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台風19号で夫婦喧嘩…災害は離婚の危機になりうるのか?

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2019年10月22日 09:11  日刊SPA!

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 台風19号はこれまでに経験したことのないような大きさだったこともあり、非日常的な不安やイラ立ちを感じた方も多いかもしれない。Twitter上には、台風に備えた準備のレべルや、避難するべきかしないべきかなどで夫婦喧嘩をしてしまったという投稿が多く見られた。そこで、台風のせいで喧嘩をしてしまったという夫婦を直撃し、顛末を聞かせてもらった。

 また、今回はさまざまな原因で離婚してしまった男性のルポ「ぼくたちの離婚」をWebメディア『女子SPA!』にて連載中で、11月に書籍化される稲田豊史氏に、災害時の夫婦関係の変化などについて見解をうかがった。

◆台風で夫婦の不満が浮き彫りに…

 台風の影響で仕事が3日ほどできなくなってしまったという竹村綾さん(仮名)の夫は、台風の中、ゴロゴロしながらテレビでオンラインゲームをしていたという。ちょうど雨も本降りになってきたタイミングで、竹村さんは台風の情報をテレビで確認したいと、夫に声をかけた。しかし、夫は、「このプレイが終わったらにして」と言い、その後20分以上続くゲームを中断しなかったことから喧嘩になってしまった。

「もともと私が低気圧の時や雨の日、肌寒い日などはメンタルが優れなくなりやすいのも影響していると思います。加えて、最近夫へお願いしていた様々なことが改善されず、たまっていた夫への怒りが爆発してしまったのもありました」

 そんなこれまでの積み重ねもあり、竹村さんは夫に対してつい怒鳴ってしまったという。

「私はかなりタバコが嫌いで夫にも家で吸うのをやめてほしいんですがコソコソと吸っていて、最近ではコソコソともしなくなっていたのでそのことに対する怒りもありましたね。ちょうどその時机の上にタバコが置いてあったのも目に入って……。いつもはそんなに怒鳴るタイプではないのですが、台風がここまで私の性格を変えてしまったのかもしれません」

 確かに、台風の前後には気圧の影響か、体調不良やメンタルの不調を訴える方が多かったように思う。竹村さんもそのせいで少し不安定になっていたのではないだろうか。

「私がパニックになりながら、『こんなんじゃ一緒にいる意味がない!』と言ったので、夫はそれを離婚したいと言ったように受けとめたようで、『実家に帰れば?』と強い口調で言ってきました。『俺と暮らしていてそんなにイライラするんなら帰れよ!』って」

 一触即発の事態ではあるが、結局台風の影響で勃発した喧嘩ではあったものの、台風のおかげで仲直りに向かうことができたという。

「私は、今すぐ家を出て行こう! というくらいの気持ちでしたが、電車も止まっているし、こんな台風の中で外に飛び出してもビショビショになるだけだし、何かあって救助隊に救助してもらう羽目になったら申し訳ないし、恥さらしだな……などと変に冷静に考えてしまって。ある意味、台風のおかげで別居が阻止できたかもしれません」

 カッとなると人は後先を考えずに行動してしまうこともあるが、台風19号はあまりにも激しい雨と風だったこともあり、そんな感情すら落ち着かせる恐怖があったのかもしれない。

「しばらく私は放心状態になっていたのですが、その後話し合いをして、お互いの気持ちのすれ違いや見えている箇所の違いを確認しました。夫にとっては仕事がうまくいかないストレスのようなものがあったようで、ゲームやタバコはイライラを発散するためにせざるを得なかったんですよね。ですが、私からしたら“ダラダラしている夫”としてしか見ていなかったので、それがストレスになっていた……というすれ違いが起きていたのです」

 そして、夫の仕事へのストレスなども理解できるようになった。夫自身も竹村さんに対してストレスを与えてしまっていることを申し訳なく思っていたと発覚。

「夜中に近づくにつれ台風がひどくなり、避難勧告やスマホの警報も鳴りはじめて、夫婦の間でも台風の話題で持ちきりになりました。食糧をまったく買い込んでいなかったので、雨がひどい中ですが、夫が近くのコンビニにいってカップ麺を買ってきてくれました。カップ麺にキャベツをトッピングしたら美味しいねって言ってくれて、平穏が戻ってきた感じです。翌日は晴天だったので、朝から一緒に散歩に行って、コンビニに何もないね〜なんて話して、夫婦仲はすっかり戻りました!」

