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宮澤ミシェルが語った今季のJリーグ優勝と残留争い「神戸はどのチームよりも当初の思惑とは違う位置を戦っていると思う」

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2019年10月15日 11:11  週プレNEWS

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写真Jリーグ優勝と残留争いについて語った宮澤ミシェル
Jリーグ優勝と残留争いについて語った宮澤ミシェル


サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第118回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、Jリーグの優勝と残留争いについて。いよいよ終盤戦に突入したJリーグで、熱い優勝争いと残留争いが行なわれている。そんな中、ヴィッセル神戸は他のクラブに比べ、当初の思惑とだいぶ違う位置にいるのではないかと宮澤ミシェルは語る。

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いよいよJリーグも大詰めが見えてきたね。首位を走る鹿島アントラーズが3シーズンぶり9回目の優勝を手にするのか。それともFC東京が念願の初優勝なるのか。

両チームを追走する横浜F.マリノスにだって十分にチャンスはある。ポステコグルー体制2年目の今季、J1の18クラブのなかで一番のスペクタクルなサッカーを見せている彼らがタイトルを獲ったら、面白いだろうなあ。

3連覇のかかる川崎フロンターレには黄色信号が灯っているけれど、爆発力は持っているからね。奇跡を起こす可能性はあるよな。

4チームの優勝争いのポイントになるのが、残留争いに身を置くチームとの対戦。残留に向けて死にもの狂いで勝点を目指す彼らに足元をすくわれると、栄冠からは遠ざかることになる。しかも、今シーズンも残留争いは大混戦。格下と思って甘く見ていると痛い目に遭うチームばかりだよ。

さすがに勝点21で最下位のジュビロ磐田は苦しいと言わざるを得ないけど、17位で勝点28の松本山雅から、9位で勝点35のヴィッセル神戸までの勝点差は7(10/6終了時)。その間には浦和レッズ、清水エスパルス、ガンバ大阪、名古屋グランパス、ベガルタ仙台、サガン鳥栖がひしめいている。

例年通りなら勝点40なら残留できるから、勝ち点35に到達している神戸、浦和、清水は残留へのリーチをかけた状態と言っていいだろうね。ただ、残り5の勝ち点を積み上げるのが、本当に至難の業。あっさり手にできるチームなら、こんな位置にはいないわけだからさ。

いずれにしろ、どのチームもシーズン当初の思惑とは違う位置を戦っている思いはあるよな。そのなかでも神戸のそれは他のクラブよりも大きいんじゃないかな。

スペイン人のリージョ体制2年目で幕開けしたけれど、4月中旬に吉田孝行へ監督交代。でも、監督交代のカンフル剤は効かなくて、リーグ戦で7連敗など不本意な状況だった。夏前に再び監督交代となって、ドイツ人トルステン・フィンクが就任した。

フィンク監督のもとで現実的な戦いをしたことでチームは立ち直りつつあるけれど、監督の手腕だけではなく、選手の顔ぶれが変わったのも大きいよな。

夏場にGKキム・スンギュ(→蔚山現代)やMF三田啓貴(→FC東京)、初瀬亮(→アビスパ福岡)などがチームを去り、代わりに元日本代表の酒井高徳をハンブルガーSVから、前半戦は大分でブレイクした藤本憲明、DF陣には元バルサのDFトーマス・フェルマーレンなどを獲得した。

そのなかでもフェルマーレンが効いているよ。バルサ時代はポテンシャルの高さを故障がちで生かしきれなかったけれど、Jリーグでは格の違いを見せつけている。神戸の課題はダンクレーの相方になるCBの弱さにあったけれど、フェルマーレン加入でCBのレベルはJリーグでNo.1と言えるだろうな。

ただ、能力の高い選手が入ったくらいでチームが良くなるほど守備は単純じゃないんだ。中盤の選手やGKとのコミュニケーションを深めて、緻密なコンビネーションを築くことが必要。だから、神戸もまだ守備は盤石とは言えない。

監督はシーズン途中に就任し、加入間もない選手がスタメンを張る状況では、そこまで望むのは酷。いまは個の能力を全面に出しながら最小失点に抑えて、勝ち点を積み上げていくしかないだろうね。

"バルサ化"を掲げた大改革をしている神戸だけれど、バルサのようなスタイルは一筋縄ではいかないから。神戸のスポーツダイレクターをつとめるアツ(三浦淳宏)は、所属事務所が同じなこともあって昔から仲もいいんだけど、その苦悩ぶりが伝わってくるんだよな。

でも、誰にでもできる仕事をしているわけじゃないからね。神戸は間違いなく少しずつチームは良くなっているし、期待感も生まれている。だからこそ、残留争いからさっさと安全圏へと逃げ出して、来季につながるような戦いをしてもらいたいと思っているよ。

構成/津金壱郎 撮影/山本雷太

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