写真 巨人の球団創設80周年を記念した始球式対決後に長嶋茂雄さん(左)に声をかける金田正一さん=2014年 (c)朝日新聞社 |
球界のレジェンド、金田正一(かねだまさいち)さんが10月6日、亡くなった。86歳だった。前人未到の通算400勝を誇ったスター選手だった。
【写真】“血気盛んすぎ”で大暴れ!ロッテ監督時代の金田正一 国鉄スワローズ〜読売ジャイアンツを通じて、通算奪三振4490など、プロ野球記録を数多く打ち立てた。14年連続20勝以上&200奪三振以上&300イニング以上も達成。こうした記録は、今後も破られることはないとされる。
1958年の国鉄時代、開幕戦で巨人の新人の長嶋茂雄から4三振を奪ったことは今も語りぐさだ。
「本当に偉大な選手だった。面倒見が良い人で、よく食事やゴルフに誘ってもらった」
こう悲しむのは交流の深かった江本孟紀氏(72)。
「時代が違うので比較しにくいが、400勝を超えるピッチャーは永遠に出てくることはない。今なんて200勝だって難しい。金田さんは400勝したという自負が強かったが、それだけのことを口だけではなく実際にやってきた人」
No.1記録を築けた背景には、184センチの長身から投げおろす速球と、勝利にこだわる闘争心があった。
最後までプロ野球のことが気になって仕方がない様子だったと江本氏は語る。
「月に1回くらい電話がかかってきて、今の球界の、特に巨人のことを最後まで聞かれた。ここしばらく低迷していたし、原(辰徳)さんとも親しいから、巨人が優勝してほっとしたんじゃないかな」
球界関係者はもちろん芸能界を含め、交友関係は広かった。
ビートたけしやお笑いタレントのブルゾンちえみら、様々な人が追悼コメントを寄せた。
「話しかけやすく、なんでも話を聞いてくれる人。石原裕次郎さんや美空ひばりさんら大スターともつきあいがあった」(江本氏)
「カネやん」の愛称でも親しまれた金田さん。空前絶後の記録とともに、多くの人の記憶にこれからも残る。(本誌・田中将介)
※週刊朝日 2019年10月25日号