「やっとスタートライン」=元院長の書類送検で遺族―東京・池袋の乗用車暴走事故
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2019年11月12日 19:01 時事通信社

写真 池袋暴走事故で旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長が書類送検され、記者会見する遺族の男性=12日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ |
東京・池袋で乗用車が暴走し、松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)が死亡した事故で、運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)が自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で書類送検された12日、松永さんの夫(33)が東京都内で記者会見し、「やっとスタートラインに立った」などと心境を語った。今後は裁判に参加するための準備などをするという。
夫は、書類送検までの約7カ月間を「2人がいなくなってしまった苦しみ、悲しさと向き合い続ける日々だった」と振り返り、「壊れそうになる自分の精神をどうやったら保てるか、どうすれば前を向けるかと常に葛藤していた」と明かした。
事故後は再発防止に向けた活動に取り組んできたといい、高齢者による運転について「地方では車がないと生きていけないという現実がある。国や自治体に改善していただきたい」と訴えた。
飯塚元院長に対しては「加害者の行動によって2人の命がなくなったことは事実。しっかりと2人の死に向き合ってほしい」と語気を強めた。
事故は4月19日午後に発生。飯塚元院長が運転する車が赤信号を無視して横断歩道に突っ込むなどし、元院長を含む12人が死傷した。警視庁は、元院長がアクセルとブレーキを踏み間違えたことが原因と断定した。

池袋暴走事故で旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長が書類送検され、記者会見する遺族の男性=12日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ
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