ホーム > mixiニュース > IT・インターネット > モバイル > 元FREETELの増田氏とタッグ Blacksharkが日本のSIMフリー市場に参入する狙い

元FREETELの増田氏とタッグ Blacksharkが日本のSIMフリー市場に参入する狙い

0

2019年10月25日 06:12  ITmedia Mobile

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia Mobile

写真Snapdragon 855、6GBメモリ、128GBストレージを搭載しながら、4万9800円(税別)という価格を実現した「Black Shark2」
Snapdragon 855、6GBメモリ、128GBストレージを搭載しながら、4万9800円(税別)という価格を実現した「Black Shark2」

 デザインやパフォーマンスをゲームに特化させたゲーミングスマートフォンが、徐々に広がりを見せている。Xiaomi(シャオミ)が出資するBlacksharkも、その1社だ。同社は2世代目になる「Black Shark2」を引っ提げ、日本に上陸。このモデルを取り扱っているのが、FREETEL破綻後に増田薫氏が立ち上げたTAKUMI JAPANであることも、話題を集めた。



【その他の画像】



 Black Shark2は、プロセッサにSnapdragon 855を採用した6.39型の端末。液体冷却機構を備えたり、タッチのスキャンレートを240Hzに向上させたりと、ゲームを利用するのに最適な機能を搭載した。拡張性の高さも特徴で、専用ケースやコントローラーとHDMIケーブルが販売されている。一般的なハイエンドモデル以上のスペックながら、メモリ(RAM)6GB、ストレージ(ROM)128GB版は、4万9800円(税別)と、5万円を下回る価格を打ち出したのも印象的だ。



 一方で、日本のSIMフリースマートフォン市場はまだ規模が限定的で、特にハイエンドモデルの占める割合は非常に低い。ゲーミングスマートフォンだと、さらにその比率は小さくなる。そんな日本市場に、Blacksharkはなぜ参入したのか。来日中だった共同創業者の1人でシニアバイスプレジデントを務めるハリソン・ルオ氏とグローバルセールス&マーケティングのデビッド・リー氏、日本での販売を手掛けるTAKUMI JAPANの大仲泰弘氏にお話を伺った。



●特定に国向けにカスタマイズしたのは日本だけ



―― 最初に、日本市場に参入した理由を教えてください。Blacksharkの拠点の中国に比べれば全体の市場規模も小さいと思いますが、なぜあえて日本に進出したのでしょうか。



ルオ氏 日本のマーケットは、ゲーミングスマートフォンの発展する余地がまだあるからです。日本にはアニメもあり、それを世界に発信して、さまざまな国に影響を与えています。そうしたコンテンツを支えるデバイスで、何かお役に立てないかということで、進出することを決めました。日本には、ソニーや任天堂などがあり、いいゲームもたくさんありますが、ゲーミングスマートフォンの市場はまだこれからです。ここは海外に比べると一歩遅れているところで、まだまだチャンスはあると思っています。



大仲氏 確かにマーケットパワーでは(中国などに)かないません。人口だけで言えば、中国の15分の1ぐらいですからね。ただ、日本にはエコシステムがあります。日本のコンテンツを持っている方々とリレーションを取れば、ハードウェアとソフトウェアが一体となり、マーケットを築いていくことができると思っています。



―― Black Shark2は日本向けの周波数対応など、カスタマイズもしています。



ルオ氏 積極的に取り組んでいます。日本市場のプライオリティー(優先度)はトップに置いているからです。中国はもちろん、米国、韓国、東南アジアをメインにしていますが、その中でも、です。日本は国民性もあり、今までなかったブランドや新しいものを受け入れるのに時間がかかることも分かっています。ですから、(Black Sharkシリーズは)赤ちゃんのように、じっくり育てていきたいですね。有名なゲーム会社と一緒にやっていけることも目指しています。



―― 日本市場の特徴は、よく分析されていますね(笑)。確かに、浸透させるのには、時間がかかるかもしれません。



ルオ氏 これも、日本を重視して本気で取り組んでいる姿勢だとご理解いただければと思います。



大仲氏 補足すると、特定の国向けに仕様をカスタマイズしているのは、日本だけです。他の国では、グローバル版から一切カスタマイズはしていません。



●FREETEL時代の手腕を認めていただけた



―― 大仲さんがいる隣でお答えしづらいかもしれませんが(笑)、販売パートナーとしてTAKUMI JAPANを選んだ理由を教えてください。



リー氏 日本に進出するにあたり、どこと組むべきかはいろいろと検討しました。開発メンバーにはもともとHuaweiから来た人間も多いため、マーケットに関しては熟知していましたが、なぜTAKUMI JAPANにしたかというと、増田さんがFREETEL(プラスワン・マーケティング)の創業者だったからです。増田さんは、短期間でFREETELのブランドを拡大した実力がある。(経営破綻などの)谷もありましたが、そういった経緯があったからこそ、任せることにしました。



大仲氏 FREETELのときの手腕を認めていただけた、ということだと思います。短期間でSIMフリースマートフォンを成長させ、一時はHuaweiよりも台数を売っていました。中国本土の人からすると、Huaweiより売るというのは、あまり聞いたことがない事例だと思います。増田が話をした結果、日本のマーケットはTAKUMI JAPANに任せるという判断をしていただけました。



●競合ゲーミングスマホとの違いは?



