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ぶっちゃけ、電ファミって利益出てました? 「電ファミニコゲーマー」編集長・TAITAI氏に聞く、独立の裏側、これからの野望

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2019年10月22日 09:03  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真電ファミニコゲーマー編集長、TAITAIこと平信一さん。新会社「マレ」の代表取締役社長でもある
電ファミニコゲーマー編集長、TAITAIこと平信一さん。新会社「マレ」の代表取締役社長でもある

 ブログ「色々水平思考」のhamatsuさんによる不定期コラム第3回。今回はhamatsuさんのたっての要望で、6月30日にドワンゴからマレへの事業移管が発表された、ゲームメディア「電ファミニコゲーマー(以下、電ファミ)」について、移管に至った経緯や、サイトのこれからなどについて、編集長のTAITAIこと平信一さんにお話を聞きに行ってきました。



【画像:書籍化もされた人気連載「ゲームの企画書」】



 ちなみにhamatsuさんも電ファミでコラム「なんでゲームは面白い?」を連載しており、電ファミの行く末については気になっていたとのこと。話を進めるうちに、(まだ今は明かせない)電ファミの“次なる野望”が少しずつ見えてきました(※インタビューは7月11日に収録)。



●電ファミ、ドワンゴから独立はなぜ?



hamatsu:最初にやはり、ドワンゴからの独立に至った経緯について聞いておきたいなと思うわけですが……。



平:そうですね……ただ、僕がまだドワンゴの社員ということもあって(※取材当時。現在は退社)、どこまで話していいのかなと。



ねとらぼ:必要であればドワンゴにもチェック出しますので。



平:いや、これはドワンゴ社員としてのインタビューにはならないんじゃないかな。変な意味じゃないですよ?(笑)



hamatsu:じゃあダメだ(笑)。



平:一応ざっくり説明すると、やっぱりドワンゴの今の経営状態というのは無関係ではありません。最近もいろいろサービス終了が発表されたりしましたが、電ファミもその流れの中の一つです。



平:ただ移管の話が持ち上がったのが2月末くらいで、そこから7月1日付で事業移管しようとすると、逆算して5月半ばくらいには引き取り手が決まっていないといけなくて、かなり急な話ではありました。結局、10社くらいに打診をして、そこそこいい反応をしてくれたところもあったんですが、なにぶん時間がなさすぎて、最終的に僕が引き取るということになって今に至っています。



hamatsu:そんな忙しい時期に、自分の連載記事の相談に時間を割いてもらったりしてすみません……。



平:まあ、仮に失敗して損したとしても数百万円とかですし、そんなに人生持ち崩すほどのことではないと思っていて。それくらいの金額であれば、例えば車を買ったりするよりも、なんか電ファミをわちゃわちゃした方が楽しいよな、っていうのは純粋な気持ちとしてありました。



hamatsu:今の電ファミのスタッフって、平さんを含めて何人ですか?



平:4人ですね。石元(修司)くんとクリモト(コウダイ)くん、それとカヤマくんっていう、電ファミから入った新人が1人。彼はすごくインテリなんだけど、ちゃんと職に就いたことがないというタイプの人間で。みんな癖はあるけど、才能のあるスタッフたちだと思います。



(その他、移管の裏話をいろいろ聞いたけど割愛)



hamatsu:率直にお聞きしますが、電ファミって利益は出ていたんですか?



平:正直、事業として成立していなかったというのは事実です。ただ、これは単純な話で、今まで“電ファミ単体でのマネタイズ”というのはしてこなかったんですよ。僕のドワンゴでの役割は、ニコニコニュースとかニコニコ大百科なども含めた「ニュースメディア全般を見ること」だったので、実は電ファミの優先順位はそれより低かった。ドワンゴに所属してからの僕の仕事の割合でいうと、電ファミは大体2割くらいです。



hamatsu:2割であれを回していたというのがすごい。



平:そういう事情もあって、伸びしろはあると思っています。事業移管についても、ほぼほぼタダでくれるという話だったので、それなら一度チャレンジしてみようかなと。



ねとらぼ:「ゲームの企画書」が代表的ですが、電ファミって1記事にものすごいコストをかけていますよね。同業者としては「なんでこのサイト運営できてるんだろう……?」というのがずっと不思議でした。



