ファッションが文化の架け橋に、日本とアフリカ6組の若手デザイナーがプレゼンテーションを開催

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2019年10月17日 13:42  Fashionsnap.com

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フィナーレの様子 Image by: FASHIONSNAP.COM (Koji Hirano)
日本とアフリカのファッションを繋ぐ新たなプロジェクト「FACE.A-J」が東京タワーの麓にあるスターライズタワーのスタジオで10月17日に開催され、6組の若手デザイナーたちがコレクションを発表した。

 「FACE.A-J」は「Fashion And Culture Exchange. Africa-Japan」の略で、アフリカファッション産業の発展と文化交流を活発化させ、これまでのアフリカのイメージを変えたいという想いから、ブッキー・アデジョビ(Bukky Adejobi)と清子・ウンバコ(Seiko Mbako)の女性2人による「Awa'Tori」が立ち上げ。ユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏文がプロジェクトディレクターとして携わり、ファッションウィーク期間中でのイベント開催が実現した。日本からは「ワタル トミナガ(Wataru Tominaga)」「サルバム(sulvam)」、山縣良和が主宰する「ここのがっこう」から選出された若手デザイナーたちによる「COYOTE」、アフリカからは「ケネス・イゼ(Kenneth Ize)」(ナイジェリア)、「Anyango Maphinga」(ケニア)、「テベ・マググ(THEBE MAGUGU)」(南アフリカ)の計6組が参加した。
 会場は2フロアに分かれ、モデルによるスタンド形式とパフォーマンス形式で、それぞれコレクションが発表された。パフォーマンスではライブ演奏を披露した「民謡クルセイダーズ」のメンバーが「サルバム」のコレクションを着用。陽気な音楽が会場を温めると、続いてミラーボールに照らされたステージに「Anyango Maphinga」のシャツやフリルドレスを着たモデルたちが踊りながら登場し、ユニークな演出で観客を楽しませた。



「サルバル」のコレクションを着用して生演奏を披露した「民謡クルセイダーズ」(上)、ダンスパフォーマンス行った「Anyango Maphinga」(下)
 最後は今年のLVMHプライズでグランプリを受賞した「テベ・マググ」(デザイナーは急病により欠席)が、アフリカの伝統的な柄をプリントしたというシャツやプリーツスカートをはじめ、エリザベスカラーのシャツや、紐のディテールがデザインされたドレス、ショートパンツのセットアップなど、モダンでエレガントなスタイルでランウェイショーを構成し、三者三様でコレクションを発表した。

「テベ・マググ」のランウェイショー

 両国のクリエイションの交流もプロジェクトの目的の一つで、「サルバム」はデザイナーへのリスペクトを込めて「ケネス・イゼ」で使用された手織りのテキスタイルを用いたコレクションを製作するなど、クリエイター間のコラボレーションも行われた。
 アフリカファッションはそれぞれ地域や国によって異なるというが、独特な色彩感覚やアクセサリー使いなど"オシャレ"が文化として根付いているという。今年のLVMHプライズでファイナリスト8組に選出され、会場でカラフルなチェックやストライプのピースを発表したデザイナーのケネス・イゼは、「ナイジェリアではよく停電が起き、その度に排気ガスを排出する発電機を使わなければならない。自分たちの置かれた環境のことを鑑みて、テキスタイルや染色においても手作業で電気に頼らない方法で服を作っている」といい、その土地ならではのファッションとの向き合い方を語った。プロジェクトを通して「文化やアイデア、技術をシェアし、学び合いながらそれぞれのファッションの可能性を広げていきたい」とコメントし、これをきっかけに日本との関わりを今後も深めていきたいという。

「ケネス・イゼ」のプレゼンテーション
 6組は1週間後にナイジェリアのラゴスファッションウィークで現地のセレクトショップを会場に同様のイベントを行うほか、プロジェクトは継続。今後もアフリカのデザイナーやクリエイティブの存在感を高め、日本、さらにはグローバルに訴求していく。

■FACE A-J:2020年春夏コレクション全ルック■ファッションウィークの最新情報:特設サイト
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