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久保建英にいま必要なこと。レアル戦では「焦り」が見え隠れした

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2019年10月21日 16:11  webスポルティーバ

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 10月19日(現地時間)に行なわれたスペインリーグ第9節。マジョルカは開始7分、ラゴ・ジュニアが決めたゴールを守り抜き「金星」をゲットした。レアル・マドリードに今季初黒星をつけたのは、久保建英所属のマジョルカだった。

 ホーム「ソンモッシュ」でレアル・マドリードと戦うことは、クラブにとってバルセロナ戦とともにシーズン最大のイベントだ。そこで勝利を飾ることはマジョルカにとって考えられる限り最高の結果になる。ところが試合後、久保の表情に笑顔はなかったように見えた。

 久保にとってはレンタル元との対戦だ。自分自身の実力をアピールするこれ以上の機会はなかった。欧州のクラブには昔から、対戦相手の活躍選手を獲得する傾向がある。こちらを困らせた選手なら十分やっていけるだろうと判断するからだ。久保がこの一戦で活躍すれば、レアル・マドリード復帰への道は早まる可能性があった。対レアル・マドリード戦はマジョルカとしてのみならず、久保個人にとっても大きな一番だった。

 ところがそのスタメンに久保の名前はなかった。出場は後半14分からだった。

 考えられる理由は、チームを長く離れていたことだ。10月6日のエスパニョール戦(第8節)終了後、久保はマジョルカ島から日本に帰国。日本代表に合流した。だが10日に行なわれたモンゴル戦(埼玉)はベンチ要員で、出場したのは15日にアウェーでな行なわれたタジキスタン戦の後半42分からだった。その試合、後半のアディショナルタイムは3分あったので、出場時間は6分ということになるが、そのわずか6分のために、久保は2万数千キロの大移動を強いられることになった。

 マジョルカは、代表級の選手がほとんどいないチームだ。十数時間、飛行機に乗って帰国し、さらにそこからまた何時間もかけて移動して試合に臨もうとする選手はゼロだ。久保がタジキスタン戦の翌日、16日にマジョルカ島に戻ることができたとしても、それは試合の3日前に当たる。中2日で、クラブにとっての今季一番の目玉の試合に臨むことになる。

 その間、チームはこの大一番に備え、入念な準備をしてきたはずだ。しかしそこに久保はいない。監督がスタメン候補としてイメージしにくくなるのは当然だ。

 久保がマジョルカにやってきたのは8月末。デビュー戦は9月1日のバレンシア戦で、後半34分からの出場だった。だがその直後に帰国。パラグアイ戦(9月5日)、ミャンマー戦(9月10日)を戦う日本代表メンバーに招集された。

 次戦のアスレティック・ビルバオ戦(9月13日)が、後半18分からの交代出場になったのは、久保の行動スケジュールを考えれば当然と言えた。

 続くヘタフェ戦は前半19分からの交代出場。出場時間は11分→27分→71分と伸び、次戦アトレティコ・マドリード戦でついにスタメン出場の座をつかむ。フル出場も果たした。続くアラベス戦もスタメン、フル出場。軌道に乗ったかに見えたが、第8節のエスパニョール戦では再び先発を外れ、途中交代に甘んじることになった。

 このタイミングで久保は再び、チームを離れ帰国。モンゴル戦、タジキスタン戦を戦う日本代表に合流した。

 代表ウィーク明けに行なわれる第9節レアル・マドリード戦のスタメンが難しそうなことは、これまでの流れから容易に想像できた。

 モンゴル戦、タジキスタン戦のメンバー発表記者会見で森保一監督はこう述べている。

「欧州でプレーする選手は、所属のクラブから日本代表に戻ることは、体調を崩して帰ってくるものと考えられている。ポジションを失うかもしれないという覚悟を持って日本のために戦っている。実際、チームに戻ると多くの選手は、1試合ぐらいはスタメンで出られない。途中出場かあるいはベンチで終わる。そうした難しい状況のなかでポジションを奪い返し、チーム内で存在感を示してきた。そういう選手たちなので、今回の日程はタイトですが、その時にできるベストをしっかりと出してくれると思いますし、このタフな状況を戦うことは当たり前だと覚悟を持ってやってくれているので、心配はいらない」

 しかし、心配はいらないと決めきっていいものだろうか。「多くの選手は、1試合ぐらいはスタメンで出られない」と言うことは、久保がレアル・マドリード戦のスタメンを外れることを承知のうえで彼を招集したことになる。今日の日本代表監督として、それは適切なのだろうか。

 タジキスタン戦。残り3分となった段で出場した久保は、他のアタッカーとは段違いの高級感溢れるプレーを見せつけた。日本代表史上最高とも言うべきテクニカルかつスキルフルなプレーを見せた。この選手をいかにしたらいま以上の選手に伸ばすことができるか。世界的選手に成長させることができるか。日本代表監督が熟慮すべき重要なテーマだと言えるが、森保監督はレアル・マドリード戦のスタメンを外されても仕方がないと考えた。ミスジャッジだと言いたくなる。

 久保の技量はマジョルカでも群を抜いている。普通の監督なら、久保がレアル・マドリード戦の直前に戻ってきたとしても先発で起用しているに違いない。しかし、ビセンテ・モレノ監督は違った。久保のコンディションが実際、どれほどのものだったか知る由もないが、「まず相手ボールを奪う」という思考法で試合を考えれば、久保の優先順位は確かに落ちる。リーグ屈指の強者に対して手堅い作戦をとるならば、交代出場という判断も腑に落ちる。

 スペイン的でないというか、マジョルカのサッカーは確かに堅い。うまさはないが規律はある。相手ボールの時に強さを発揮する、大崩れしないサッカーだ。一方、攻撃はいたってシンプル。それで3勝1分5敗と踏ん張っている。

 3部、2部を1シーズンで通過。モレノ監督は就任3シーズン目でマジョルカを1部に昇格させ、そしてホームでレアル・マドリードを撃破した。評価は上がるばかりだろう。そういうチームに久保が溶け込めているのかと言えば、懐疑的にならざるを得ない。レアル・マドリード戦でもなかなかパスが回ってこないのだ。それはこの日に限った話ではない。

 チームメイトとコンビネーションが取れていないという側面は確かにある。この2カ月弱の間に、日本代表に招集されたことで、20日近くもチームを離れていれば、それも仕方ないかもしれない。久保にいま必要なことは、じっくり腰を据えてマジョルカでプレーすることだろう。難しい境遇に置かれることになった久保は、それなりに焦っているのではないかと思われる。

 レアル・マドリード戦のプレーにもそれが見え隠れした。好ましくないプレーをいくつか見せていた。悪いボールの奪われ方をしたり、ボール欲しさのあまりポジション感覚に乏しいプレーをしていた。活躍したとは言えない。採点するならば5.5〜6だろう。6.5は出せない。相手のレアル・マドリードが即レンタルを止めたくなるプレーをしたかと言えば、ノーだ。

 18歳ながら日本で一番うまい選手。まずはマジョルカで常時スタメンを飾ることだ。そしてゴールを可能な限り叩き出すことだ。

 ここしばらくは、久保をスペインから遠路、日本代表に呼び寄せるべきではないと思う。

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