平:そういう意味では、電ファミみたいなサイトがこれからビジネスとして成立するかどうかは、むしろこれから分かることだと思います。あっさり潰れたらダメだったということだし、そうでなかったのなら……そうではなかったんでしょうと。



hamatsu:今後はどうマネタイズしていく予定ですか。



平:今提案しているのは、純粋な広告とはちょっと違っていて、いわゆる“企業協賛”みたいなことをやってみようと。第1弾として、DeNAの協賛でモバイルゲーム産業の歴史をまとめていく特集をやっていこう、というのが決まっています。



hamatsu:うわ、普通に読みたい。



平:特定のタイトルのPRではなくて、開発者獲得のための予算として動いてもらっています。うまくいけばDeNAの株も上がるし、自然にプロモーションにもなるのではと。これがまず1つ。それから今進んでいるのがもう1つあって、インディーゲームの開発者向けに、10万円とか20万円とかで何か一緒に取り組みをできないか、というのも考えています。



hamatsu:もう具体的なタイトルは決まっているんですか。



平:「Overdungeon」っていうインディーゲームがあって、これがけっこう面白いんですよ。ここと組んで、普通にインタビュー記事を載せたり、みんなでプロモーション会議をしたり、何か一緒にやっていけないかと。



hamatsu:電ファミのクオリティーでその金額感だったら、ほとんどボランティアになっちゃいませんか?



平:完全にボランティアですね(笑)。



hamatsu:考えてみれば、電ファミで今までプロモーション記事ってなかったんですね。



平:そもそもこれまで基本的には営業をしていなかったですからね。



ねとらぼ:今のネットのPR記事って、どうしても「とにかく面白いことやってバズらせてください」みたいな案件が多いんですが、DeNAの協賛にしても「Overdungeon」にしても、ちゃんとマジメな記事でお金が発生しているのがいいですね。



平:これが続いてくれたらいいなと思いますね。



hamatsu:さっき、ドワンゴ内での仕事としては「電ファミは2割くらい」とおっしゃっていましたが、今後は10割電ファミに打ち込めるということですよね。



平:ただ、メディア以外の仕事も今後はやっていきたいと思っているので、メディア運営が10割と思われるとちょっと違うかもしれないです。



hamatsu:メディア以外のお仕事というのは例えばどんな?



平:これはまだちょっと言えないんですが……。



(ホントに言えない話だったので割愛)



ねとらぼ:……すごい。



hamatsu:僕が今日聞きたかったことというか、平さんに提案したかったことがもうほとんど実現しかかってました(笑)。



平:多分僕がやりたいことって2つあって、一つは電ファミでゲームの確かな記事をメディアとしてちゃんと残していきたい。もう一つは鳥嶋(和彦)さんたちの影響も大きいんですが、メディアや編集という立ち位置の可能性を模索していきたいんです。ただ記事を書くだけではなくて、そこで培った知見や人間関係を使って何かアプトプットをするというのをやってみたい。



hamatsu:鳥嶋さんとか鈴木敏夫さんとかのインタビューを読むと、2人とも編集者という枠を飛び越えた仕事をしていますよね。でも、これこそ編集者の仕事なんだという気もしていて、そういう人たちを取材してきた電ファミという媒体が進む道としては、すごく自然なことのように感じます。



平:僕の動きを知っている人は、「ああついに」っていう感じかもしれませんね。



●「PV主義ではない」という方針



hamatsu:ちょっと話を変えて、電ファミの3年間を振り返ってみてどうでしたか。自分もかなり初期から寄稿させていただいていて、もう3年もたったんだなーという気持ちと、あっという間だったなーという気持ちと両方あったりします。



平:そうですね、そもそもの成り立ちが各編集部からの寄せ集めで、決して統一された部隊ではなかったんですよね(※)。はみ出しものの集まりというか、能力はあるけど扱いづらいみたいな。



※電ファミは主にドワンゴやKADOKAWA(ファミ通、電撃など)からの出向スタッフで運営されていた



hamatsu:クセの強い人たちというか。



平:そうそう、斉藤大地とかにしたって、才能はあるけど基本的に不良社員ですからね。そういう人たちが入れ替わり立ち替わりで……なんというか「手間のかかる人たちだなあ」というのが率直な感想でした。でも、電ファミであらためて編集長業務みたいなものをゼロからやり直した感じもあって、そこで学んだことはすごくありました。



hamatsu:僕の初代連載担当だった稲葉ほたてさんはどんな方でした?



