つるの剛士、世良公則ら豪華ゲスト迎えて熱唱 芸能生活25周年&歌手デビュー10周年祝ったツアーファイナル公演

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2019年11月11日 13:01  リアルサウンド

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つるの剛士(写真=国府田利光)

 7月に名古屋からスタートした、つるの剛士の全国ツアー『つるの剛士 25周年記念ライブツアー 〜25th ☆ 10th〜』が、11月4日に東京・東京国際フォーラム ホールCでファイナルを迎えた。同ツアーは芸能生活25周年と歌手デビュー10周年を記念して行われたもの。「共に時間を刻んで来たみなさんの応援があって、ここまで来られました。それぞれの25年と10年を振り返りながら聴いて下さい」とつるの。つるのの代名詞とも呼べるPRINCESS PRINCESSの「M」などのカバーを中心に、オリジナルアルバム『つるばむ』(2010年)の収録曲も披露。さらに世良公則などのゲストを迎えたプレミアムな内容で、さらなる活躍をファンに誓った。


(関連:つるの剛士はいかにして“ボーカリスト”になったのか? 歌手デビューから10年の軌跡を本音で語る


■『THEカラオケ☆バトル』の名デュエットが復活


 ライブは、つるの自身が作詞を手がけた熱い2曲で幕を開けた。「メダリスト2020」はソロデビューした2010年に発表したオリジナル曲の最新バージョンで、誰もが何かしらのメダリストであると、すべてのアスリートと夢追い人にエールを送る。続く「正直者」は、人に揶揄されても愚直に生きていきたいと、自身の信念を歌詞に込めた。ノリの良いロックサウンドに乗せた、つるのの真っ直ぐで力強い歌声が会場に響き渡ると、観客は歓声と手拍子でそれに応えた。


 つるの剛士は、『お笑い芸人歌がうまい王座決定戦スペシャル』などに出演し、様々なアーティストのカバー曲を歌いこなしたことで知られる。これまでにカバーした楽曲は70曲ほどあるとのことで、この日もカバーを多く歌った。目を閉じてスポットライトを浴びながら歌い上げたMISIAの「逢いたくていま」(2009年)。山根康広の「Get Along Together」(1993年)は、力強くも繊細な歌声が会場に響く。「僕のフィルターを通して、名曲を若い世代の方にも伝えていきたい」と、つるのはJ-POPカバーに対する使命感もにじませた。


 中盤にはアコースティックでオリジナル曲「ありのまま」と、つるのがボーカルを務めるバンド=つるの剛士とシーキャンドルズの新曲「花火」を歌った。「ありのまま」は、無理をせず飾らず生きていきたいと“自分らしさ”を歌った曲で、つるの自身も「自分の曲だけど、勇気づけられることがある」と、自分にとって大切な曲であることを明かす。つるの剛士とシーキャンドルズは、2012年につるのが“ふじさわ観光親善大使”に任命されたことをきっかけに、地元の仲間と結成した地元密着型バンド。「花火」は、今年残念ながら中止になった『OTODAMA SEA STUDIO』で披露する予定だったそう。アコースティックの柔らかいサウンドと包み込むような優しさを持った温かい歌声が印象に残った。


 つるのとゆかりのあるゲストを迎えた、スペシャルコラボも聴き応えがあった。『THEカラオケ☆バトル』で知り合った宮本美季をゲストに迎えて歌ったのは、HYの「366日」。カバーして欲しい曲としてファンからのリクエストがもっとも多かった曲とのこと。宮本の美しい歌声とつるのの切なさ溢れる歌声で、見事なハーモニーを聴かせた。


■つるのの代名詞=PRINCESS PRINCESSの「M」カバー


 つるのが兄貴として慕う世良公則をゲストに迎えたコーナーでは、「銃爪」と「いつものうた」をコラボで披露した。「銃爪」は世良公則&ツイストの1978年の楽曲で、『つるのうた3』(2015年)でカバーした経緯がある。また「いつものうた」は、広島出身の世良が同郷のつるのを誘い、同じく広島出身の奥田民生が作詞・作曲を手がけた。シンプルなロックンロールで、つるのはギターソロでも魅せる。世良のパフォーマンスに終始「格好いい!」と感激していたつるのは、「こういう兄貴たちがいるから、俺らも負けてられない。25周年なんてまだ大したことない!」と、同郷の先輩=世良から、たっぷりと刺激を受けた様子だった。


 アンコールでは、「ものまね番組で歌って注目を集め、音楽活動を始めるきっかけになった思い出の曲です」と紹介して、PRINCESS PRINCESSの「M」を熱唱した。女性キーの歌を見事に歌いこなしたボーカリゼーションはもはや伝説で、2005年頃〜テン年代にかけてのカバーブームの一翼を担った。太い芯がありながら、端々に切なさや憂いを織り交ぜたボーカルに、観客は目を閉じて静かに聴き入っていた。


 また、YouTube番組『釣りよかでしょう。』をきっかけに知り合ったシンガーソングライターの江頭勇哉をゲストに迎え、つるのの地元・藤沢のスタジオで一緒に作ったと言う「トモウタ」も急遽生披露された。同曲は6月にインスタライブで歌って評判になっていたもので、アコギを弾きながら歌うシンプルさが歌声を際立たせる。まるで“地元のツレ”のような、遠慮のいらない関係であることが、二人の様子から伝わってきた。


 「30周年、50周年、100周年と、一緒に歳を取っていきましょう。“歌の剛士”“(将棋を)指すの剛士”“(子を持つ)親の剛士”“(バイクや波に)乗るの剛士”など、どの剛士も応援して下さい。何よりも僕が、みなさんを応援しています。みなさんの心が晴れますように!」と、つるの。


 最後には、親子で楽しめることをテーマに制作、2011年にリリースしたミニアルバム『ちゅるのうた』に収録の「にじ」を、観客と一緒に歌った。ゆったりとしたリズムとシンプルなメロディが心地良く、つるのが客席にマイクを向けると、観客の大合唱が会場に響き渡る。観客が揺らすカラフルなペンライトの光がまるで虹のようで、そんな光景を目の当たりにつるのは嬉しそうに目を細めた。


 趣味も仕事も全力で臨むから、つるのの周りには人が集まり笑いが絶えない。そんなつるのの人を惹きつける魅力が、このライブには溢れかえっていた。(リアルサウンド編集部)


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