 台風のせいで互いに感じていた不満や現状がより浮き彫りとなってしまったが、結果しっかりと話し合いをすることができたという竹村さん。今後も夫婦間で考えていることをしっかりと言葉にして伝えることが大事なのではないかと感じた。

◆肉まん戦争はカルボうどんで解決

 台風のタイミングで、なんと風邪をひいてしまったという田中翔太さん(仮名)の夫婦は、台風が来る前に病院に行ったことがきっかけで喧嘩になってしまったようだ。

「病院に行く前に妻が『帰りにコンビニで肉まんを買う!』と言っていたのですが、診察が終わり、薬をもらったあと私も妻も肉まんのことを忘れていて。ドラッグストアでポカリスエットを買って帰路についてしまいました。私はその後、すぐに仕事に出かけなければいけなかったので、肉まんを買いにコンビニまで戻っている時間がなく『コンビニには行けない』と言ってしまったことを発端に喧嘩となりました」

 病院までは妻が車を運転していたが、帰りの車内で喧嘩になってしまい大変だったという。

「大激怒した妻は運転が荒くなって、その荒い運転に私は大激怒……という最悪な雰囲気になりました。家に帰って私は無言でそそくさと仕事に行ったのですが、仕事中も喧嘩の事で頭がいっぱいでした。冷静になって、どうしたら仲直りできるかを考えていたのですが……思いつきませんでした」

 すぐに反省し、仲直りの方法を考えるところはとても優しいように思うが……結局、どのように仲直りしたのだろうか。

「台風の影響もあり、仕事は午前中に終わりました。帰宅すると、妻と子どもはまだお昼寝中でしたので、まず私は朝の洗い物を片付け、次にコンビニで肉まんを買いに行こう!と思い、無事にラスト1個だった肉まんとカレーまんを買って帰宅しました」

 すぐに行動をする田中さん。奥さんもきっと嬉しかったに違いない。しかし、「それだけだとパンチが弱い」と感じた田中さんは、さらに行動する。

「妻がお昼寝から起きたらすぐに食べられるように昼食を作ろうと思い、冷蔵庫にうどんがあったので、スマホでレシピを見ながら必死でカルボうどんを作りました。カルボうどんは、初めて作ったのですが……」

 それにしても、なぜあえて難易度の高そうなカルボうどんに初挑戦したのか?

「女性ってパスタ好きなイメージだったので、手軽かつ冷蔵庫にあったうどんを使って洒落た食べ物も考えたら、カルボうどんが頭をよぎったからですね。喧嘩している時のモヤモヤしている気持ちが嫌なので、なんとか早期解決したくて……。

 そうこうしているうちに妻が起きて、『ごめん! 肉まん買ってきた! ご飯も作った! ……あっ、カルボうどん!?』と言って、そのまま自然と仲直りしました。私が仕事に行っている間に肉まんはすでに買いにいっていたようですね」

 そして渾身の初挑戦、カルボうどんは、「思ったよりちゃんと味がしている」と妻からは高評価だったのだそう。

◆台風直撃の間ずっと息子夫婦の喧嘩の仲裁

 30代の息子を持つ下山絵里さん(仮名)は、「台風のせいで窓がバンバン音を立てて揺れ、避難勧告がピーピー言う中、3時間も息子夫婦の喧嘩の仲裁をしていました」と話す。

「息子には3人の子どもがおり、一番下は生後1か月をやっと過ぎたところなのですが、台風が過ぎたら上の子ふたりを連れて遊びに行くと息子が言い出し喧嘩となったようです。嫁は息子に対し、まだ危ないし自分一人だと不安だから家にいてほしい、息子は危機管理と責任感がないと怒っていて、そんな喧嘩の様子をなぜか私が電話をスピーカーにした状態で聞かなければならない状態に……。なぜ、私に仲裁を求めるのか! という疑問はありましたが。電話がかかってきた時も『私が仲裁に入っていいの?』と一応確認しましたが……謎です」

 嫁側の立場で考えると、姑に対し夫婦喧嘩を聞かせるというのはよほど普段からのコミュニケーションが取れており信頼関係が構築できていないとできないように感じるが……。結局、仲裁することはできたのだろうか。

