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森保監督よ、久保招集は本当に本人と代表のためになるのか?

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2019年10月16日 16:00  AERA dot.

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写真タジキスタン戦では後半42分からの出場となった久保建英(C)朝日新聞社
タジキスタン戦では後半42分からの出場となった久保建英(C)朝日新聞社
 移動を伴う中4日に人工芝ピッチ、凄まじいアウェームードという困難な状況下で15日のタジキスタン戦(ドゥシャンベ)に挑んだ森保ジャパン。前半は相手の気迫あふれる戦いぶりに押され、決定機も作られてしまう苦境を強いられた。後半に入って南野拓実(ザルツブルク)と鎌田大地(フランクフルト)の機転の利いたポジション変更などが奏功し、後半8分と11分に南野が連続ゴール。終盤には浅野拓磨(パルチザン)の2年ぶりの代表ゴールが飛び出し、3−0で勝利。2022年カタールワールドカップ2次予選3連勝で10月シリーズを終えることになった。

 10日のモンゴル戦(埼玉)で今季UEFAチャンピオンズリーグ(CL)初参戦の右サイド・伊東純也(ゲンク)が持ち前のスピードで鮮烈なインパクトを残し、同じくCL参戦中のトップ下・南野が2戦3発と気を吐き、タジキスタン戦で浅野も得点を奪うなど、2列目アタッカー陣で何人か光った選手がいたのは大きな収穫だ。その反面で、モンゴル戦後半に出場してゴールを奪えなかった原口元気(ハノーファー)、タジキスタン戦で先発しながらゴールに絡めなかった堂安律(PSV)らのように、不完全燃焼に終わった者も皆無ではなかった。

 18歳の久保建英(マジョルカ)は後者の象徴的な存在だろう。ピッチに立ったのは、タジキスタン戦の後半42分から。ロスタイムを含めて7分間の出場のみに終わった。10月シリーズに向けてチームに合流した時から代表最年少ゴールを期待され、「いつまでも言われ続けるのもあれなんで、早いうちに決められればそれで終わりなのかな」と決める気満々なところを見せていたが、チャンスらしいチャンスも巡ってこなかった。

 森保一監督は今回のワールドカップ予選を最初から最後まで経験させることで、近未来の日本の大黒柱に飛躍してほしいという親心から彼を呼び続けているのだろうが、右サイドで伊東がインパクトを残して堂安との併用にメドがつき、トップ下もエース・南野に加えてタジキスタン戦の途中からその位置に入っていい仕事をした鎌田大地も頭角を現したことで、久保の序列が低下した印象は否めない。

 マジョルカでしばしばプレーすることのある左サイドにしても、ファーストチョイスの中島、2018年ロシアワールドカップ組の原口に加え、タジキスタン戦で結果を出した浅野も参戦し、競争はより熾烈になったと言っていい。

 他の2列目候補者たちを見ても、招集見送りになっている香川真司(サラゴサ)と乾貴士(エイバル)という30代の経験あるベテランも控えているし、今回のU−22ブラジル遠征で勢いと破壊力を示した食野亮太郎(ハーツ)ら新戦力も台頭してきた。ここまでつねに年代別代表で飛び級を重ね、18歳でA代表デビューまで上り詰めた久保と言えども、これだけの凄まじいサバイバルを勝ち抜くのはそう簡単ではない。現実の厳しさを彼自身も改めて痛感したのではないだろうか。

 森保監督が今、久保の起用に躊躇しがちなのは、9月のパラグアイ戦(鹿島)後に記者会見で指摘した「守備の強度」の問題を懸念しているからだろう。所属のマジョルカでも屈強な黒人選手と対峙した際、久保が吹っ飛ばされたり、一瞬でかわされたりするシーンがしばしば見受けられる。逆に攻撃側に回ってドリブル突破を挑む際も、球際や寄せの厳しさに苦しむケースが少なくない。広いスペースがあり、相手の寄せが甘ければ、持ち前の創造性やアイデア、高度なテクニックを駆使して決定的チャンスを演出できるのだが、つねにそういう状況ばかりではない。

 さらに言うと、アジア2次予選では、今回のタジキスタンのように体当たり覚悟で日本選手をつぶそうとしてくるチームもあるだけに、まだ完全に成長期が終わっていない久保のような選手を出すのはケガなどのリスクが高い。指揮官もそのあたりを危惧していると見られる。

 こういった課題を克服するためにも、久保はしばらくマジョルカでのプレーに専念し、リーガ・エスパニョーラの強度に慣れることに努めるべきだ。欧州最高峰リーグの1つであるスペインにおいて攻守両面で自由自在にプレーできるようになれば、アジア予選で球際や寄せに苦しむことはなくなる。毎月のように日本とスペインを往復する肉体的負担がなくなり、クラブでじっくりとサッカーに向き合うことができるようになれば、伸び盛りの彼はもっと大きく成長できるし、マジョルカでの定位置確保にも近づくはずだ。

 実際、マジョルカでの立ち位置はまだまだ微妙と言わざるを得ない。9月25日のアトレチコ・マドリード戦と29日のアラベス戦に2試合連続スタメン出場した時には「久保は完全にレギュラーをつかんだ」と見る向きも多かったが、直後の10月6日のエスパニョール戦では再びサブに戻っている。この扱いを見ても、チーム内での立場は不安定だというしかない。

 加えて、マジョルカは目下、18位と2部降格圏に沈んでいて、チーム状態が芳しいとは言えない。ビセンテ・モレノ監督の更迭など予期せぬ事態が起きる可能性もある。そんな諸事情を勘案すると、久保は当面、チームで足場を固めることに徹した方が得策だろう。

 ただ、欧州組は3、6、9、10、11月のインターナショナルデーしか招集できないから、森保監督が「可能な限り、手元に呼んで見たい」と熱望するのも分かる。しかも次の11月シリーズは、14日に2次予選・キルギス戦(ビシュケク)があり、その後は17日にU−22日本代表のコロンビア戦(広島)、19日にA代表のベネズエラ戦(大阪)と試合が控えている。A代表として招集し、なかなか融合させるチャンスのないU−22代表の方に出すことも物理的には可能だ。そういう事情もあって、次も強行招集に踏み切ることは十分考えられる。

 それが本当に久保のためになるのかどうか……。指揮官にはこの先の彼自身と日本代表にとって何がベストなのかを今一度、再考し、明確なビジョンを打ち出してほしいものである。(文・元川悦子)

【おすすめ記事】久保建英は大丈夫なのか? 先人たちも苦しんだ若きスターの成長を阻む壁


このニュースに関するつぶやき

  • 協会とかから、怪我させるなとか言われてるか、単純に森保監督の力量?今の所森保監督だからできる采配は見えない。もっと今のうちに色んなパターンを試して欲しい。柴崎無しも想定しないとしんどいよ
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  • リーグ戦、ノーゴールじゃ話にならん
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