「損傷したウイングを引きずって走るなどありえない」元F1王者ハッキネン、フェラーリの対応に苦言

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2019年10月17日 11:41  AUTOSPORT web

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シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2度のF1チャンピオンであるミカ・ハッキネンは、F1第17戦日本GPの決勝レースにおいて、フェラーリはダメージを負ったシャルル・ルクレールのマシンをすぐにピットインさせるべきであったうえに、壊れたフロントウイングによって“さらに悪い事態が引き起こされる”可能性があったと主張している。

 フェラーリは当初、オープニングラップでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンと接触したルクレールのピットインを遅らせた。ルクレールは、マシンの挙動は壊れたフロントウイングのエンドプレートの影響を受けていないと主張したのだ。

 しかしフェラーリは、レースディレクターからルクレールがマシンを“危険な状態”で走行させていると指摘を受けて、結局彼をピットインさせた。この違反によってルクレールには10秒のタイムペナルティ、チームには2万5000ドル(約270万円)の重い罰金が科せられた。

 ハッキネンは、フェラーリは安全面からルクレールをただちにピットインさせる正しい行動をとるべきだったと考えている。

 レース後、ハッキネンは『Unibet』のコラムにおいて、「私の考えとしては、彼はただちにピットストップを行うべきだった。なぜなら大きく損傷したウイングを路面に引きずりながらレースをするなどありえないことだからだ」と綴った。

「パフォーマンスが落ちるし、タイヤを傷めてしまう。それに本人にとっても他のドライバーにとっても危険になる。高速で走行中にウイングの不具合をそのままにしないことは、非常に重要だ」

「思い出してほしい。1994年のサンマリノで起きたローランド・ラッツェンバーガーの死亡事故は、損傷したフロントウイングの不具合が原因だったのだ」

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、決勝レースの序盤にルクレールの後ろを走っていたが、この時カーボンファイバーの大きな塊がルクレールのマシンからハミルトンの進路にまっすぐ飛んできて、マシンの右バックミラーを壊してしまった。

 ハッキネンは、結局のところこの事態から惨事を回避することができて、F1は幸運だったのだと主張した。

「我々は非常に幸運だったのだと思う。シャルルのフロントウイングのエンドプレートは結局外れたが、ルイス・ハミルトンのマシンの右ウイングのミラーを壊しただけだったのだから」

「もっと深刻な事態になる可能性もあった。今一度、我々はなぜヘイローのコンセプトが安全上これほどに重要な措置であるかを思い知らされることになった」

「個人的には、レースを続けたシャルルを責めてはいない。彼はマシンの調子はそれほど悪くないと言った。どのみち彼はコクピット内部からフロントウイングを見ることはできないのだ」

「しかしフェラーリ上層部はそれを見ることができた。FIAがレース後にペナルティを科したことは驚くにはあたらない」

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