これからのコスプレイヤーは“動画”も挑戦すべき? 人気レイヤー・五木あきら×うらまる【インタビュー】

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2019年10月12日 19:03  アニメ!アニメ!

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五木あきら&うらまる
「コスプレ」が一般的な趣味として定着し、いまでは事務所に所属し職業として活躍するコスプレイヤーも珍しくありません。
さらにコスプレイヤー自体の活動も多様化しており、ひと昔のようにイベントに参加しコスプレ姿を披露するだけではなく、バラエティ番組やCMに出演したり、雑誌の表紙グラビアを飾ったり、動画配信したりと従来の「写真」以外でも多様な活躍を見せています。

五木あきらさん(左) うらまるさん(右)
日本トップクラスの人気を誇るコスプレイヤーであり、2017年12月に立ち上がったコスプレプロダクション「12カンパニー」の創設メンバーの五木あきらさんも、従来のコスプレ撮影に留まらない活躍を見せている一人です。
事務所の後輩・うらまるさんとコンビでYouTubeにて「あきまるちゃんねる」や、ショート音楽動画配信アプリ「TikTok」にて動画配信するなど、コスプレイヤーが敬遠しがちな「動画」にも積極的に挑戦しています。

今回、動画配信どころか、ショート音楽動画配信アプリ「TikTok」で配信中の早口言葉をステキに歌い上げるキャラ集団「Super Lazys(スーパーレイジーズ) 」にて、声優初挑戦をした五木あきらさん、うらまるさんを直撃。
コスプレイヤーとして動画配信に抵抗はないのか、声優など初挑戦はないのか、「Super Lazys」の見どころも合わせてお訊きしました。
[取材・構成=乃木章、撮影=寒黙]

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■コスプレイヤーとして、動画配信は怖くないの?
――お二人は色々な活動にチャレンジしていますが、モチベーションはどこから来ています? 例えばお二人がコンビでYouTube配信している「あきまるちゃんねる」にしても、元来、動画はやりたがらないコスプレイヤーは多いと聞きます。

五木あきら:コスプレイヤーは確かに写真がメインだとは思うんですけど、まだまだコスプレイヤーでやっている人は少ない「動画」だからこそ、率先してチャレンジしてみたいんです。
「あきまるちゃんねる」のほかに「TikTok」もやっているんですけど、「今までやったことがないことをしよう」と楽しんでやっています。

TikTokはそれこそ、実はコスプレイヤーと相性が良いんです。撮り方の工夫ひとつで世界観を作り出せますし、エフェクトや編集機能でイメージを作り込むこともできます。
たぶん多くのコスプレイヤーはまだやったことないから分かっていないだけで、動画だからこそコスプレの良さを伝えられることもあるはず。
今後も写真動画関係なく色々とチャレンジしていきたいなと思っています。

五木あきらさん@itsuki_akira
――なるほど。とは言え、五木あきらさんはコスプレイヤーとしての実績が十分あり、事務所の中でも責任ある立場です。やはり、チャレンジをするのは怖い部分はあったのではないでしょうか?

五木あきら:12カンパニーの顔のひとつでもある立場を考えたら、めちゃくちゃありました。コスプレイヤーとして写真撮影全般は、これまでの蓄積があるので応用は効かせられるんです。
でも、「あきまるちゃんねる」に限らず、TikTokやドラマ出演など、新しい事は何も分からないままチャレンジしないといけませんから。

私はやるなら精一杯やりたいし、一定以上のクォリティを出したいと思っちゃうんですね。だから始める前は色々調べて研究して練習するんです。もちろん、事務所が「やりなよー」って背中を押してくれて協力してくれるから始めた事も多いです。

――うらまるさんは「あきまるちゃんねる」では緊張を感じさせないといいますか、自然体で出演されている印象です。

うらまる:そうですね。私も、撮影後に自分のイメージに作り込める写真と違って、加工しづらい動画は避けていたんです。

でも、そのうち写真だけだとコスプレイヤーの人柄や雰囲気があまり伝わらないと思うようになったんです。コスプレイヤーが実際に喋って動いているところを見てくれたほうが、親近感も湧いてイベントで会いに来てもらいやすいかなって。

それで「あきまるちゃんねる」を実際始めてみたら、ファンの方がすごく喜んでくれたんです。イベントで初めてお会いした方にも「いつも観ています」と言われ、自分が思っていた以上に喜んでもらえたので、これからも動画は挑戦していきたいです。

うらまるさん@uramaru_y
――うらまるさんには新しいことを始める怖さはありませんか?

