MotoGP:マルケスとは裏腹に苦戦強いられるロレンソ。2019年は「フィジカル面で100%の状態で参戦したことがない」

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2019年10月11日 16:31  AUTOSPORT web

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ホンダに移籍して苦戦するホルヘ・ロレンソ
4戦を残して2019年シーズンのMotoGPタイトルを決めたレプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスに対して、同じマシンを駆るチームメイトのホルヘ・ロレンソは苦戦を強いられている。

 2019年シーズンよりレプソル・ホンダに加わったロレンソだったが、ホンダのマシン初ライドとなった2018年最終戦終了直後のバレンシアテストでは、ベストラップではマルケスから約0.6秒差とまずまずのスタートを見せた。HRC(ホンダ・レーシング)ではロレンソ専用のライディングポジション関連のパーツをテストに持ち込み、続くヘレステストではマルケスと約0.2秒差のベストタイムを記録。ロレンソのマシンの乗り換えは順調に進んでいたかに見えた。

 ところが、年が明けて、セパンオフィシャルテストの直前、トレーニング中にロレンソは左手の舟状骨を骨折。セパンテストを欠場することになる。開幕直前のロサイルオフィシャルテストで復帰したロレンソは、マルケスとそん色のないベストラップを記録。開幕戦カタールGPでもフリー走行1回目で2番手と順調なスタートを切ったが、フリー走行3回目と予選Q2で転倒を喫し、予選は15番手に終わる。ホンダでの初レースは13位に終わったが、手ごたえを感じたレースとなった。

 第2戦アルゼンチンGPは決勝スタート時に誤ってスピードリミッターのスイッチを押してしまい出遅れ、追い上げて12位、第3戦アメリカズGPはマシントラブルでリタイアを喫したが、ヨーロッパラウンドが始まると、第4戦スペインGPではここまでで最もいい走り出しを見せる。しかし、フリー走行、予選Q2と転倒を喫し、12位に止まった。続く第5戦フランスGPではベストグリッドとなる8番手を獲得するも11位、ムジェロで開催された第6戦イタリアGPでは13位と苦戦する。

 シーズン序盤を終えた時点で、転倒の多さが気になるものの、それはロレンソが攻めた結果であり、ロレンソは自分の速さを信じてレースに取り組んでいた。イタリアGP終了直後には日本に飛び、HRCでライディングポジション改善の取り組みを行なうなど、ホンダもロレンソをサポートした。

 続く第7戦カタルーニャGPでは10番グリッドからスタートすると、トップ集団に加わり、ロレンソらしさが戻って来たように見えた。ところが、2周目のヘアピン進入で転倒。トップ集団の3人を巻き込んでしまう。決勝翌日に行なわれたカタルーニャオフィシャルテストでも転倒を喫してしまう。そして、第8戦オランダGPの初日のフリー走行で再び転倒、背中を痛めるケガを負い、欠場を強いられた。本来の走りを取り戻したかに見えたロレンソだったが、ロレンソの思いとは裏腹に、歯車はかみ合わなかった。

■予想以上に長引いた怪我の回復
 当初はサマーブレイク明けのチェコGPでの復帰を目指していたが、予想以上に回復に時間がかかり、ロレンソが復帰したのは第12戦イギリスGPからとなった。レースに復帰したとはいえ、体調は万全ではなく、ここからさらに下位に低迷することになる。シーズン序盤では最大でも20秒ほどだったレースタイムのトップ差が、40秒台、50秒台と大きくなり、シーズン中盤に見えた光は遠のき、ロレンソはまだ暗く長いトンネルのなかから抜け出せずにいる。

 移籍直後のテストでの初ライドは順調だった。しかし、2019年のマシン仕様を決める最も重要な開幕前のセパンテストをケガで欠場したことが、第一のつまずきだった。復帰してからも体調が万全ではなかったことが判断を難しくし、調子を取り戻し攻めると転倒に見舞われたことで、ロレンソ自身、ライディングに迷いが生じ、マシンに対する信頼感を失っているようだ。

「問題はひとつだけではない。今年はフィジカル面で100%の状態で参戦したことがない。まずは自分の体調を100%に戻すことが重要だ。マシン面ではフロントのフィーリングを改善したい」とロレンソ。

 契約は2020年いっぱいまで残っている。サマーブレイク前後には移籍のうわさも出たが、それに対しては否定。ヤマハからドゥカティに乗り換えたときも、1年目は苦戦したものの、2年目には見事な復活を果たしているロレンソ。2019年シーズンの残り4戦は来季に向けても重要な戦いとなる。

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