《神奈川・相模原》母親を撲殺した長男の異変、ピンクのミニワンピ徘徊生活

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2019年11月12日 05:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

現場となった自宅アパートはひっそりとして

「血だらけだ!」

「もう死後硬直が始まっている!」

 降りしきる雨の中、現場のアパートに臨場した警察官がそう叫ぶ声で、近所の住民は事件に気づいたという。

物静かな家族だった

 10月29日午後7時ごろのことだった。神奈川県相模原市南区の自宅アパートに帰宅した父親(71)が、リビングで妻・由紀恵さん(72)が顔から大量の血を流してあおむけに倒れているのを見つけ、「妻が亡くなっている。息子が殴ったのではないか」と110番通報。警察官が駆けつけた際、台所にいた長男の無職・北岡哲史容疑者(49)は「僕は知らない」「死体が転がっている」などと話したとされる。

「由紀恵さんのあご付近には硬いもので殴られた痕跡があり、腹部からアザも見つかった。犯行は父親が出勤・帰宅するまでの約13時間の間とみられ、県警はまず遺体を放置した死体遺棄容疑で哲史容疑者を逮捕。本人は“納得がいかない”などと否認している」(地元の社会部記者)

 県警によると、司法解剖の結果、死因は腹部殴打による大動脈損傷にもとづく内出血と判明。県警相模原南署は同31日、殺人の疑いで哲史容疑者を再逮捕した。

 周辺住民によると、事件が発覚した夜、パトカーに乗せられた父親は肩を落とし、呆然としていたという。

 一家は3人暮らし。約2年前に現在のアパートに引っ越してきた。間取りは3LDKと3人世帯にしてはやや広めで家賃は月5万〜6万円。母親は引っ越しの挨拶回りでミルフィーユの洋菓子セットを持参するなど近所に気を配っており、周囲は「基本的には物静かな家族だった」(近所の女性)などと話す。

「父親と母親が笑って話す声はときどき自宅から聞こえてきたが、会話に哲史容疑者が加わる様子はなかった。父子や母子間で話す声も聞いたことがない。哲史容疑者は日中でもシルバーの自転車に乗ってよく出かけていたので、ご近所さんと“仕事はしていないみたいね”とは話していた」(同女性)

急にピンクのミニワンピ

 40代後半で定職に就かずぶらぶらしているのは不思議がられていた。一方、70代の父親は毎日、早朝に出勤して夜7〜8時ごろ帰宅するなどフル勤務生活とみられ、母親は毎日、午前中にバスに乗って買い物に出かけるのが日課だった。

 哲史容疑者はグレー系の作業服姿で自転車に乗っていたこともあり、ひところは「仕事が見つかったのかな?」と安心する住民も。身長170センチ以上のがっちりした体格で、長髪を野武士のチョンマゲのように後ろで束ね、夏場はTシャツにジーパンなどラフな格好が多かった。少なくとも、周辺住民とのトラブルはなかったはずだという。

「それが今年6月ごろから、急に女装するようになったんです。鮮やかなピンク色のミニのワンピースを着たり、花柄のノースリーブのシャツだったり」(近所の主婦)

 周辺住民が驚いたのは服装だけではなかった。

「髪の毛はシンクロ(アーティスティックスイミング)の選手のように頭の上でお団子にまとめ、にこやかな表情であっちこっちをウロウロ。女装をとがめるつもりはありませんが、困ったのは小・中学生の女の子らに声をかけたりして怖がらせるんです」(同)

 本人には怖がらせる意図はなかったかもしれない。

 しかし、女装したがっちり体形のおじさんから唐突に、

「お嬢ちゃん、かわいいね」

 と声をかけられた女児がすくみあがったであろうことは容易に想像がつく。女児の保護者は登下校時に付き添うようになった。

 周辺住民らによると、女子中学生を追いかけたり、手を握ってくることもあった。犬の散歩をしていた年配の女性に「触らせて」と迫り、女性に対してかと思って身構えたら犬目的だったということも。

 さらに、若い母親に向け、

「奥さん、きれいだね」

 と投げキッスをしたこともあったという。

事件3日前の奇怪な行動

 別の近隣女性はこう話す。

「女装といっても化粧をしているわけではなく、きれいに見せたい感じはなかった。ワンピースの背中のチャックは上まで閉まっていなかったし、お母さんの服をただ着ていただけなんじゃないかしら」

 同時に乱暴で勝手な言動も目立つようになった。ゴミ収積所のルールを守らず、回収日でもないのに粗大ゴミを出し、この近隣女性がそのことを注意すると、

「関係ないだろ!」

 と、キッとした目でにらみつけられたという。

 ほかにも、近隣宅の自転車を無断で乗り回したり、事件の3日前には、

「ラジカセを持って、地元の福祉関連施設に乗り込み、ひとりで歌ったり踊ったりして、来訪者やスタッフを困惑させていたそうです。今後の対応を考えてか、騒動直後に施設関係者が“女装した男性のお宅はどちらかわかりますか”と訪ねてきました」(前出の主婦)

 女装のきっかけはわからないが、急速に変貌していったことは間違いない。

 その日、自宅で母親と哲史容疑者のあいだに何があったのか。黒いビロードのブレザーをよく着ていたという母親はこのところ、病気を患ったのか、ひざが曲がらず地面を擦るように歩いて買い物に出かけていた。背中を丸めて下を向きがちだった。抵抗する力など、ほぼなかっただろう。

 息子は、女装でうろつくことをとがめた母親に腹を立てたのだろうか……。

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