うらまる:私は「全部が楽しい」感じです。色んな事をやりたい気持ちが強い。そもそも、コスプレ歴が長いわけでもないので、ほとんどが新しいことばかりですから。

――そうしたチャレンジに対して、周りの反応はいかがですか?

五木あきら:私はコスプレを長くやっているからか「あきらちゃん、本当にそれやるの?」と周りから心配されることもありますね。うらまるはコスプレ歴が短いから、「うらまるちゃん、これもやるんだ? 何でもやるね!」みたいに歓迎されやすいんだと思います。

■12カンパニーはコスプレイヤーをタレントにするつもりはない
――以前、社長の麗華さんにインタビューした際、12カンパニーにおけるプロコスプレイヤーの定義を聞いたら、「コスプレでお金を稼いでいるからといってプロではなく、プロフェッショナルのコスプレができているから仕事の依頼が来て職業にできていること」と答えてくれました。なおかつ「弊社のメンバーは基本的にはタレントを目指していません」とおっしゃっていました。コスプレだけに留まらない活動をしている五木あきらさんは、コスプレを仕事にすることについてどういった考えを持っていますか?

五木あきら:12カンパニーは「大好きなコスプレをお仕事にしたい!」という人が入ってくるし、私自身もタレントになりたいとは思っていません。もちろん、やりたければコスプレイヤーから始めて、声優でもイラストレーターでも、タレントでも本人の夢を応援はします。ただ、今の所は明確にタレントになろうという子はいないですね。

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――なるほど。しかし、タレントでなかったとしても、事務所に所属することでイベント参加や撮影対応の制限を受けることはありませんか?

五木あきら:いいえ。「うちの事務所に入ったから、もう普通のイベントは行かせないよ」とか、「カメラマンと1対1になる並び撮影はしちゃだめだよ」といった制限は全くないです。むしろ、「プライベートでイベント参加してファンを増やせればいいね」と応援してくれます。

私もイベント参加は全部が仕事ではないんですよ。プライベートで参加することも少なくないです。結局は、事務所ごとに売り出し方は違うので、良し悪しの問題じゃないとは思います。

―― ずっと応援していたファンは嬉しいと思います。やっぱり、カメラマンとしては推しを撮りたいですから。

五木あきら:そうですね。私たちはコスプレイヤーからのスタートなので、今まで当たり前にやってきたことを取り上げちゃうと、コスプレイヤーじゃなくなる気がします。

ファンも距離が遠くなったなと感じる人も多くなると思います。私たちはタレントではないし、有名芸能人でもないので、現状を応援してくれるファンの人達にはすごく感謝しています。
ファンの方に寂しさを感じさせないように、運営しているカフェにもメンバーがちょいちょい出店したり、交流イベントを多く開催したりしています。

うらまる:私も趣味としてのコスプレを楽しんでいます。やっぱりコスプレイヤーはイベントに参加してカメラマンさんに撮ってもらうのが、らしいというか、初心に戻れるんです。
イベントに参加するとコスプレはやっぱり楽しいと思えるので、今後も参加し続けたいなと思いますね。

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■後輩・うらまるが抱いた先輩・五木あきらの初印象は「やべえ奴きたな!」
――コンビで活動することも多くなったお二人の出会い、最初の印象を教えてください。

うらまる:私があきらさんに初めて出会ったのは、「闘会議2018」のフライヤー配布イベントで、現場に行く前に喫茶店で待ち合わせをしたんです。
そこでお会いしたら、もうオーラがすごくて! コートがモフモフしているし、サングラスもかけていて、もう大物女優みたいで「ええぇ!?」と驚愕でした。

