西武秩父線50周年、特急車両の新旧レッドアロー&ラビュー勢ぞろい

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2019年10月16日 06:32  マイナビニュース

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西武鉄道は14日、西武秩父駅で「西武秩父線開通50周年記念セレモニー」を開催した。同社の101系による記念運行が行われたほか、駅構内に展示された5000系「レッドアロー」(前頭部)と10000系「ニューレッドアロー」・001系「Laview(ラビュー)」が勢ぞろい。ゲストを招いてのトークショーなども行われた。

西武秩父線は1967(昭和42)年7月19日に建設工事を着工。約2年3カ月の工期を経て、1969年10月14日、当時私鉄最長とされた正丸トンネル(全長4.8km)を含む吾野〜西武秩父間19.0kmの路線が開業した。西武鉄道の初代特急車両5000系「レッドアロー」もデビューし、池袋〜西武秩父間で特急「ちちぶ」の営業運転がスタート。今日に至るまで、沿線の暮らしや秩父観光の要として多くの利用者に親しまれてきたという。

開催当日の10月14日は台風19号の影響が心配されたが、池袋線・西武秩父線飯能〜西武秩父間は前日(10月13日)午後に運転再開し、当日は秩父鉄道との直通運転が中止となったものの、おおむね通常通りのダイヤで列車が運行された。開通時の西武秩父線で運行されたという101系の記念運行も実施され、開通50周年のヘッドマークを掲げた4両編成の101系が飯能〜西武秩父間を2往復した。

「西武秩父線開通50周年記念セレモニー」も当初の予定通り、西武秩父駅の駅構内と駅前広場、「西武秩父駅前温泉 祭の湯」駐車場を会場に開催された。「祭の湯」駐車場に設置された特設ステージでは、秩父屋台囃子の演奏や御神輿・秩父音頭の披露に加え、スペシャルゲストの市川美織さん(元NMB48)、お笑いトリオ・ななめ45°(岡安章介さん、土谷隼人さん、下池輝明さん)によるトークショーなどが行われた。

セレモニーには西武鉄道代表取締役社長の若林久氏、秩父市長の久喜邦康氏、飯能市長の大久保勝氏、横瀬町長の富田能成氏、秩父鉄道代表取締役社長の大谷隆男氏らが出席。西武鉄道の若林社長は、台風19号の影響が残る中、無事にイベントが開催されたことに感謝の気持ちを表した上で、「半世紀にわたるご愛顧への感謝を込め、西武秩父線開通50周年キャンペーンとして、来年3月までさまざまな企画を実施していきます。懐かしの黄色い101系の記念運行、沿線で行われる50周年記念ウォークなどを通じ、緑豊かで歴史と文化の漂う秩父の魅力を存分に味わっていただければ」と述べた。

来賓の挨拶に続いて出席者による鏡開きが行われ、地元の日本酒「秩父錦」が来場者にふるまわれた。スペシャルゲストの市川さん、ななめ45°の3人も来場者にお酒をふるまい、会場に集まったファンらと交流を図っている様子だった。
○■「レッドアロー」運転士、デビュー当時を振り返る

西武秩父駅では11月中旬まで、「西武秩父線50th×プラレール60th」の特別企画として「西武ちちプラレール駅」と称した記念装飾を実施している。駅構内には西武鉄道の初代特急車両5000系「レッドアロー」の前頭部を展示したフォトスポットが設置された。10月14日の「西武秩父線開通50周年記念セレモニー」では、10000系「ニューレッドアロー」・001系「ラビュー」の到着に合わせ、「レッドアロー」のフォトスポット前で特急車両引継式も行われた。

001系「ラビュー」は13時45分頃、回送列車として1番ホームに入線。数分後、10000系「ニューレッドアロー」の特急「ちちぶ15号」が2番ホームに到着した。「ラビュー」はこの日から営業運転に入るという第4編成を使用。「ニューレッドアロー」は西武秩父線開通50周年のヘッドマークと車体装飾を施した編成が使用された。

特急車両引継式では、西武秩父線開業時に「レッドアロー」の運転士を務めた西武鉄道元職員の新井敏三氏らが出席した。西武鉄道の3世代の特急車両がそろった後、折返し運転を行うための準備を終えた「ラビュー」「ニューレッドアロー」の運転士がそれぞれブレーキハンドルを持ち、「レッドアロー」のフォトスポットへ。「ニューレッドアロー」の活躍をねぎらうとともに、「ラビュー」への期待を込め、新井氏が橋渡し役となり、両列車のブレーキハンドルを交換するハンドル引継ぎが行われた。

新井氏は現在85歳。「レッドアロー」との初対面を「公休の日に上司から『明日、小手指〜飯能間で5000系の試運転がある。電車を見ておきなさい』と電話がありました。大雨の日に小手指の基地へ行き、そこで初めてお目にかかったのですが、業者の方から『靴はダメ。スリッパで歩いてください』と言われました」と振り返る。

西武秩父線の開業前日、1969(昭和44)年10月13日に池袋駅から西武秩父駅まで運転された祝賀列車に乗務した際、8両編成の「レッドアロー」を前に、「この細腕で運転できるのかと思うほど立派な編成でした」と新井氏は言う。50年前にもかかわらず、その日のことを鮮明に記憶している様子で、「小手指で指呼点検を入念に行い、回送で池袋へ行き、池袋の駅でテープカット。車掌とともに女優の酒井和歌子さんから花束を頂戴しました」「雲ひとつない秋晴れの日で、羊山トンネルを出て警笛を鳴らしたところ、羊山公園から大量の花火が上がったと記憶しています。西武秩父の駅でも花束をもらい、祝賀の式典を終えて戻る際も、駅にたくさんの見学者がいました。小手指の車両基地に電車を入れ、手続きと点検をすべて行った後、最後はレッドアローの前に行って脱帽し、『ありがとうございました』と最敬礼したことを覚えています」と語った。

開業時の西武秩父線で活躍し、開通50周年の記念運行を行った101系にも触れ、「西武鉄道始まって以来という、まったくの新車でありました。別名は『ASカー』(オールラウンド・サービス・カー)。乗車されるお客様、操縦する私たち運転士、すべての人に満たされた装備を持っている車両とのことです。それまで長年使っていたブレーキと違っており、だいぶ苦労しました」と新井氏は言う。101系の運転を経験した後、5000系「レッドアロー」の運転も担当することになり、「ブレーキの扱い、ノッチの扱いなど、101系と変わらなくて安心しましたし、運転席が101系と比べて高くなっていて、非常に運転しやすい車両でした」と振り返った。

特急車両引継式の後、001系「ラビュー」(第4編成)は西武秩父駅14時25分発の「ちちぶ30号」となり、西武秩父駅管区長の合図とともに池袋駅へ発車した。一方、「ちちぶ15号」に使用された10000系「ニューレッドアロー」は回送列車に。「ラビュー」の発車後もしばらく2番ホームにとどまり、15時すぎに西武秩父駅を発車した。(上新大介)

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  • なんだろう、この並びって何かニューレッドアローに疎外感を感じるんよね… ◎(10/16 06:32 マイナビニュース)→
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