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TEAM SHACHI×ロックマンはコラボの理想形? スマッシュヒットを生んだプロモーション術を読む

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2019年10月12日 22:31  リアルサウンド

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リアルサウンド

写真TEAM SHACHI
TEAM SHACHI

 チームしゃちほこ改め、秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫、坂本遥奈の4人からなるラウドでポップなガールズグループ TEAM SHACHIと、カプコンの人気ゲーム『ロックマン』とのコラボ楽曲&ゲームが話題を呼んでいる。そのコラボ曲「Rocket Queen feat. MCU」が収録された最新シングル『Rocket Queen feat. MCU/Rock Away』(10月2日発売)は、10月14日付オリコン週間シングルランキングで3位を記録。話題性とフィジカルの売り上げの結果から見ても、TEAM SHACHIとロックマン双方のファンが満足する形で着地した理想的なコラボとなった。


参考:TEAM SHACHIがバンド編成で見せた圧倒的な熱量 新木場フリーライブに感じたグループの成長


■ロックマンファンも納得するクオリティの高いコラボ


 では、なぜ今回のコラボが最高の結果を生むことができたのか。まず挙げられるのは、ロックマンファンも唸るコラボゲーム「ROCKMAN 20XX 〜戦え! TEAM SHACHI〜」のクオリティだ。『ロックマン2』をベースに30年後の世界が舞台となる同ゲームでは、TEAM SHACHIメンバーが操作キャラとなり、Dr.ワイリー AIに改造されたロックマンを助けにいく、というIFストーリーを展開。8ビットグラフィックでデザインされたメンバーをはじめ、老ボットになったロックマンやかつてゲーム『ロックマン2』に登場したボスキャラ、ジャンプするときの挙動など、細部にまで目が行き届いた仕上がりにファンやTEAM SHACHIを知らなかった人たちも歓喜の声を上げた。実際、サービス開始からの1カ月間で50万回プレイもされたというのだから驚きだ。


 1987年にファミリーコンピュータのアクションゲームとして登場した『ロックマン』は、国内外でも人気を博す大ヒットシリーズ。自ずとコラボのハードルが高まることは必須だが、ゲーム開発者でさえも完走が困難なクリア率0.1%を謳う鬼レベルの難易度が大きな注目を集めた。筆者もプレイしてみたところ、強制スクロールとトラップだらけのマップ、敵の配置まですべてがエグい。正直、70%(ゲームの攻略具合がゲームオーバー時に表示される)地点で、バブルマンを越えられず今も心が折れている。


 もともとトライ&エラーを繰り返してクリアを目指す、いわゆるプレイヤー泣かせの死にゲーというジャンルにも属する『ロックマン』(その難易度の高さとプレイヤーの悔しさは後に「エアーマンが倒せない」というヒット曲を生み、多くの共感を呼んだ)。もし今回の「ROCKMAN 20XX 〜戦え! TEAM SHACHI〜」が中途半端な難易度であれば、ここまでプレイヤーを熱中させることはなかっただろう。ひとつのコラボにも手を抜かないカプコンスタッフの情熱とロックマン愛が具現化したような名作ゲームとなった。


■豪華アーティスト&クリエイターが参加した楽曲


 もちろん、ただ単純にゲームが面白い、というだけではない。ゲーム内BGMとしても流れる「Rocket Queen feat. MCU」は、新藤晴一(ポルノグラフィティ)とak.hommaこと本間昭光が楽曲を制作し、MCU(KICK THE CAN CREW)がフィーチャリングゲストとして参加。ゲームに負けない豪華コラボによって、『ロックマン2』のゲーム音楽とブラス民(改名後に参加しているTEAM SHACHIとともにする仮面ホーン隊)によるブラスサウンドが調和する、ロックマンとTEAM SHACHIならではのポップソングが生まれた。SNSの反響を見ると「ラジオからロックマンの曲が流れてきて驚いた」という感想も上がっており、ロックマンを入り口にTEAM SHACHIの音楽に初めて触れる人もいるようだ。


 ゲームクリアまでの攻略方法が描かれるMVも、公開から約1カ月で40万回再生を突破。徐々に期待値を高めていくプロモーションも秀逸で、始まりは9月3日に今回のコラボのティザー映像、9月12日に同MVが公開。さらに9月15日に開催された東京ゲームショウのカプコンブースで、ロックマンシリーズ最新作と並んでゲーム化がサプライズ発表された。


 コラボと聞いたときは、楽曲とMVまでかなと勝手に予想してしまうものだが、まさか実際にプレイできるゲームも開発されるとは……と思った人も少なくないだろう。いい意味で予想を裏切る大きなインパクトを与えた。それと同時に、前述したゲーム難易度の高さに心をヘシ折られる度にMVで攻略のヒントを探すという、ゲームプレイ→ゲームオーバー→MV視聴→ゲームプレイ……という好循環を生み出すことに成功。その間はずっと「Rocket Queen feat. MCU」を聴くことになるわけだが、新藤×本間コンビによる楽曲そのものの耐久度も保証済み。TEAM SHACHIにはあまり詳しくないが、この曲が頭から離れない、というプレイヤーが出てきても納得がいく。


■TEAM SHACHIの新たな道を開くコラボに?


TEAM SHACHIx長岡中越高等学校吹奏楽部「Rocket Queen feat.MCU」(マーチングバンド ver.)【Official Music Video】
 ただ話題になっただけでは終わらないのが、今回のロックマンコラボ。東京ゲームショウで発表された際は、国内に留まらず海外メディアにも取り上げられた。これは国内外に影響力を持つロックマンだからなし得た発展だろう。TEAM SHACHIには、改名後に打ち立てた「名古屋から全国、全国から世界へTEAM SHACHIの輪を広げる」という目標がある。周知の通り、海外の日本ゲームへの関心は非常に高く、ロックマンきっかけでTEAM SHACHIの名前が海外にも届いたことは想像するに容易い。MVコメント欄に海外からのコメントも多々寄せられている様子から察するに、グループの広がりに繋がる足がかりにはなったはずだ。また、筆者は先日新木場STUDIO COASTで行われたフリーライブにて、バンド演奏による「Rocket Queen feat. MCU」を生で見た。サビなどでも新曲であるにもかかわらず会場の息もぴったり。TEAM SHACHIの代表曲となりそうなライブ映えする楽曲に仕上がっていた。


 その一方で、長岡 中越高校吹奏楽部とコラボした実写版MVも9月19日に公開され、ロックマンの波及効果のおかげもあって約3週間で30万回再生を突破。同MVでは、本間昭光が原曲にマーチングバンドverのアレンジを施している。『ロックマン2』ワイリーステージのBGMを取り入れたイントロを、マーチングバンドならではの荘厳さで再現。ロックマンマニアも聴いたことがないであろう、原曲とは異なる聴き心地になった。


 コラボあるあるではないが、強いもの同士が手を組む際には、あちらを立てればこちらが立たぬ状態に陥ることも少なくない。しかし、今回のコラボはTEAM SHACHIとロックマン双方のファンが納得し、スタッフを含めてみんなを幸せな気持ちにした上で、さらにグループのプロモーションとしても大成功。実際にゲームを製作する労力は多大だろうが、この手法を追随するグループも出てくるのではないかと感じるほどの好事例となった。だが、10月22日に改名1周年を迎えるTEAM SHACHIにとって、今回のコラボはまだ序章に過ぎない。見事なコラボレーションを実現したからこそ、今度は何をやってくれるのかと、次の一手にも期待の視線を送らずにはいられないのだ。(泉夏音)


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