5月から負けなし!ナショナルズの前に立ちはだかる剛腕ゲリット・コール

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2019年10月22日 16:13  ベースボールキング

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アストロズのゲリット・コール
◆ ワールドシリーズがいよいよ開幕!

 2019年シーズンのワールドシリーズが、現地時間22日(日本時間23日)に開幕する。

 今年のア・リーグの覇者はアストロズ。圧倒的な強さで地区優勝を果たすと、ポストシーズンでは苦しむ場面もあったが、順当に勝ち上がった。

 一方、ナ・リーグを制したナショナルズは、ワイルドカードからの勝ち上がり。地区シリーズは大本命のドジャースに競り勝ち、リーグ優勝決定シリーズではカージナルスを相手に4連勝と圧倒。勢いに乗ったままワールドシリーズを迎える。


 前評判はというと、圧倒的にアストロズを推す声が多い。MLB公式サイトでは、専門家46人が優勝チームの予想を公開しているが、なんと8割を超える37人がアストロズの世界一を予想している。アストロズには2年前のワールドシリーズを経験している選手も多く、両チームの経験値の差も考慮すると、当然の結果だろう。

 ナショナルズが世界一の栄冠を勝ちとるためには、第1戦が非常に重要になってくるだろう。リーグ優勝決定シリーズを4連勝したとはいえ、ワールドシリーズ第1戦は異例の6日間の休養を経て迎える。試合勘を取り戻すのに時間がかかる可能性もある。


◆ コールに付け入るスキはあるか

 しかし、そこには難敵が立ちはだかる。アストロズが初戦のマウンド送り込むのが、ゲリット・コールだ。

 このポストシーズンは3戦3勝、それも22回2/3を投げて1失点という凄まじい投球を見せている右腕だが、この男、とにかく負けない。最後に負けたのは5月22日のこと。この日に今季5敗目を喫して以降、16連勝でレギュラーシーズンを終えている。

 ポストシーズンの3勝を加え、ワールドシリーズ初戦で20連勝を目指すコール。ナショナルズとしては、この男を打ち崩せるかどうかがシリーズの行方を占うと言っても過言ではない。

 経験値で劣るナショナルズがシリーズを優位に持っていくためには、コールを攻略する必要がある。攻略と言っても、6回までに2〜3点取れば合格点というレベル。快投を続ける右腕にも付け入るスキはあるのか、弱点を探ってみよう。


 まず、今季のコールは立ち上がりにやや難がある。イニング別の失点数を見ると、初回が16失点と最も多い。コールにとっては初の大舞台で浮足立つことも考えられるだろう。ナショナルズとしては、その初回に先制攻撃を仕掛けたいところだ。

 タフなイメージがあるコールだが、登板間隔を見ても中4日での登板時に好成績を残している。今季は中4日で登板した試合では防御率2.06だが、中5日だと防御率は3.46に跳ね上がる。前回登板のヤンキース戦から中5日で迎えるだけに、ここはナショナルズにとってチャンスと言えよう。

 また、コールは2013年のメジャーデビューから5シーズンをピッツバーグで過ごした。2018年にアストロズへ移ってからはナショナルズとの対戦はないが、パイレーツ時代には通算5試合に登板し、3勝2敗で防御率2.92という成績を残している。しかし、2016年以降に限ると、3試合で2勝1敗、防御率4.59と数字はイマイチだ。まだコールが本格化する前の対戦で、ナショナルズのメンバーも当時とは変わっているが、コールの中に若干の苦手意識はあるかもしれない。

 最後に、ナショナルズがコールを攻略するために必要となってくるのが、機動力を駆使できるかどうかだ。コールがデビューした2013年以降、相手チームに許した盗塁数は115個。これは同期間のメジャー投手全体で6番目に多い。アストロズ移籍後は許した盗塁の数は減少傾向にあるが、今季メジャー3位タイの116盗塁を記録したナショナルズとしては、出塁すれば積極的に機動力を用いるべきだろう。

 地力で勝るアストロズがその力を見せつけるのか、それとも上昇ムードのナショナルズが下馬評をひっくり返すのか…。まずは初戦の「コールvsナショナルズ打線」に注目だ。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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