平:電ファミでは編集者という立ち位置で仕事をしてもらったけど、彼こそクリエイターに近い人ですね。



hamatsu:稲葉さん自身、めちゃくちゃ文章書ける人ですよね。



平:あの世代ではトップクラスなんじゃないかと思います。



hamatsu:僕の原稿とか真っ赤に赤入れされて返ってきて、それこそ「これ俺が書いた文章じゃないんじゃないの」っていうレベルで。でも論旨自体は全く変わっていなくて、ちゃんと読みやすくして返してくれるのでただただすごいなと。



平:「ゲームの企画書」の書籍版でも書きましたけど、彼には本当に感謝しています。あのくらいの才能の人が、僕の企画に付き合って一緒に「ゲームの企画書」の初期をやってくれたのはものすごくラッキーだった。



hamatsu:僕も商業原稿の初担当が稲葉さんで本当に良かったと思っています。赤入れしてもらった原稿は今でも取っておいて見返しています。そういえばずっと聞きたかったんですが、なんで僕に声をかけてくださったんですか? 他のそうそうたるメンバーの中で。



平:4Gamer時代からhamatsuさんのブログは知っていて、いつかお願いしたいなと思っていたんです。ただいろいろドタバタしていて機会を逸していただけで。



ねとらぼ:hamatsuさんのブログ、ゲーム業界で読んでいる人は多いと思いますよ。



hamatsu:ありがとうございます(笑)。会社でもまだほぼ身バレしてないんで、てっきりあんまり読まれてないんだろうなと……。



平:以前、ファミ通や電撃から来てもらっていた人に、「手の内の中だけで仕事をするな」って怒ったことがあったんですよ。昔から付き合いのあるライターだけで仕事をするんじゃなくて、面白い書き手はいくらでもいるんだから、それを開拓するのが編集者の仕事なんじゃないですか、って。



hamatsu:さっき名前が上がった稲葉さん、斎藤さんは途中で電ファミからは離れてしまいましたが、その後の運営にやはり影響はありましたか。



平:そうですね。稲葉さんや斉藤大地がいたことで良かったのは、2人とも“ゲーム以外”への目端がものすごく利いて、それが初期の電ファミの奥深さや幅の広さに貢献したのは間違いない。彼らが居なくなったことで、そこがちょっと弱くなったなあ、というのは実感としてあります。でも一方で石元くんとかクリモトくんとか、“幅の広さ”で言えば稲葉さんとか斉藤大地には及ばないかもしれないけど、ゲームに対する“今”をキャッチアップする力は彼らの方が上ですね。



平:ちっちゃな組織ってある程度人に合わせて運営するしかないところがあって、例えば僕がこういう方針だからといって、その型に彼らを押し込めても誰も得しないわけです。基本的に僕の方針とかポリシーはありつつも、来てくれた編集とか提案してくれたライターの才能を生かして、伸ばしていくというのが一応、電ファミの編集方針ですね。



ねとらぼ:ねとらぼも時期によって人の入れ替わりがあるんですが、やっぱりどんな媒体になるかって、その時のメンバーにすごく左右されますね。



平:大枠としての方向性や、記事のクオリティーなんかについては編集長である僕がある程度担保していると思っていますが、それ以外の部分、そこに載せるモノについては個人に委ねようと。



hamatsu:平さんが考える“大枠の方向”っていうのはどんなところですか。



平:簡単にいうと“PV至上主義ではない”っていうところです。PVを稼ごうと思ったら、効率的なパターンっていうのはまあいくらでもあるわけですけど、電ファミではそれはやらない。



ねとらぼ:現状ネットメディアをやるにあたって、是非はともかくとして「PVで稼ぐ」というのは、1つの安定した手段ではありますよね。今後独立採算でやっていくにあたって、そちらに行くという考えはやはりないですか。



平:ないですね。まがりなりにも電ファミが成立しているのって、その逆張りでやってきた結果だと思っているので。



hamatsu:信頼みたいなものですよね。PV以外のものを獲得してきたっていう。



平:今名乗り出てくれているスポンサーは、PVそのものに対してだけお金を払ってくれているわけではないと思うんですよね。



hamatsu:期待感というか。なんかやってくれそうというか。



平:そうそう。



ねとらぼ:PV主義のデメリットって、やっぱり大きいと思いますか。



平:単純につまんないですよね。それでご飯食べていくんだったら、まだ他の仕事をするわっていう。ただ「脱PV」と言ってしまうとちょっと語弊があると思っていて、メディアである以上、PVは意識はすべきです。逆説的だけど、読まれない記事に存在価値はないので。



 でも一方で、ネットメディアの世界では機械的にPVを稼ぐという方法論が昔からあって、例えば猫動画とかラジオ番組の書き起こしとか、要はネタをよそから持ってきて記事を量産し、あとはSEOで検索に引っ掛かるようにするという。そういうのがいわゆるPV至上主義ですよと。



