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EXILE/三代目JSB小林直己、アメリカで勝負した理由「僕だけ貢献できていなかった」

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2019年11月14日 18:00  ドワンゴジェイピーnews

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EXILE、三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーとして活躍する小林直己が、オープンオーディションを経て役をつかんだハリウッドデビュー作、Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』。本作で小林は、オスカー女優アリシア・ヴィキャンデル演じるルーシーと運命的な出会いを果たすカメラマン・禎司を演じている。いまから3年ほど前、アメリカに渡り俳優としての道を模索した小林――そこには想像を絶する覚悟があったという。


■どうしてもつかみたかった役柄


本作のオーディションは、2017年年末。アメリカに渡ってから、語学やアクティングのトレーニング、さらにはマネジメント会社やエージェントの発掘などをしながら、数々のオーディションを受けてきた小林だが、脚本を読んだときから「どうしてもこの役を演じたい 」と強い思いが沸いてきたという。最初は台本のワンシーンを撮ったビデオオーディション。そこから何度かセレクションを重ね、大役をつかんだ。


小林自身「役者としても大きなキャリアになる」という思いと同時に、ごく個人的な理由から禎司という役にこだわった。それは自身との共通点が多かったから。「禎司は周囲から見るとミステリアスで、あまりオープンマインドなタイプではない。でも彼は、彼自身の価値観や大切なものがあって、自分のなかの真実を追い求めている。そういった思いをあまり外に出さないという部分は、非常に共感できるんです」。


小林も多感なころ、自分のなかに伝えたい思いや叫びがあった。しかし、なかなか言葉にすることは難しく、言葉にすると失われてしまうという思いも感じていた。そんな思いを、禎司は写真として映し出し、小林はダンスで表現した。ここまで自分とシンクロする役は「運命的だと感じました」と本作に没頭していく。「どうしてもやりたい」という小林の思いは、製作総指揮を務める巨匠リドリー・スコットや、本作のメガホンをとったウォッシュ・ウエストモアランド監督に伝わった。


念願のハリウッド作品。前述したリドリー・スコットやウォッシュ監督をはじめ、主演はオスカー女優アリシア、さらに撮影は『オールド・ボーイ』などを活写したチョン・ジョンフン、美術に種田陽平など、世界的に有名なスタッフが集まった。小林は「3〜4年前から準備はしていたとはいえ、クルーはアメリカなので言語は英語。苦労する部分はありました」と語っていたが「舞台は1989年の日本。僕は1984年生まれなので、なんとなく時代の雰囲気は覚えており、ウォッシュ監督も同時期に日本への留学経験があったそうで、よくある日本をただ記号化したもの では決してないし、僕自身も日本人の持つ精神性や文化を考えながら、いろいろな場面で提案をすることができたのは大きな喜びでした」と充実した撮影の日々だったという。


■「個人の仕事がなかった」危機感ではなく“危機”だった


日本ではドームツアーを行い、100万人を集めるモンスターグループに所属。ある意味で日本のエンターテインメントの頂点にいるような存在の彼が、一から語学を始め、ゼロからオーディションに挑む日々には驚きを覚えるが、小林はこうしたチャレンジに対して意外な理由を明かす。


「夢を追いたいとか、そんなきれいな理由じゃないんです。こうしなければEXILEにいられなかったんです。言い方を変えれば食っていくためなんです。ほかのメンバーたちは個人でもしっかりドラマに出たりテレビに出たり活動をしていたけれど、正直、僕は個人の仕事がなかった。人気があるように感じられるけれど、それはグループが人気で、僕自身は何者でもない。まったくEXILEに貢献していないと思ったし、これではダメだと感じていたんです」。


本人曰く、危機感ではなく“危機”だったというのだ。「生半可なことではだめ。語学だってしゃべれるようにならないとマチガイって気持ちでした。メンバーの存在はポジティブなものですが、自分への怒りのようなネガティブな感情は大きなモチベーションでした」。

