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『スカーレット』現実と重なる設定がおもしろい 戸田恵梨香が初めて直面する人生の選択

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2019年10月22日 12:21  リアルサウンド

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写真『スカーレット』写真提供=NHK
『スカーレット』写真提供=NHK

 『スカーレット』(NHK総合)第20話では、喜美子(戸田恵梨香)がちや子(水野美紀)の勤める新聞社で試しに働くことになる。


参考:『スカーレット』第21話では、喜美子(戸田恵梨香)がある決意をちや子(水野美紀)に告げる


 男ばかりのデイリー大阪で、ちや子は女性記者として道を切り開いてきた。誰よりもまっさきに現場に駆けつけて特ダネをものにするちや子の姿勢を、上司の平田(辻本茂雄)は、喜美子に「好きな仕事だから最後までやり遂げる」のだと話す。秋冬インターンシップが本格化するこの時期、今でこそ職場体験はめずらしいものではないが、喜美子の経験もインターンのようなものかもしれない。昭和を描く朝ドラがいまの時代と響き合っている。


 平田に預けていた焼き物のかけらは室町時代のものと判明。時代を超えた女性の生き方というテーマを扱う『スカーレット』だが、数百年単位でストーリーが展開することに驚く。と言っても、江戸時代以前には日本の中心だった近畿地方は、今でも建設工事があると埋蔵物が出土したりするので十分にありえる設定。喜美子の生きる時間軸が過去にも未来にも広がっていることを実感する場面だ。


 目下大阪編最大の見どころとなっている荒木荘の個性的な住人たち。市役所を辞めて歌声喫茶で歌ったりしている雄太郎(木本武宏)は、俳優として映画出演が決定。ご存じのとおり木本はお笑いコンビTKOのひとりで、相方の木下隆行もそうだが、最近は俳優としても映画やドラマに出演するなど、現実と重なる設定がおもしろい。ちなみに、雄太郎がインスパイアされた黒澤明監督の映画『生きる』は昭和27年10月に公開。ドラマの中では最新の話題作ということで、その当時の流行や文化をリアルに反映している。「お金よりも夢」と言う雄太郎のように、実際に『生きる』を見て一念発起した人もいたのではと想像する。


 大阪で中身の濃い日々を送る喜美子。朝ドラの注目ポイントのひとつは、人生の岐路に立った主人公がそのときどきでする選択だ。大久保(三林京子)のもとで女中として一人前になるか、それとも給料5倍の新聞社で雑用係を引き受けるか。好きなことや夢を追求する周りの人々の姿に、悩ましい表情を見せていた喜美子。信楽にいたときは良くも悪くも大人たちの決定に従ってきた喜美子にとって、初めての選択が人生の転機になるか注目だ。


■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。


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