「嫁は慎重で息子は楽天的。そこが相容れない部分だと思います。息子はちょっとでも上の子を連れ出して嫁を休ませてやりたいということだったようです。嫁は家にいて家事も手伝って子どもの面倒を見て欲しいという意見だと思います

 私はどちらの言うことが良いとか悪いではなく、お互いに言葉が足りないと諭しました。結局、お互いに少しずつ譲歩した頃には、台風は静かになっていました(笑)。子どもも生まれたばかりですし、後日息子には『もう少し嫁の体調をおもんばかった言動と行動を』と、冷静になったところで助言をしておきました」

 なんという中立的な姑だろうか。冷静に話を聞き、助言をくれるからこそ息子夫婦もつい、仲裁をお願いしてしまったのかもしれない。

◆災害は離婚の危機になりうるのか?

 ここまで台風19号にまつわる3つのエピソードを紹介した。実際、多くの夫婦が考え方の違いから大なり小なりの喧嘩をしたことだろう。そこで、数多くの離婚してしまった男性を取材し、結婚と離婚の本質に迫った『ぼくたちの離婚』(角川新書)の著者である稲田豊史氏に、果たして災害は離婚の危機になりうるのか見解を聞いた。

「東日本大震災の際、危機管理意識が急速に高まった妻が、意識の低い夫に幻滅して離婚に至った――というケースを聞いたことがあります。夫のほうは『妻が放射脳化してしまった。以前の妻とは思えなくて怖い』と言っていました。

 一般的に、女性は男性より環境変化に対する適応能力が高い。つまり、環境にフィットするよう自分自身を信条ごと変えられます。たとえば、個人主義的で進歩的だった妻が、子どもができて生活環境ががらっと変わった途端、堅実で保守的になり、夫の仕事にも安定を求めてくる。結果、夫は『妻が変わってしまった。結婚した時はこんな人じゃなかった……』と戸惑う。“放射脳化した妻への恐怖”もその延長上にあります」

 稲田氏は「男性は女性に比べて“自分を変えようとしない”傾向が強い」と話す。それゆえに、環境の変化が大きい災害時には夫婦喧嘩が起きてしまうことも……。

「夫は子どもができても独身時代と同じ頻度で趣味や友人との交友を続けようとします。なるべくならライフスタイルを変えたくない。そののんきな態度が、妻にしてみれば我慢できません。

 劇的な環境変化の最たる例である台風などの災害も同じ。妻は自分を平時モードから緊急時モードに素早く変化させ、最悪のケースを考えてあれこれ心配し、行動する。一方、夫は平時モードから変わろうとしない。なかには、“ジタバタするのはみっともない”と考える男性すらいる。当然、夫婦間に波風が立ちます。

 夫婦が「妊娠・出産・育児」や災害といった劇的な環境変化にさらされると、夫は『妻が以前と違う人間になってしまった』と嘆き、妻は『夫がいつまでたっても変わってくれない』と苛立つ。そうして、最悪の場合は離婚に至るわけです」

◆離婚を回避する手段もある

 稲田氏からは離婚という言葉も出た……。とはいえ、離婚を回避する手段もあるという。

「これも一般論ですが、夫は『自分が妻の役に立っている、妻に感謝されている』という、手触りのある実感に自尊心を満足させがち。ですから環境が劇的に変化したら、妻は夫に『こうしてくれたらとても助かる。ああしてくれたらとてもありがたい』と、取ってほしい行動を3歳児にでもわかるような言葉で、具体的に指示するのです。『意識が低い!』と抽象的に糾弾されたところで、夫は行動の取りようがない。むしろ自分が人間性ごとバカにされたと感じ、妻に対して不快感をあらわにしてしまいます。

 今回のケースで、夫が『雨の中、コンビニにカップ麺を買いに行った』『妻が食べたがっていた肉まんを買った』『妻のためにカルボうどんを作った』のは、仲直り手段として正しかったと思います。その理由は、妻のご機嫌を取れたから……だけでなく、夫自身が自分の自尊心(僕は、たしかに妻の役に立っている!)を満足させられたから。男の人生の究極目的は、いくつになっても“褒められること”ですからね(笑)」<取材・文/松本果歩(夫婦喧嘩エピソード)、藤井厚年(稲田豊史)>

【松本果歩】
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA

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  • 台風19号で夫婦喧嘩、災害は離婚の危機…災害が原因ではない。そんなの関係なく、やがては間違いなく離婚です。こんなの天気予報より予測しやすい。
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