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渋野日向子がまた魅せた。奇跡の逆転優勝も起こり得た濃密な9ホール

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2019年10月14日 06:31  webスポルティーバ

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 逆転での賞金女王を目指す渋野日向子にとって、うれしさ半分、悔しさ半分といったところだろう。

 前日に東日本を縦断した大型台風の影響で、18ホールから9ホールに短縮されて行なわれたスタンレーレディスゴルフトーナメント最終日。会場となった東名カントリークラブ(静岡県)は、台風一過で快晴に恵まれたうえ、気温も30度を超えていた。

 そんな気象条件のおかげもあってか、「水たまりとかまったくなくて、ホントに台風が来たのかなっていうくらいの感じだった」と渋野。風もそれほど強くはなく、数十年に一度と評される大雨をもたらした台風が通過したとは思えないほど、コースコンディションは回復していた。

 すると渋野は、最初の10番ホールでグリーンエッジからのアプローチを直接決め、いきなりのチップインバーディー。自ら、「いいスタートが切れたなと思った」と語る好発進である。

 ところが、絶好のスタートを切ったはずの渋野を、思わぬ落とし穴が待ち受けていた。

 続くパー5の11番、渋野は第3打をピンそば2mほどにつけながら、バーディーパットがわずかにショート。予想以上に回復していたコースコンディションが、渋野を幻惑させてしまったのかもしれない。

「(台風の影響で)やっぱりグリーンがちょっと重たくなっていたんで、その分、バーディーパットがかなりショートしてしまったところがあった。そこはちょっと悔いが残るなってところです」

 渋野は、11番を手始めに12、13、15番と、ことごとく決まらなかったバーディーパットについて、こう振り返る。

「バーディーパットが最後(18番)以外、一個も入ってないですもんね。あそこ(11番)は読みも違うし、距離感も全然ジャストタッチじゃない。『あ、グリーン遅いな』、『合ってないな』って思ったんで、そのあとからはしっかり打っていこうと思っても、やっぱり打ててなかったです」

 実際のところ、渋野は18番のほかにも14番でバーティーパットを決めているのだが、それも忘れてしまうくらい、外した印象のほうが強く残ったということだろう。首位と6打差でスタートしながら、最終的には3打差まで詰めたことを考えれば、悔やまれる4つのバーディーチャンスだったのは確かである。

 しかし、言い方を変えれば、4つもチャンスを逃したにもかかわらず、9ホールで4ストロークも伸ばし、25位タイから6位タイまで順位を上げたのである。だからこそ、渋野は「最終的に4つ伸ばしたんで、上出来だと思います」と、最終日のラウンドを評価する。

「アプローチでふたつチップインが取れたのが、結果がよかったのにつながったかなと思いますし、17番でアプローチミスをしてからの(グリーンの)外からのパーパットを決められたのもよかったかなと。9ホールだけだったので、最初から攻めの気持ちでいけたのがよかったかなと思います」

 そして渋野は、「パッティングとアプローチに今、ちょっと不安があるので、再来週(の試合)までに調整していきたい」と課題を口にしつつも、「今日はかなりトップと差がありましたし、たぶん全部バーディーを取らないと優勝はできないなと思っていたんで。なるべく順位を上げたいなと思ったなかで、自分のいいゴルフができた」と語り、6位タイでのフィニッシュにも納得の表情を見せていた。

 とはいえ、見る者を和ませる穏やかな笑顔とは裏腹に、渋野は逆転戴冠への意欲をはっきりと口にする。賞金女王の座に就くためには、ここからが本当の勝負――。彼女の言葉からはそんな強い覚悟がうかがえる。

「賞金女王になるためには、残り数試合は全部、確実に上位争いをしていかないといけないと思うので、ひとつひとつ大事に、一打一打大事に、しっかりがんばりたいなと思います」

 3日間のトーナメントのうち、2日目は中止となり、最終日は半分に短縮されたうえ、ギャラリーを入れない無観客試合として行なわれた。出場する選手たちがモチベーションや集中力を保つことは、決して簡単ではなかったはずである。

 そんな異例の条件下でも、渋野は優勝こそ逃したものの、確実に賞金250万円を加算。賞金ランクトップの申ジエとの差を、およそ600万円にまで詰めてみせた。

 手ごたえと悔恨が交錯した、わずか9ホールの短期決戦。それでも”全英女王”の強さは、十分に伝わってきた。

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