 で、そういう記事って確かに読まれるんだけど、その多くはどこかの何かを持ってきているだけで一次生産をしていない。それって今の過渡期の中ではギリギリ許されて成立はしているけれども、本質的なところがどんどんやせ細っていくなかで、それが今後どうなるかと考えると、きっといずれは悲しい結末を迎えるんじゃないかなと。



ねとらぼ:メディアの人間の中にも、なんだかんだでPV主義にうんざりしている人は多いんですよね。そういう人たちからも電ファミは注目されていると思います。



平:何か前向きな事例が示せたらいいなと思いますね。



●「世界征服大作戦」の名前に込めたもの



hamatsu:話は少し変わりますが、これまでインタビューしてきた中で、面白かった人や注目している人はいますか。



平:あんまり他の人と比較するのもアレなんですが、これまで何十人、何百人とインタビューしてきて「この人は圧倒的だな」と思ったのは、やっぱりフロム・ソフトウェアの宮崎(英高)さん。もちろん「ダークソウル」とか「SEKIRO」とかで十分成功はしているんだけど、もう1、2ランク上に行ってもおかしくない人だと思います。



hamatsu:自分は最近ようやく葦名弦一郎を倒したくらいなんですけど(※)、宮崎さんは僕もすごいと思います。平さんが“圧倒的”と感じたのってどのあたりですか?



※インタビュー当時。その後ちゃんとクリアしたそうです



平:説明しにくいんですけど、ワールドワイドで売れる“当て勘”を持ってますよね。特にハードSFとか西洋ファンタジーに対する見識や感覚は、日本のクリエイターでは他に並ぶ人がいないレベルだと思います。あとは純粋に、頭が良くてロジカルというのが大きい。例えば「デモンズソウル」だと……。



(ここから宮崎さんや「ダークソウル」「SEKIRO」の話題で30分ほど盛り上がる)



平:でも、宮崎さんって外で自分の話をされるのをあんまり好まない方なので、いましゃべってたところは記事にはしづらいと思います(笑)。



hamatsu:えー、残念!



ねとらぼ:こんなに盛り上がったのに(笑)。



hamatsu:また話が飛びますけど、平さん、今おいくつでしたっけ。



平:僕、41歳です。



hamatsu:僕が今40歳なので、われわれほぼ同年代なんですよね(※同行しているねとらぼ編集も同じく40歳)。40代になってみてどうですか? 



平:何だろう、自分では大して変わっていないと思うし、思ったより大人じゃないなと。でも自分ではそう思ってるけど、周りが見る目はそうではなくなってきているなという自覚もあります。あとなんだかんだで、ドワンゴ内では役職もついて、気付けばなんだかんだで僕が最年長クラスなわけですよ。部署の中では。



hamatsu:分かります、気付くと年長だった、ってことありますよね。でも一方で、この年になると会社ってけっこう利用できるんだなってことも分かってきたりしませんか。例えば鳥嶋さんのインタビューで感銘を受けたんですけど、「会社員なのにこんなに自由にやっていいんだ」っていう。



平:鳥嶋さんはね、何というか、一会社員の若造にあるまじき行動を取っていますね。



hamatsu:ここまで許されるんだ! って。



平:それでいうと30代後半とか40代って、会社だとそこそこいいポジションだったり、能力的にも若さと経験がいいバランスだったりして、もっと“悪巧み”をした方が絶対にいいんですよ。電ファミのオンラインサロンに「世界征服大作戦」っていう名前をつけたのは、そういう「悪巧みをしたい」っていう気持ちもあったんですけど……まあ伝わっていないですね(笑)。



hamatsu:支援者からも「名前が分かりにくい」って突っ込まれていましたね。



平:すいません、移管自体もかなり急だったので、オンラインサロンのあたりはかなり準備不足なまま出してしまったところもあって、そこはいろいろ反省しています。さっきも言った通り、自分が世界征服大作戦でやりたいことは2つあって、1つは「電ファミで記事を作り続けたい」、もう1つは「編集者とかメディアの新しい可能性にチャレンジしたい」っていうことだったんですが、2つ目についてはまだ話せないことが多くて……。



hamatsu:2つ目の方が正式発表されるのを楽しみにしています。



ねとらぼ:平さん、やっていることがだんだん鳥嶋さん化してますよね?



