、ブラックPTAを改革すべく自作マンガを日々ツイッター(@PTA_no_black)で発信中! ※内容は実体験に基づくフィクションです

【おすすめ記事】エクセル計算したら周囲から浮く…PTA作業に悲鳴


このニュースに関するつぶやき

  • 昔は、片手間で参加していた、PTAでベルマークなど、集めたことはないですが、自分たちは委員会も数を減らしたワ。
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  • やめた学校多いよ。時間と労力の無駄
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