ホーム > mixiニュース > エンタメ > 芸能総合 > マネ、セザンヌ、ルノワール… 中野京子と読み解く印象派の魅力

マネ、セザンヌ、ルノワール… 中野京子と読み解く印象派の魅力

3

2019年10月20日 08:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真【フォリー=ベルジェールのバー】 エドゥアール・マネ 1882年・油彩・カンヴァス 96×130cm (c)Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
【フォリー=ベルジェールのバー】 エドゥアール・マネ 1882年・油彩・カンヴァス 96×130cm (c)Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
 印象派とポスト印象派の殿堂といわれる英国のコートールド美術館の展覧会が、東京都美術館で開催中だ。その不思議な世界に迫る。

【画像】コートールド美術館の作品を写真で紹介

* * *
「印象派は主題より感覚を重視し、それまでの物語画を否定しました。今回のコートールド美術館展には謎めいた作品が多い。背後の意味を読み解いていくと、絵の見え方が変わってくるはず」とは、『怖い絵』や『印象派で「近代」を読む』の著作で知られる西洋文化史家で作家の中野京子さん。本展覧会の魅力を語ってもらった。

 なかでも「フォリー=ベルジェールのバー」は女性は何を見ているのか、背景の男性は誰なのかなど、謎に満ちている。

 ただ美しいだけでない、何か不思議な印象派の名画の世界へ迷い込んでみては。

■桟敷席
ピエール=オーギュスト・ルノワール 1874年・油彩・カンヴァス 80×63.5cm

「桟敷席は高額で、富裕層の男性が着飾った女性(妻、愛人、高級娼婦)を伴い、これ見よがしに自己顕示する場でもありました。この女性の黒と白の縞模様ドレスは当時の最先端。口紅がやや濃い感じがしますね。男性のほうは舞台ではなく他の桟敷席にオペラグラスを向けています。微妙な二人の関係は?」(中野京子、以下同)

■カード遊びをする人々
ポール・セザンヌ 1892〜96年頃・油彩・カンヴァス 60×73cm

「遠近法は無視、人物の解剖学的正確さもなし、感情もあえて伝えないようにしています。セザンヌが『近代絵画の父』と呼ばれるゆえんでしょう。面白いことに彼は若いころ激烈な感情むき出しの絵を描いていました。いったい何があったのでしょうか」

■草上の昼食
エドゥアール・マネ 1863年頃・油彩・カンヴァス 89.5×116.5cm

「これはオルセー美術館にある同名作品の小型ヴァージョンです。女性ヌードは女神や擬人像としてなら許された時代なので、明らかに現実のパリジェンヌそのもののこうした裸体は当時の人々に嫌悪感を与え、大スキャンダルになりました」

■フォリー=ベルジェールのバー
エドゥアール・マネ 1882年・油彩・カンヴァス 96×130cm

「舞台はパリのミュージックホール。背後に大きな鏡があり、シャンデリアや観客が映っています。スタンドバーで働く女性は『酒と春を売っている』と言われていました。このヒロインが虚ろな目をしているのは、それに関係しているのでしょうか。謎を解く鍵は、画面右の紳士にあるのかも」

■ネヴァーモア
ポール・ゴーガン 1897年・油彩・カンヴァス 60.5×116cm

「涙をためたこの少女は、ゴーガンの14歳の現地妻。タイトルの『ネヴァーモア』は、明らかにエドガー・アラン・ポーの詩『大鴉』の引用なのに、ゴーガン本人は否定しているのが面白い。少女の背後の2人が誰で何をしているのかも謎です」

(本誌/鮎川哲也)

【コートールド美術館展―魅惑の印象派】
12月15日(日)まで
東京都美術館(東京都台東区上野公園8−36)
2020年1月3日(金)〜3月15日(日)
愛知県美術館(名古屋市東区東桜1−13−2)
2020年3月28日(土)〜6月21日(日)

※週刊朝日  2019年10月25日号

このニュースに関するつぶやき

  • 彼女の視線よりその胸の膨らみに目が行ってしまった学生時代。今はその視線の先に立てる男に成れただろうか。そんな淡い妄想を抱かせるアートは嫌いじゃないな。
    • イイネ!1
    • コメント 0件
  • 彼女の視線よりその胸の膨らみに目が行ってしまった学生時代。今はその視線の先に立てる男に成れただろうか。そんな淡い妄想を抱かせるアートは嫌いじゃないな。
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(2件)

あなたにおすすめ

ニュース設定