毎年10月10日は「目の愛護デー」。日頃からパソコンやスマホを長時間見ていて、目を酷使していると感じている人は多いのでは? この機会に目の健康について考えてみよう!
2019年9月 オズモール調べ 1694人
7割以上の人がメガネやコンタクトレンズを使用
世界中で増加、かつ若年化している近視。日本では小学生の約1割、中学生の約3割、高校生の約4割の裸眼視力が0.3未満というのが現状(2018年度学校保健統計調査)。これは40年前と比べると1.5〜3倍増加しているそう。オズモールのアンケートでも、メガネやコンタクトレンズを使用している人は、約73%もいた。
また、目の見え方や健康状態の悩みを聞いたところ、最も多かったのが「視力低下」と「目の疲れ」だった。「もともと視力はよくないのに最近は近くでもボンヤリとしか見えない」(マサコさん/30代・自営業)、「視力が毎年下がっている」(あさっちゃんさん/20代・会社員)など、近視が進行していることを心配している声も目立った。
近視の程度が強くなるほど、眼球が前後に伸びて目の病気の原因に
近視とは、裸眼で近くのものは見えるのに、遠くのものがぼやけて見える状態ですが、メガネやコンタクトレンズで視力を矯正できれば日常生活に支障はないはず。でも慶應義塾大学病院眼科の鳥居秀成さんによると、近視の程度が強い「強度近視」の人は、注意が必要なのだそう。強度近視とは一般的には屈折度数が−6.0D(ジオプトリー)より強い近視のこと。屈折度数はメガネの処方箋やコンタクトレンズのパッケージに記されているので、チェックしてみて。
「近視の人は正視の人に比べて眼球の前後の長さ『眼軸長』が長いことが多いという特徴があります。近視の程度が強いほど一般的に眼軸長は長いですが、例えば風船を大きくふくらませると厚みが薄くなって最終的に破裂してしまうように、強度近視の人は眼球が前後に伸びることで眼の組織が引き伸ばされ、さまざまな目の病気を引き起こす可能性が高くなるのです」(鳥居さん)
例えば網膜が薄くなると「網膜剥離」、視神経や網膜が障害されると「緑内障」などを発症しやすくなる。強度近視の人がこうした病気を発症しやすくなるのは40代から。今のうちになるべく近視が進行しないようにしたいもの。
近視の進行を食い止めるには?
近視は遺伝的な要因もあるけれど、近年急激かつ世界的に増加していることからもわかるように、環境的な要因もある。
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けれども今のメガネはUVカット加工がされていて、UVだけでなくバイオレットライトまでカットされているものが大多数。コンタクトレンズはバイオレットライトを通すものと通さないものがあるそう。このため、バイオレットライトを通すタイプのメガネやコンタクトレンズを使用し、屋外で過ごす時間を増やすのが、近視の進行を予防するためにはおすすめだそう。
「目の病気は症状が出てからでは遅いことも。近視の程度が強い人は、定期的に眼科でチェックしてもらうことも大切です」(鳥居さん)
教えてくれた人
鳥居秀成さん
慶應義塾大学病院眼科医師。日本眼科学会専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会認定健康スポーツ医。近視研究会世話人。慶應義塾大学病院の近視外来などで近視予防外来を担当するかたわら、近視予防の研究にも力を入れている。