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――よほど鮮烈だったんですね。

うらまる:初めましてだったので、「やべえ奴来たな!」みたいな(笑)。

五木あきら:やべぇ奴(笑)。

うらまる:もちろん、あきらさんのことはTwitterなどで写真を見てはいたんですけど、やっぱり本物はオーラがすごかったですよ。
最初の印象は「怖い人」で、決して粗相があってはいけないと身構えましたね。でも実際に話してみたらめちゃめちゃ優しかったです。すごく話しかけてくれるし。
私は初対面で自分から話しかけるのがなかなかできないんですけど、話かけてもらえたら、だんだん心を開いていくタイプなんです。あきらさんが最初からたくさん話しかけてくれたので、割とすぐに心を開くことができました。

五木あきら:本当? 最初に会った時から話せば普通に喋ってくれるから、心を開いた瞬間が分からない。

うらまる:そりゃあ無視はやばいでしょ(笑)、先輩ですから。でも「あきまるちゃんねる」始めてからだいぶオープンになったかなと。初対面の印象とは全然違いますね。完全にあれは見た目のせいだったと思います(笑)。

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――改めてうらまるさんから見て五木あきらさんはどんな先輩ですか?

うらまる:もちろん、大リスペクトですよ。事務所に入ったのも立ち上げメンバー3人の次が私でしたし、メンバーの中でも、あきらさんと一番一緒にお仕事させてもらっています。いつもすごく優しくしてもらっているし、ちゃんとダメなところは怒ってくれるし本当に素敵な先輩です。

――どんなことで怒られたんですか?

五木あきら:スマートフォンカードゲーム『Shadowverse』のイベントに一緒に出演した時ですね。初めてうらまるに注意しました。
公式キャラクターのコスプレをしているので、ファンの方に見える所では、うらまるとして振舞っちゃダメだよと。

うらまる:キャラになりきらなきゃいけないのに、私が完全に素を出しちゃったことがあって……完全に私が悪いです。

五木あきら:もちろん、うらまるとしてはファンサービスをしただけなんです。それ自体は悪いことじゃないんですけど、会場には他にもたくさんの公式コスプレイヤーの方がいるから、和を乱しちゃいけない。
うらまるはルナというキャラだったんですけど、「ルナちゃんはやってくれたのに!」と思われないように、「公式コスプレイヤーとしての行動を取ろうね」と伝えたんです。

だけど、すごく言い辛かった。例えば学校で先生に注意されると、それが正論でも「うるせえな」と思うこともありますよね。私も嫌われないかと不安でしたし、先輩として注意しなきゃいけないと分かってはいても勇気が必要でした。

でも、うらまるは嫌な顔ひとつせず、「そうでした! すいません、分かりました」と言ってくれたので、なんて素直な子なんだなって。株があがった瞬間でもありました。

うらまる:お手を煩わせてしまって申し訳ない。私も注意してくれたことで、あきらさんの株が上がりました。
私も自分が先輩だったらすごく言い辛いと思うんですよ。それを私のためを思って言ってくれているのがすごく嬉しかったので、いい先輩だと思いました。

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――五木あきらさんも12カンパニーがスタートし、後輩の見本となる先輩の立場になったことで意識が変わった部分も大きいですか?

五木あきら:めちゃくちゃ大きいですね。今までは一人でずっとやっていたし、むしろ逆に年上のコスプレイヤーの友達に可愛がってもらう側でした。
正直、先輩という立場は苦手です。でも事務所では、私は中学生からコスプレしているので、年齢的には年上の子でも、キャリアとしては私が先輩になることが多い。さらに創設メンバーなので一所属コスプレイヤーでもない。

所属している皆をキラキラさせてあげなきゃいけないし、皆がどうやったらもっと活動しやすくなるのかを考えないといけない立場です。

後輩に嫌われるのはやっぱり怖いです。それでもコスプレ歴が長い自分だからこそ分かることは、しっかりと伝えていきたいなと思います。

■『Super Lazys』の見どころは、難易度が高い早口言葉

――これまでも色んなお仕事にチャレンジしているおふたりですが、声優初挑戦はいかがでしたか?

