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西岡剛、トライアウトの締めくくりが地元大阪で「考えるものがある」

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2019年11月14日 06:11  webスポルティーバ

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「最後になるかもしれない」

「野球人生の区切りとして」

 12球団合同トライアウトではこういった言葉を述べる選手が少なくないが、西岡剛が浮かべた表情、発したコメントはそれらとまったく異なるものだった。

「常にチャレンジしていきたいと考えているので、NPBでプレーしたいという思いがある以上、野球人生を続けていきたい」

 笑顔はなかったが、「今日トライアウトに参加できたことに感謝したい」と語る表情は、昨年以上にすっきりとしたものに感じられた。

 阪神から戦力外通告を受け、トライアウトに初参加した昨年も、多くの報道陣がプレーを終えた西岡を取り囲んだ。それは今年も変わらず、すべての対戦が終わり、球場を後にしようとする西岡の下に各メディアが殺到。今年もトライアウトの主役は、間違いなく西岡だった。

 ロッテに在籍した2005、10年には日本一を経験。五輪代表、WBC日本代表への選出経験、11年から2年間のメジャー挑戦など、知名度、実績ともに、今回の参加者のなかで群を抜いた存在だった。

 昨年のトライアウトでは、ロッテ時代の同僚である成瀬善久(今季はオリックスでプレー)から二塁打を放つなど健在ぶりを見せたが、獲得の意思を示す球団は現れなかった。

 今年3月、ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスへの入団が発表された。昨年のトライアウト終了後、「野球を続けたいので、もちろん独立リーグという選択肢もある」と語ったとおり、1年間”独立リーガー”としてプレーした。

 前期シーズンから打撃の好調さを保ち、存在感を発揮。今シーズン中のNPB復帰は叶わなかったが、最終的にはリーグ十傑入りの打率.335を記録。過去に胡坐をかくことなく、若い選手たちと汗を流す日々を送った。

「NPB復帰を目指しているならば、トライアウトに挑戦するべき」と、2年連続の受験を迷いなく決断。金を基調とした栃木のユニフォームに身を包み、大阪シティ信用金庫スタジアムに降り立った。

 第1打席は村中恭平(前ヤクルト)との対戦。右バッターボックスへと足を進める西岡に、この日一番の大きな声援と拍手が送られた。しかし、カウント1−1からスタートした対戦で、初球の高めの直球を空振り。1球見逃した後の3球目、アウトコース低めの直球で見逃し三振を喫した。

 その後も菊沢竜佑(元ヤクルト)の前に二ゴロ倒れ、立田将太(前日本ハム)には一ゴロ、松本直晃(前西武)に空振り三振に抑えられた。

 4打数無安打2三振。アピールできたとは言い難い内容で、今回の”主役”のトライアウトは幕を閉じた。

 球場から引き上げる直前の取材で、西岡が真っ先に述べたのがファンへの思いだった。

「こうやってプレーヤーとして続けられているのはファンの方々のおかげ。『最後までやり切ったな』と応援してもらえる選手になりたいなという気持ちはあります」

「通算2回まで」とトライアウトへの参加規定が設けられたため、NPB復帰の成否に関わらず、西岡にとっては今回が最後のトライアウトとなる。その”締めくくり”の場が出身地である大阪の球場だったことについて話を向けられると、噛みしめるようにこうコメントした。

「中学生ぐらいからかな、このグラウンドを使わせていただいて。そのあとはプレーする機会がなくて、まさかこのグラウンドでトライアウトを受けるとは思っていませんでした。考えるものがありますね」

 NPB球団からオファーがなかった場合、今季同様独立リーグでの現役続行を示唆し、西岡は球場を後にした。

 今年35歳を迎えた年齢、トライアウトの4打席では、結果だけでなく、速球に立ち遅れる場面が目立つなど、現状、NPBへの復帰はかなり難しいと感じられる。

 しかし、西岡の表情に悲壮感は微塵もない。あるのは、自身の可能性を信じ、挑戦を続けていく意欲だけだ。

 日本球界屈指の内野手として鳴らした男が「やり切った」と感じる瞬間は、まだまだ先にありそうだ。

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