■メンバーを尊敬している


この言葉こそ、小林の人間性を表しているように感じる。普通なら、焦りやイライラはメンバーへの嫉妬や負の感情に昇華されていってしまいそうだが「基本的に僕はメンバーを尊敬しているんです」と笑顔を見せる。


「才能がある人たちが集まっているなか、彼らは決して努力を欠かさないんです。それを見ていて、能力の差は一生縮まらないんだなと感じるんです(笑)。でも、だからこそ潔くもなれて、自分にはなにができるのかをしっかり見極めることができるんです。英語も芝居も、自分のなかでいろいろ考えたなかで始めたこと。メンバーの存在によって気づかされた部分は大きいです。ライバルであり家族であり、仲間……感謝しかないです」。


小林がロンドン国際映画祭のワールドプレミアに参加したのとほぼ同時期に、三代目 J SOUL BROTHERSのNAOTOが初主演映画『ダンシング・マリー』でシッチェス・カタロニア国際映画祭に、EXILEのAKIRAが『その瞬間、僕は泣きたくなった』のワールドプレミアで高雄映画祭に参加した。こうして海外で活躍するメンバーを見るのも「とても励みになります」と自身を奮い立たせる材料になっている。


■『アースクエイクバード』出演で、ダンスに対する向き合い方も大きく変わった


ダンスと俳優業――小林は「芝居はダンスの延長線上にある」と語るが、俳優として本作を経験したことで、ダンスへの取り組み方がまったく変わったという。それは自分の持つ強みの再発見。


「海外に行って自分で仕事を得るために、いろいろな人に自分をアピールするわけです。『僕は小林直己と言います』というところから始まって、『日本でアーティストとして毎年100万人動員するライブツアーをやりつつ、アリシアやウォッシュ監督と共に、俳優の仕事をしました』と言い、さらには『マーシャルアーツやサムライソードなどのアクションもできます』とアピールする。そんななか、今回の作品を経験し、意識していたわけではないのですが、自分のなかに日本人としての文化や精神性がしっかりあると理解できたんです。それはもっと広げれば東アジアの歴史のなかに培われたものが受け継がれているんだなと……」。


いままではコンプレックスばかりの人生だったという小林が、本作を経て「自分は自分のままでいいんだ」と思えるようになった。これまでダンスやエンターテインメントを創作する際「自分ではない、何者かになろう」としていたというが「自分が大切だと思っていること、自分ができることをシンプルに伝えよう」という考えにシフトチェンジした。そのことで少し肩の力が抜けたという。

■アリシア・ヴィキャンデルから受けた影響


さまざまなことを吸収できた『アースクエイクバード』という作品。主演を務めたアリシアからも大きな影響を受けた。彼女は劇中、日本語を巧みに使う。それはただセリフを言っているだけではなく、文脈を理解し役に落とし込んでいるのが見てとれる。


「ウォッシュ監督が言っていたのですが、アリシアが演じるルーシーは非常に複雑な感情を持つキャラクターであるだけではなく、日本語の長セリフもモノローグでしゃべる。しかもチェロもしっかり弾かなければならない。世界中を見渡してもそれを完璧に仕上げられる女優はアリシアしかいないと話していました。僕もそう思うぐらい彼女は努力家なんです。リードアクターとして、現場を引っ張りつつ、役に入っていないところではとてもナチュラル。心の底から信頼できる女優でした」。


一流のスタッフ、キャストと共に現場を経験した小林。俳優としての大きな第一歩を踏み出したが「これからも、素晴らしい人間性と文化を持つ日本人が、世界のいろいろなところで活躍していけたらいいなと思っています。先人たちが道を切り開いてくれたおかげで、こうして僕も舞台に立てているという思いがあるので、チーム日本というイメージでこれからも夢をかなえていきたい」と未来に思いを馳せていた。


取材・文:磯部正和

写真:稲澤朝博

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