うらまる:私は元々声優志望だったんですよ。声優養成所に通ったりオーディションを受けたりしていたので、オファーを頂いた時はすごく嬉しかったですね。ずっとやってみたかったから。

五木あきら:私も小中学生の時からアニメが大好きだったので、声優になりたい気持ちもありました。でも、家族にはすごく反対されたので、声優を目指すために具体的に何かをやることはなかったです。とはいえ、いちアニメファンとして、アニメに関わりたい気持ちはあったので、今回すごく嬉しかったです。

ただ今回は、早口言葉がメインなので、バリバリの声優というよりはキャラクターの声を担当しているだけの感覚ではいますね。

――五木あきらさんはスーパーネコ・スーパーカエル役、うらまるさんはスーパーブタ役を担当しています。キャラのネーミングもすごいんですけど、ビジュアルを見ると全員目が死んでいるのが印象的でした。



うらまる:そうなんですよ。全員目が死んでいる!

五木あきら:でも、グダグダしていて引き籠もりっぽいところは若干似ているかな?

うらまる:それは私にも言えるので、めちゃめちゃ共感しました。

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――お2人が演じた上で『Super Lazys』のここを見て欲しい部分はどこですか?

五木あきら:早口言葉をめちゃくちゃ繰り返しているんですけど、キャラクターデザインやそもそもの背景設定がゆるいところです。言っていること全部グダグダなのも、返って親しみやすいのかなとも感じますね。

うらまる:。私が歌っている回ですかね。歌詞がほぼブタなので、私はブタしか言ってないんですけど、曲のメロディがすごくいいんです。そのギャップが面白いし、中毒性があります。

――それだけブタが続く中で、どんな心境で歌ったんですか?

うらまる:いやもう、自分が何をやっているのか分からなくなってきます! ただ、同じ「ブタ」でもそれぞれ感情を込めつつ、曲のテンションに合わせてしっとりした感じで歌いました。歌詞はブタなんですけど(笑)。

五木あきら:こんな感じなので、キャラを演じる余裕はございませんでした(笑)。

うらまる:キャラ演じるというよりは、曲のテンションに合わせて楽しくやるという感じでしたね。

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――早口言葉も種類多いですし、異常に難易度が高い。噛まないように言えましたか?

五木あきら&うらまる:無理でした。

――挫折しそうにならなかったんですか?

五木あきら:何度もなりました。私は滑舌が元々悪いのでファンの間では「早口言葉が言えない」ことで知られているし、鼻声っぽい声をしているから風邪ひいてない時でも「鼻声だよね」と言われるので。
「これ、絶対無理だよ」とは思いながら頑張って練習しました……。「カエルぴょこぴょこ」ぐらいなら頑張れば言えるんですけど、「あぶりカルビ」リピートはちょっと厳しかったです。収録ではある程度まで頑張って言って、その後は音源に魔法をかけてもらいました(笑)。

――それでは、最後に『Super Lazys』の見どころをお願いします。

うらまる:キャラクターが面白可愛いところです。なんだか憎めない感じで、曲や早口言葉のメロディがすごく印象に残る。中毒性があるから私も何回も聞いちゃいました。皆さんにも曲とメロディを楽しんでもらいたいです。

五木あきら:この集団なんなんだ、みたいな謎な部分と、何とも言えない感じのゆるさにハマって欲しいです。演じる私たちも見守っていって欲しいなって思います(笑)。

これは今日の取材のために私たちが個人的に作ったTシャツなんですけど、皆さんが応援してくれたらグッズ展開とかめちゃくちゃしやすそうなキャラクターだなと思います。私もこのキャラのぬいぐるみ欲しいし。

うらまる:確かにぬいぐるみ欲しい!

五木あきら:だから皆さんに是非応援して頂きたいと思っています。

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