マッチングアプリ『Tinder』、Netflixの脚本家参加のインタラクティブドラマ『Swipe Night』公開

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2019年10月10日 07:21  リアルサウンド

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『Tinder blog』より

 デーティングアプリ『Tinder』は9月20日、ブログを更新し、スワイプ機能によるオリジナルアドベンチャードラマをローンチすることを発表した。Tinderユーザーの半数を占めるZ世代 (18〜25歳)を想定し製作したという。10月6日から毎週日曜日に4話が予定されており、トレーラーも公開されている。


(参考:マッチングエージェントが「恋愛流行語2018」発表 “荒野行動カップル”って何?


 女優でミュージックビデオ・ディレクターのカレナ・エヴァンスが監督で、Netflix『Big Mouth』のニコル・ディレイニー、Facebook Watch『Five Points』のブランドン・ザックが脚本を手がけた力作だ(参考:『Tinder blog』)。


・デートがテーマ、地球最後の1日をどう生きるか
 『ING』は「Tinderの『Swipe Night』は初のパーソン・インタラクティブ・デーティング・シリーズ、NetflixやDisney+にSwipe Dateで勝負!」と見出しを打った(参考:https://www.ign.com/articles/2019/09/26/tinders-swipe-night-is-a-first-person-interactive-dating-series)。


 『Swipe Night』は、デートをテーマにしたライブアクション・インタラクティブのドラマシリーズ。世界の破滅までのあと3時間をどう生きるか。モラルの葛藤や現実的な選択肢があり、その結果により、次のストーリー展開が変わるだけではなく、誰とマッチングするかまで決まる。


 登場人物は、決断力のない楽天的な都会っ子グラハム。美人でスマートに何でも綿密に計画し実行するグラハムの彼女ルーシー。そして虚無主義者のふりをして強がっているが内心は優しいモリーといった顔ぶれ。


 『Wired』は更にそのストーリーを下記のように詳述している(参考:https://www.wired.com/story/tinder-swipe-night-wants-users-to-find-love-in-the-apocalypse/)


「地球最後の日。流星が、あと数時間でこの惑星に衝突し、あらゆるものを破壊する。ユーザーの決定に従い異なる結末に近づいていく。


 アプリを開き、エピソードをスワイプして、終わったら、相手と話す。映画館での初デートのようなものだ。映画とは異なり『Swipe Night』では、瞬時の決定を下す必要があり、何が最も重要かが明らかになる」


 Netflixの『Bandersnatch』とは異なり、Tinderはやり直しを提供しない。一度選択すると戻ることはできないうえ、別の選択をするとどんな結末になるかは分からない。


 『Tinder』は、この種のエクスペリエンスに基づいたスワイプに向かっており、単なるお互いの熱さではなく、共有された興味を通じで人々を結び付けようとしている。


 Tinderには大学専用バージョンのTinder U、音楽フェスティバル中にTinderユーザーを結び付けるFestivalモード等もある。7年前の登場以来、Tinderは196か国で、毎日約2,600万回のマッチングを行う。


 今日の18歳〜21歳の若者がTinderに参加してどのような体験をしているか、またアプリだけでなくデジタルソーシャルライフ全体もに焦点を合わせている。この設計には、プロダクトマネージャー、エンジニア、マーケティング、ユーザーインサイトからなる複合チームが取り組んだ。


 今の若者は、YouTubeやTikTokといったコンテンツが大好きな世代で、終末論的なストーリー展開が若いユーザーに響くだろうと考えたようだ。


・5億円超の予算投下は、ユーザー増加の起爆剤となるか?
 『Variety』は、Tinder初となるオリジナルのインタラクティブ・コンテンツ『Swipe Night』のプロジェクトには、500万米ドルの予算が用意されメキシコシティで撮影を行ったことに触れている(参考:https://variety.com/2019/digital/news/tinder-swipe-night-apocalyptic-dating-series-release-date-1203344084/)


 また、『TechCrunch』は、Tinderユーザーが減少傾向にあり、『Swipe Night』をユーザーを増やす起爆剤に位置づけているとしている(参考:https://techcrunch.com/2019/09/20/tinders-interactive-series-swipe-night-could-bring-a-needed-boost-to-user-engagement/)


・流れ星鑑賞のはずが地球に衝突し大パニック、反応はまちまち
 10月6日に配信された第1話のストーリーは、次のような内容だ。


 パーティ会場のような所で「恐竜の時代以来の至近距離に流れ星が来る一生に一度しかないチャンスないので、外で鑑賞しよう」と、若者が誘導されそうになると、物凄い地響きが鳴り響く。「これは異常じゃないのか」「あそこに宇宙人がいるだろう」「心配しないで」と混乱状態になった人々は、米主要メディアの報道を確認するとパニックに陥り、逃げ惑う。落下物が人に命中する生々しいシーンもあり、悲鳴や喧嘩の声があちこちから聞こえる。この窮地に、一体どう行動するのかが問われるというものだ。


 「第2話では何が起こるのか、また来週の日曜日」と表示され終了すると、「人を助けるか、それとも子犬を助けるか」「その瞬間を生きるか、それと流れ星について投稿するか」「ルーシーに真実を伝えるか、それともグラハムをかばうか」といった「重大な選択」が迫られ、第1話が終了する。


 この展開について、ネット上では大反響。『Reddit』には次のような意見が寄せられている(参考:https://www.reddit.com/r/Tinder/comments/dear59/swipe_night/)


「丁度視聴して、自分の選択をスワイプした。今の所、マッチはないが、運命の女性またはこの瞬間の女性に出会うことが出来ることを願う」


「驚くほど楽しかった」


「聞いたとおり、きちんとしていた。コンセプト自体は安っぽいが、また次の日曜も視聴する。200マイルも離れた人とマッチされるのは、ちょっと迷惑。」


「これの後に、スワイプがリセットしてしまった。以前にスワイプした沢山の人をまたスワイプしなければならなくなった」


 そんななか、「『Swipe Night』のアイコンを押す度にスクリーンが暗くなり、開くかに見えたら普通のTinderに戻ってしまい、接続できない」といった不具合なども報告されている(参考:https://www.reddit.com/r/Tinder/comments/debvqj/swipe_night_not_working/)。


 米国限定公開とはなるが、新しいタイプのコンテンツであり、バーチャルな世界でのインタラクションが、現実世界の出会いにも左右する『Swipe Night』。第2話以降の展開にも注目したい。


(Nagata Tombo)


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