―― ASUSのROG Phoneは競合になると思います。グローバルでは競合も増えてきましたが、今の状況はどう見てらっしゃいますか。



ルオ氏 ゲーミングスマートフォンは、Blacksharkが世界で最初に専用のものを作りました。確かにASUSのROG Phoneなどの参入もありましたが、このマーケットにはいろいろなところが入ってきた方がいいと思っています。お客さまには選択肢があった方がいいからで、競合他社の参入に関しては、歓迎の姿勢でいます。とはいえ、弊社は600人の社員のうち400人が開発陣で、(技術では)他社に負けない自信もあります。



―― ゲーミングスマートフォンではないハイエンドモデルも、ゲームの性能を売りにすることが増えてきました。こういった端末の差別化は、どうお考えでしょうか。



ルオ氏 2点あります。ゲームに特化したスマートフォンは、パフォーマンスを重視しています。パワーがないと、ゲーミングスマートフォンとはいえないからで、これはタッチパネルの操作性にも及びます。また、ゲームをするとき、映像の鮮明さがないと、ガッカリすることになると思います。本来の映像の美しさを、どう引き出すかが重要になります。確かに他社もゲームに適した端末という宣伝をするようになりましたが、(ゲーミングスマートフォンは)普通のスマートフォンとは異なることまで考えなければいけません。



 もう1つ、普通のスマートフォンとはデザインで差別化できています。人それぞれ、考え方も違えば、好きなものも違います。そのため、差別化できるID(インダストリアルデザイン)は、継続してやっていきます。



大仲氏 Black Shark2は、光るところがぶっ飛んでいますよね(笑)。賛否両論あるのは分かっていますが、これを気に入って買ってくださる方もいます。ただ、シャークモードもあってゲームに特化してはいますが、僕らのプレスリリースでもあまり「ゲーミング」とは言っていません。



 ゲームをする人より、それ以外も含めて使う方が数としては当然多いからです。ゲーム以外がまったくダメかというとそんなことはなく、カメラの性能もよく、SNSでは「Black Shark2はカメラもいい」というご評価をいただいています。通信も入りやすいですし、普通のスマートフォンと同じように使える。その中でも、さらにゲームに特化したという考え方をしています。



●サードパーティーとのアクセサリー開発も視野に



―― 素朴な疑問ですが、Black Sharkに限らず、ゲーミングスマートフォンにはド派手なデザインが多いですよね。PC由来かと思いますが、あれはなぜなのでしょうか。



ルオ氏 12年前にiPhoneが発売されたとき、皆さんすごいデザインだと思っていたはずです(定着すると、それが普通になるという意味合いで)。ゲームは仮想的な世界で、デザインも派手なものが多いですよね。その要素をハードウェアに反映し、現実に反映するためのデザインだと思います。中には、ゲームをするときだけこの端末を使い、仕事をするときはiPhoneを使うという方もいます。



―― アクセサリーも特徴の1つかと思いますが、これは自社製ですよね。サードパーティーに作ってもらうようなお考えはありますか。



ルオ氏 自社製ですが、今後はアクセサリーメーカーと組んでいく考えがあり、既に動いています。独自に開発はしつつ、サードパーティーとも一緒にやっていく予定で、今、既に作っているのがBluetoothのイヤフォンです。Bluetoothのイヤフォンは、接続したときに音が遅延してしまうものがありますが、独自の技術を持った、ゲームに特化した会社と組んでいます。今後も、こういった取り組みは増やしていく路線です。



●5Gに対応した商品も開発する



―― 日本で発売してみて、反響はいかがでしたか。どう受け止めているのかを教えてください。



ルオ氏 まだ半年しかたっていないので規模は小さいですが、日本のお客さまの熱意はすごいですね。その熱さを感じました。増田さんはよくTwitterでファンとやりとりしていますが、それはBlacksharkとしても重視していることです。直接やりとりすれば、お客さまが実際の声を届けてくれるからです。



―― まだ気が早いかもしれませんが、今後はどういった製品を作っていくおつもりでしょうか。



ルオ氏 日本にも、来年(2020年)は5Gの時代が到来しますが、Blacksharkも、5Gに対応した商品を開発していきます。また、性能とタッチパネルの反応速度をもっと引き出すことには、今後も力を入れていく予定です。



大仲氏 創業者自身もゲーマーで、自分の遊びたいゲームが自分のスマートフォンできちんと動かなかったというのが、Blacksharkを創業した理由と聞いています。バッテリー問題や熱問題を解消した、満足できるスマートフォンを作れば、ユーザーにも受け入られると信じています。



●取材を終えて:市場とともにBlacksharkの成長にも期待



 各社がゲームに注力する中、日本にはいわゆるゲーミングスマートフォンがまだまだ少ない。eスポーツ市場の拡大に伴い、Blacksharkの伸びる余地も徐々に大きくなっていくかもしれない。日本市場では、本格的なゲーミングスマートフォンはまだ少ないだけに、参入のタイミングもよさそうだ。海外では大規模なeスポーツの大会に端末が採用されているのも、追い風といえる。ルオ氏は、粘り強く日本市場に取り組む意向を示していたが、その約束が果たされることを期待したい。


    あなたにおすすめ

    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定