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商品開発を超えた事業づくりへ 元Blabo代表・坂田氏、ビジネスモデル変革を支援するTune設立

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2019年10月24日 09:02  MarkeZine

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写真Blaboのオフィスで。
Blaboのオフィスで。
 日本最大の共創コミュニティ「Blabo!」を運営するBlaboを創業し、様々な企業の商品開発を支援し、ヒット商品を多数世の中に生み出してきた坂田直樹氏。2018年8月にはカルチュア・コンビニエンス・クラブのグループ会社となり、新たなフェーズに突入していた。そしてこのタイミングで、坂田氏はBlaboの代表取締役から退き、日米の2拠点から新たな挑戦をする旨を発表。この度の決断の背景と、坂田氏が見据える未来について迫った。


■新たな成長フェーズに


――共創による商品開発やマーケティング支援を担ってきたBlabo(ブラボ)は、2018年8月にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)のグループ会社となってから早1年以上が経ちます(参考記事)。この1年余りで、どんな変化があったのでしょうか。


坂田:グループ会社になり、CCCが保有する6,700万人の生活者ライフスタイル・データベースが活用できるようになったことで、企画の作り方や精度がさらに上がりましたね。


 生活者インサイトを発見する時、かつては定量データがない状態でユーザーの声から作っていたので、本当にそれが正しいか否かを後から定量調査を掛けて確認していました。それがCCCの6,700万人の生活者ライフスタイル・データベースを活用することで、膨大なファクトをもって、仮説とデータにズレがないかを事前に調整できるようになったのです。アイデアやインサイトを集める時にも、生活者に何を問えばいいのか、問いの設計もデータを基にさらに明確になりました。


 Blaboのコミュニティは約3万人ですが、CCCの会員と連携することにより、実際に買っている人たちになぜ買っているのかを直接聞ける環境が整い、アクセスできるユーザーが圧倒的に広がりました。


 自社だけでやっていたときは、アイデアが好きなユーザーが集まるコミュニティでした。CCCの会員を取り込むことで、Blaboの世界観や文化を維持しつつ、世の中の普通に購買している人たちまで、コミュニティを拡張できるようになりました。


 もちろん個人情報はわかりませんが、CCCのデータが加わったことで、大きな人の流れが見えるようになり、立体的に商品開発ができ、インサイトを発見できるようになりました。「CCCのデータ」×「僕たちのやっていたインサイト発見」のコンビネーションで、実現したメリットです。


――実際の案件については?


坂田:もともとCCC側が流通との関係が強いので、現在ではメーカー×流通×CCC×Blaboで組み、展開していく案件が増えています。


 Blaboだけでは見えなかったデータが可視化され、メーカーも今まで見ていたPOSデータとは全然違うデータを見ることができます。流通・CCC側としてもデータは見えているけれども、Blaboが強みとする生活者インサイトをそこから見つけることは難しかった。4社が組んだことで、確実に新しい世界が見え、立体的にマーケティング戦略を立てやすくなっています。


■商品開発の領域を超え、経営レイヤーの事業変革を支援


――インサイト×データで、より精緻な商品企画を実現できるようになり、いよいよ事業のスケールが拡大していくフェーズだと思いますが、なぜこのタイミングでBlaboを退任することに決めたのでしょうか。


坂田:もともとCCCのグループ会社になるのを決めた時点で、事業的にも黒字になっていてスケールを拡大していくタイミングでした。


 継続的にBlaboのサービスが世の中に残るために何ができるのかを考えたときに、お互いの強みを活かせるCCCのグループ会社になることでより安定した体制と基盤が作れると判断しました。ちょうど1年以上経ち、ベースの部分は完成し、順調にスケールしていくフェーズになったこともあり、僕自身は新しいチャレンジに進むことに決めました。


 僕自身、ゼロイチで新しい事業を生んでいくことが得意で、事業家としてやっていきたい。事業を安定的に成長させることが得意な方に、バトンタッチの時期だと判断しました。今後も顧問として、Blaboをはじめ、クライアントに対してもサポートしていきます。


――安定して拡大していくフェーズに入ったからこそ、ご自身は新たな挑戦をされるとのこと。どんなことに挑まれるのでしょうか?


