Appleのティム・クック氏が今後の新たな動きを示唆 次の発表は“Apple Store”についての展開か?

0

2019年11月05日 07:11  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

写真

 AppleのCEOティム・クック氏は10月21日、米国ニューヨークで持続可能なエネルギーを促進する非営利団体セレスからサステナビリティ賞を授与された。


 ティム・クック氏は、米国のトランプ大統領がパリ協定離脱を表明した際、声高に反対し、思いとどまらせた実績がある。


(参考:徹底比較:Pixel 4 vs iPhone 11 Pro 顔認証とナイトモードは互角も、致命的な欠陥が……


・萎縮した思考や逃げることでは、課題解決できない
 『MacRumors』は「ティム・クックがサステナビリティを推進」と報じた(参考:https://www.macrumors.com/2019/10/22/tim-cook-talks-sustainability-ceres-gala-nyc/)。


 その授与式で登壇したクック氏は「気候変動はリスクではなく機会であると考えている。弊社サプライチェーンのパートナーと共に、新しい価値ある能力を開発するチャンス。それが正しい行いだ」とコメント。萎縮した思考や、逃げることで課題を解決することは出来ないと強調した。


・Apple Store製品の持続可能性を強化? 今後何らかの発表も?
 ティム・クック氏は、授与式に先立ち『GQ』とのインタビューで、Appleのサステナビリティへの取り組みについて語った(参考:https://www.gq.com/story/apple-tim-cook-wants-your-iphone-sustainability#)。


 同氏は、サステナビリティについて、Apple Storeの製品を新たに区別する可能性に言及。サステナビリティを重視し推進する姿勢は、他のテクノロジー企業も追随する良き手本になる可能性がある。


 Appleの環境・ポリシー・社会イニシアチブのバイスプレジデントであるリサ・ジャクソン氏とクック氏の尽力により、Appleは全ての小売店、オフィス、データセンターに再生可能エネルギーを供給し、環境への取り組みを倍増。2017年、Appleは、地球の資源から新たに素材を獲得することなく、全ての新製品を製造する完全な循環型サプライチェーンをつくるという野心的な目標を発表した。


 この目標については、勢いが先行している、実現可能性は不確かと言われていたが、結果的には無事に達成。クック氏は「私たちは、作っているものの文字通りすべてのパーツについて考えている」と述べ、今回の目標達成について「率直に言って、100%再生可能エネルギーを達成する方法も分からなかったが、2016年にかなり勝手な目標を立てた。実際にそれを前倒しで達成しようとしている」と語った。


 循環型サプライチェーンを構築するということは、ハードウェア全体のほぼすべてを革新することを意味する。昨年、Appleは製品ライン全体でリサイクルされたアルミを使用する画期的な成果を示した。また、同社はサプライヤーにも環境保護を求めており、そのうち44社は、アップル製品の製造に再生可能エネルギーのみを使用している。


・他の企業にも追随呼びかけ「Appleだけでは、失敗する」
 Appleは、リサイクルする材料を得るために、より多くの人々が古い携帯電話を下取りに出すことを望んでいる。1時間に200台のiPhoneを分解して、再利用できる素材を取り出すデイジーと呼ばれるロボットを開発した。


 携帯電話をAppleに下取りに出すという選択肢は長らくあったが、最近Appleは更に力を入れた。新しいiPhone購入時に、Appleは古い携帯に高額の対価を支払う。クック氏は「今年、消費者に下取りについて考えてもらうために本腰を入れた。下取りは、店に来る人の3分の1以上であり、この数は増加傾向にある。良い兆候だと思う。人々が携帯電話を使い終わったら、他人に譲る車のように考えることを望んでいる」と明かしている。


 クック氏は、サードパーティ製のAppleアクセサリの環境への影響は、コントロール出来ず、望んでもいない。例えば、ある会社がiPhone 11のケースを作りたい場合「彼らは電話する必要さえない。そうあるべきだと思う」と語る。


 しかし、Apple Storeで販売する製品、またはApple認定バッジを使用する製品は、Appleがある程、積極的にコントロールできる。正式発表前で、明言を避けたが「私たちは店舗で何をするかを慎重に決定する」と答えた。


 クック氏は、Appleのサステナビリティの慣行について「自分たちだけでしても、失敗すると思っている。私たちは、来たときよりも美しくという精神で、行動している。私達が去った時に、残された場所が散々であってはならない」と、より多くの企業が追随することを望んでいる。


 インタビュー以外にも、クック氏はツイートで、「企業には、イノベーションとアジリティを使って、気候変動の危機に対して、リードする責任がある」と、他の企業にも気候変動への対応を呼びかけた。


 Apple創業者のスティーブ・ジョブス氏(故人)は、強烈なこだわりを持った人物だったが、引き継いだティム・クック氏も、どうやら揺るぎない信念の持ち主のようだ。


(Nagata Tombo)


    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定