ヒカキン、はじめしゃちょー、フィッシャーズ……台風19号に際しYouTuberが果たした“社会的役割”

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2019年10月17日 07:41  リアルサウンド

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動画サムネイルより

 10月12日から13日にかけて、日本列島を襲った台風19号。東日本を中心に大雨に伴う河川の氾濫や土砂災害を引き起こし、各地で甚大な被害をもたらした。これまでも、災害時にはいち早くアクションを起こしてきたトップYouTuberだが、今回もまたヒカキンを始め、はじめしゃちょーやフィッシャーズらが動画やSNSを通じて、リアルタイムで情報を発信する姿が見られた。


(参考:ヒカキン、台風19号被災地支援を訴えネット募金を実演 「僕一人の100万円より、皆さんの100円」


 ヒカキンは台風の上陸が迫る10月11日、「【台風19号】今すべきこと、誰でも出来る準備を紹介!【家族の命を守ろう】」と題した動画を公開。勢力の極めて強い台風であることを知り、被害を最小限に抑えたいという思いから、動画を制作したという。動画では「今できること」として、避難場所の確認、モバイルバッテリーの用意、水の確保、ガラス割れ防止などの対策を紹介。同様に、フィッシャーズも「【台風19号】地球史上最大級の台風!?対策を紹介します。【どうかご無事で】」という動画を公開し、手軽にできて効果的な対策を伝えていた。


 ヒカキンのメインチャンネルは、登録者数が約775万人に及び、同じくフィッシャーズも580万人を超えるチャンネル登録者を抱える。彼らの動画を見ることが日々の習慣になっているユーザーも多く、若年層を中心にメッセージを伝え、効果を上げるに十分な規模だと言えるだろう。また、同じくトップYouTuberでも、視聴者層は異なっており、警鐘は幅広い人々に届いたはずだ。コメント欄には災害を経験した視聴者からのアドバイスも見られ、災害対策について広く語り合う掲示板的な役割も果たしていた。なお、不正確な情報の拡散を防ぐため、両動画の概要欄には、気象庁情報(NHKニュース)、内閣府防災情報のページ、ウェザーニュース、気象庁防災情報、内閣府防災のHPへのリンクが貼られていた。


 また、台風が日本列島に上陸した12日にも、ヒカキンは動画を更新。台風が直撃した都心の状況をリアルタイムに伝えていた。台風の暴風によりガラスが軋む音やマンションの揺れをレポートしながら、ヒカキンは「視聴者のみなさんも、今日だけじゃなくて明日もね、気が抜けないと思うんで、本当に気をつけてください」と引き続き、視聴者へ注意喚起を行なった。


 また当日は、動画のみならずTwitter等のSNSでも、多くのYouTuberがその拡散力を活かして、さまざまな情報発信を行なっている。はじめしゃちょーは、現在拠点としている静岡県で関東に先駆けて被害が起こったことを受け、「静岡のみなさん、被害が出始めているので避難場所の確認、避難準備、最新情報のチェックです!!!!!あとライト持って!!!!」と、被害情報を引用リツイートして投稿。ヒカキンは東京都への特別警報発表という情報のほか、視聴者からのリプライを取り上げるなど、メディアではフォローしきれない情報も拡散していた。SNSで広がる情報には当然、不正確なものも含まれ、ときに混乱の原因になることもある。そのなかで、インフルエンサーとしてSNSの利用に習熟しているトップYouTuberは、こうした災害時に細かな情報を伝えるキュレーターとしての役割も果たしていくのかもしれない。


 また当サイト既報の通り、台風が過ぎた13日には、ヒカキンをはじめとする多くのYouTuberが、「令和元年台風19号緊急災害支援募金(Yahoo!基金)」への参加を呼びかけた。ヒカキンは動画で手順を説明し、実際に限度額の100万円を寄付した上で、「僕1人の100万円よりも、 今見てくださってる皆さんの100円のほうがすごい力を持っています」と語っていた。


 トップYouTuberには、動画で紹介した商品が品薄になったり、動画でおなじみのスポットが観光名所化したりと、すでに大きな影響力と拡散力がある。「注目を集めるため」といううがった見方をする向きもあるが、彼らがその影響力を自覚し、正しく使ってくれた今回のような事例は、素直に喜ばしいことと言えるのではないか。


(川崎龍也)


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