坂田:創業当初は生活者インサイト発見による商品開発が中心でしたが、次第に、マーケターかつ起業家の坂田直樹として、ビジネスモデル変革、コーポレートミッションの再定義といった、経営陣からの依頼が増えてきました。生活者インサイトも変化し、そしてサブスクリプション、D2C(Direct To Customer)、オンラインコミュニティのようなテクノロジーを活用しビジネスモデルをどう変えていくのか、グローバルトレンドを追いながらどうすべきか……。


 僕自身のキャリアとしては、ユニリーバというグローバルカンパニーのマーケターから始まり、大手企業のマーケティング部門に対してのコンサルティング、同時にテック系スタートアップ企業としてのBlabo!事業をゼロイチで作ってきました。「マーケティング」「グローバル」「テクノロジー」、この3つの軸が現在の自分の強みとなっています。


――たしかに今の時代、テクノロジーとマーケティング、そしてグローバルの観点をもっていなければ、事業のトランスフォーメーションを推進していくのは困難です。そこにゼロイチで事業を作ってきたスタートアップの経験があることは、強いですね。


坂田:また、来年から米国シリコンバレーにも拠点を構え、現地の大学で客員研究員として活動を始めます。日本と米国、二つ拠点を持つことで、最新の米国のスタートアップコミュニティからグローバルのトレンドを得つつ、日本では株式会社Tuneとして、その情報や知識をもとにスタートアップや大手企業の新規事業創造を支援していきます。


 Blaboは創業から8年で、今の安定拡大していくカタチになりました。なのでここで一区切りして、かねてから問題意識を持っていた大手メーカーのビジネスモデル変革のサポートをしたいと思っています。


■企業のビジョンと市場のズレをチューニングする


――新会社Tune(チューン)の社名の由来は?


坂田:“チューニング”のチューンです。僕が得意なのは、市場と企業のズレのチューニングをすること。Blaboを創業してから8年間、ずっとやってきたことです。生活者インサイトだけでなく、僕自身が持っているネットワーク、グローバル、テクノロジー、そしてマーケティングを総動員して市場と企業、または顧客とブランドのズレをチューニングしていければと思っています。


――Tuneの具体的な事業内容は?


坂田:Tuneは、スタートアップや大手企業のビジネスモデルをプロデュースするスタジオです。大手メーカーに対しては、「モノづくり」を超えた「事業づくり」を実現するために、テクノロジーを活用した事業開発を通じてサポートをしていきます。共同で、オンライン限定のブランドを開発したりいろいろと楽しい仕掛けをしていきたいですね。


 今までは商品開発をして店頭に並べることがメーカーの業務でしたが、商品を作っただけでは売れない時代になっているわけで。D2Cやサブスクリプションといった、テクノロジーを活用したビジネスモデルへ転換する重要性も高まり、大手メーカーはモノづくりのビジネスモデル自体を再考するタイミングに差し掛かっています。


 そこで、マーケティング・テクノロジー・グローバルの視点から、新規事業創造を支援することで、大手メーカーが抱える課題を解決できるのではないかと思ったんです。コンサルタントしてサポートするだけではなく、必要に応じて出資して共同で事業を立ち上げるなど、ダイナミックな関わり方をしていきます。スタートアップに向けては、事業開発のハンズオン支援を含む投資にも取り組みます。



Blaboのオフィスで。


――大企業のマーケターからスタートアップで事業作りに向き合っている方まで、MarkeZineの読者に向けて、新会社Tuneとしてどんなことを一緒にやっていきたいか、メッセージをいただけますか。


坂田:これまではいいサービスや商品を作れば、事業は自ずと成長していましたが、今後は既存ビジネスの単なる延長では、事業を存続させることすら難しい時代になっていきます。大企業も、スタートアップと同様に全方位で事業存続の方向性を模索し続け、かつ自分たちは顧客にどんな価値を届ける企業なのかを、再定義する必要性があります。


 「メーカー=モノ作り」という常識的な定義をリフレーミングして、顧客にどんな価値を届けるために何ができるのかという観点から事業を見ることで、経営層も現場も一気に視座が変わります。


 逆に言えば、視座と認知、認識が変わらない限り、人は同じことをやり続けてしまう。ドラスティックに変化を求められる時代だからこそ、商品作りという一部だけでなく、企業全体のトランスフォーメーションに一緒に向き合っていきたい。そんな思いもあって、仲間たちと一緒に日米の二拠点から、Tuneとして新たな挑戦に向き合っていきます。

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