山田裕貴に続く? 塩野瑛久、佐藤流司、葵揚ら『THE WORST』で爪痕を残した若手俳優たち

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2019年10月20日 06:11  リアルサウンド

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(c)2019 高橋ヒロシ(秋田書店) /「HiGH&LOW」製作委員会

 LDHが手がける『HiGH&LOW』シリーズには、これまで窪田正孝、林遣都など、数々のLDH所属以外の俳優たちも活躍してきた。ドラマ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.O』(日本テレビ系)や、公開中の映画『HiGH&LOW THE WORST』にも、以前から出演の山田裕貴や、前田公輝、鳳仙学園の頭として登場した志尊淳をはじめとして、さまざまな注目の若手俳優が出演している。


 山田裕貴が村山良樹役をきっかけにその知名度を上げていったように、『HiGH&LOW』シリーズは、今後の才能を見出す登竜門的な役割も担うようになっていると感じる。今回、『THE WORST』でも特に印象的な活躍を見せてくれた注目の若手俳優たちを紹介したい。


●塩野瑛久(小田島有剣役)
 『THE WORST』の鳳仙学園の小田島有剣として出演の塩野瑛久は、公開されると、「『HiGH&LOW』小田島がヤバすぎ! 超魅力的キャラに落ちる人続出」というニュース記事でも話題となった。


 以前出演した『PRINCE OF LEGEND』では、片寄涼太演じる奏の第一側近のメガネ王子・久遠誠一郎として、ときにせつない感情も見せ当時から注目されていた。しかし、『THE WORST』では、インテリキャラの久遠とはまったく違う、ワイルドな魅力を存分に見せてくれている。


 現在は、同じ事務所の「男劇団 青山表参道X」のメンバーの西銘駿とともにドラマ『Re:フォロワー』(朝日放送系)にもダブル主演で出演中。この取材時には、西銘の奔放で天然な言動を、彼のキャラクターを熟知している塩野が、いつも見守り、適宜正確に、やさしく突っ込みフォローしている姿も見受けられた。


●佐藤流司(泰志役)
 同じく、『Re:フォロワー』に現在出演中の佐藤流司は、『THE WORST』では鬼邪高校の全日の新世代、泰志役を演じている。うえきやサトシ演じる清史とともに、泰・清一派、やすきよコンビと呼ばれ、『EPISODE.O』の1話の終わりに不敵な笑みを浮かべながら初登場し、2話でも何をしでかすかわからない狂犬ぶりを見せつけるなどインパクトを残した。


 彼の演技には、登場シーンの一秒も無駄にしたくないと思って演じているのではないかと思わせる気迫がある。役から素に戻った取材時の佐藤は、口を開くと興味深いキーワードが飛び出し、映画でみたような人懐っこさや茶目っ気があった。その一方で、独特のオーラを放ち、アーティスティックな雰囲気も感じた。演じる役柄によってまったく雰囲気が異なる俳優だけに、今後もさまざまな役に挑戦する姿を楽しみにしたい。


●福山康平(ジャム男役)
 鬼邪高校全日のジャム男を演じる福山康平は、大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)などにも出演しており、芸達者なイメージがあった。『THE WORST』のジャム男はテンポを作る役柄ということで、楓士雄役の川村壱馬、司役の吉野北人とともに、事前のリハーサルを重ねて、空気感を作っていったとのこと。


 ドラマの1話では普通の高校生っぽい髪型をしていたジャム男が、パンチパーマになっているのはなぜかという謎も深まり、気になる存在のひとりである。一生懸命にテンポを作り出すその感じも、「愛され」な空気をより作っているのではないか。


●坂口涼太郎(サバカン役)
 鳳仙学園のサバカン役で登場する坂口涼太郎は、ダンサー、シンガーソングライターという顔も持つ29歳。一度見たら忘れられない風貌で、「どこかで見たことがある?」と思ってしまうのは、実際たくさんの作品に出ているからだ。


 『ちはやふる』シリーズでは原作そっくりのヒョロくんを、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』では、ヒロイン奈美のアイドル好きの兄を、朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)では、眼鏡にサンバイザーの新人アニメーターを演じた。よく考えると、広瀬すずとの共演が多い。現在は鈴木拡樹や、『THE WORST EPISODE.O』で山王連合会のケンを演じる岩谷翔吾とともに、『カフカの東京絶望日記』(MBS・TBS系)に出演するなど、今後もさまざまな活躍が見られそうだ。


●葵揚(沢村正次役)
 個人的に、『THE WORST』の新たな登場人物の中で特に印象に残ったのは、鳳仙学園の沢村正次役の葵揚だろうか。今の若手には珍しく、坊主頭に強いまなざし、その中にも、筋の通った強さのようなものも見えるし、そんな役が似合う。


 『THE WORST』でも、彼が負傷したことから、鳳仙メンバーの戦う気持ちが芽生えていくキーパーソンにもなっている。志尊淳が台本になかった沢村の血に濡れた学ランのシーンをどうしても入れたかったというエピソードも有名である。


 葵揚は、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』(NHK総合)の後半の主役である田畑政治(阿部サダヲ)と青年時代を共に過ごした水泳選手・内田正練役としても登場し、なかなかの印象を残していた。そのほか、『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)、映画『タロウのバカ』『ブラック校則』などにも出演。今後、さらに活躍の場を広げていくのではないだろうか。


※高橋ヒロシの「高」、高野光希の「高」はハシゴダカが正式表記。


(西森路代)


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