ヒカキンが明石家さんま&岡村隆史との共演で示した存在感 “驚かれる側”から“驚く側”へ

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2019年10月16日 07:01  リアルサウンド

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ヒカキン公式ツイッター(@hikakin)より

 人気YouTuberのヒカキンが、11日に放送された日本テレビ系の特別番組『いま知りたい天才5人VSさんま岡村SP』に出演した。


(参考:ヒカキン『ガキ使』出演で考える、変わりゆくYouTuberとテレビの関係


 明石家さんまと岡村隆史がMCを務めた同番組は、天才ソプラノ歌手、天才ゴルフ少女といった知られざる各分野における5人の天才たちをフィーチャーし、密着VTRやスタジオでのトークによって“凡人”との違いを探ろうというもの。ヒカキンは、俳優の佐藤浩市、綾野剛、乃木坂46の生田絵梨花、モデルでタレントの滝沢カレン、社会学者の古市憲寿、お笑い芸人の四千頭身らと共にゲストとしてスタジオに登場した。


 この番組におけるヒカキンの基本的役割は、他のゲスト同様、VTRが流れればワイプでリアクションをし、天才がスタジオに訪れれば気の利いた質問をし、さんまや岡村から話を振られたらテレビ映えする返しをするという一見簡単そうで、その実難しいポジション。しかも、さんまと家族ぐるみの付き合いがある佐藤、乃木坂46の中でも抜群のバラエティ適性を誇る生田、パンチの効いたコメントで違いを生み出す滝沢、有吉弘行やマツコ・デラックス同様毒舌を芸風にまで昇華した感のある古市と、粒ぞろいのテレビスターの中で、YouTubeが主戦場のヒカキンが埋もれてしまう可能性は大いにあった。


 しかし、様々なバラエティ番組にお呼ばれする中で経験を重ね、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)にも2度ゲスト出演しているヒカキンは、同番組においてしっかりと存在感を示した。


 天才の一人・プロポーカープレイヤーの木原直哉が「ロジカルな行動を日頃から心掛けている」という話をしていたところ、岡村から「ヒカキンさんから何かありますか?」と振られた際には、「それだけ合理的に生きてて時間をすごい大切にされていると思うんですけど、逆に『こういう時間イヤだな』と思うことはありますか?」と的確な質問を投げかけていた。また、天才の一人で81歳の世界最高齢プログラマー・若宮正子が「YouTubeにも動画を上げている」と話した時には、「僕らがそういう歳になる時の先駆けな感じがしますよね」と発言。トップYouTuberという立ち位置を活かしたコメントにより、天才のすごさを際立たせるという役割も担っていた。


 2014年に「好きなことで、生きていく」の広告が打たれてから数年間、YouTuberはテレビにとっての“異物”だった。高額な収入や特異なライフスタイルがさかんに取り上げられ、それをスタジオのタレントたちが驚くという構図の番組が幾度となく放送された。2014年時点には既にYouTube界のトップランナーだったヒカキンも例外ではない。おそらく数年前に同じ特番が放送されていたとしたら、彼も「天才」の側で登場していたことだろう。


 そんな“驚かれる側”だったヒカキンが、今や“驚く側”にまわっているのだから隔世の感を禁じ得ない。その背景には、ヒカキンが本業であるYouTubeへの動画投稿を継続しながら、テレビをはじめとした他メディアへの露出を積極的に繰り返して、世間一般への認知度を高めてきたという努力がある。今回の特番は天才たちの活躍ぶり、さんまと佐藤による掛け合いの面白さにフォーカスが当てられがちだったが、ヒカキンがナチュラルに豪華タレントたちの中に溶け込めるほどに「テレビに出ていても当たり前の存在」なっているということもまた、注目すべき点の一つなのだ。


(こじへい)


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