平:……まあ(苦笑)。



hamatsu:なかなか一般的な40代は悪巧みはできないですよ。



平:そういう気概を持っている人は案外埋もれている気はしますけどね。それこそクリエイターでも、40代とか50代手前とかの人たちってすごく悩んでるなーっていう実感もあって。



平:要はサラリーマンとしてヒット作は出してきたけど、その先のキャリアパスって“会社員として偉くなる”以外にないんですよ。でもそれがクリエイターにとって全てかというとそんなことはなくて、そこにマッチしない人たちはけっこう悩んでる。



ねとらぼ:同じようなことって編集者にも当てはまりますよね。立場が上になるほど雑務が増えて、自分で記事を書く機会は減っていって……。というか、日本の会社組織全体の構造問題でもありますね。



hamatsu:平さんなら、僕たちの世代の鳥嶋さんとして、そこに風穴を空けてくれるんじゃないか……って話をしに来たら、既にけっこう進んでいて安心しました。



ねとらぼ:記事だと多分あそこばっさりカットされてますけどね。



平:そこはちゃんと発表できるようになるまで、もうちょっと待ってください。



●平さんにとっての「インタビュー」



hamatsu:最後に一つ、どうしても聞きたかった質問いいですか。



平:何ですか?



hamatsu:「平さんにとってインタビューとは何ですか」。



平:(笑)。



hamatsu:すいません、あえて聞いてみたくて。



平:うーん、インタビューとは……。



平:真正面からの答えではないかもしれないんですけど、僕にとってのインタビューって「体験」なんですよ。



hamatsu:体験。



平:インタビューってある種の体験で、その僕が得た体験をなるべく正確に再現したいと思って、それを書き起こしたものが僕の記事なんです。以前、水口(哲也)さんに話を聞いた時にすごく共感したんですが、自分のイメージとか原体験とかを表現しても、メディアに落とし込まれた瞬間に、いろんなものがスポイルされちゃうと。



 例えば僕が誰かに話を聞きに行って、いろんなことが聞けましたと。そこで得た体験って、むちゃくちゃ情報量があるわけです。例えばそれを100とする。でも、それが記事になると、なんでか分かんないけど5とかになってしまう。



hamatsu:分かります。



平:だけど、それをいろんな工夫で50くらいまで再現できたりすると、けっこう面白いものになる。人間が得る情報って、究極的には全て体験じゃないですか。それをいろんな技法で、文字とか映像とか音楽とかに変換しているわけで。僕にとってのインタビューはあくまで体験、体感であって、それをなるべくそのままの形で、いろんな人に共有したい。僕にジャーナリストとしての自負みたいなものがあるとしたら、多分そこだと思います。



hamatsu:思ったよりちゃんとしたインタビュー論の話に。



平:全然余談ですけど、今やっているサロンで、インタビューの見学なんかもやってみたいなと思っていて。



hamatsu:それは見てみたい!



平:実は鳥嶋さんのインタビューの時も、関係者には見学してもらっていたんです。みんな興味あるっていうので。ただ難しいですね、僕のインタビューってわりと雑談っぽいというか。



ねとらぼ:事前にがっちり下調べをして、理路整然と進めていくタイプだとばかり。



平:もちろん下調べはちゃんとしますけど、話自体はわりととっちらかった雑談になることが多いですね。



ねとらぼ:あれはじゃあ、編集で相当いじってるんですね。



hamatsu:僕も座談会で参加させてもらったことがありますけど、話の順番とか全然変わっていて、「あれがこうなるんだ!」って驚きました。



ねとらぼ:流れをぶった切りますが、そういえばもう3時間くらい話してますね。 



hamatsu:さすがにそろそろ締めましょうか。3年前にもねとらぼでインタビューしていましたが、また3年周期くらいでインタビューしたいですね。



平:その時まで電ファミがあればいいけどね。



ねとらぼ:電ファミがなくなるようならネットは終わりですよ。



平:まあでも、ある金額の中でやりくりする分には続けられそうな感覚はあります。とはいえ4人だとできることも限られるので、もうちょっとやれたらいいなとは思いますね。



ねとらぼ:電ファミがあることで、ネットやゲーム業界がちょっと良くなっている部分は間違いなくあるので、ぜひがんばってください。



平:今はまだ可能性を見せているだけなので、早くちゃんと形として何か出せるといいなと思います。



hamatsu:今日はありがとうございました。



【ライター:hamatsu】



某ゲーム会社勤務のゲーム開発者。ブログ「枯れた知識の水平思考」「色々水平思考」の執筆者。 ゲームというメディアにしかなしえない「面白さ」について日々考えてます。


このニュースに関するつぶやき

  • まあやっぱり鳥嶋さんの影響は大きいよね。「ゲームの企画書」は手が掛かりすぎるんだろうけどまた読みたいな
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