Creepy Nuts『有吉ジャポン』出演 R-指定とDJ松永に聞く、互いの音楽スタイルの凄み

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2019年11月15日 10:31  リアルサウンド

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Creepy Nuts

 Creepy Nutsが、本日11月15日24時50分から放送される『有吉ジャポン』(TBS系)に出演する。Creepy NutsのR-指定は『ULTIMATE MC BATTLE』全国大会で史上初の3連覇を果たし、一方DJ松永は、2019年8月24日に行われた世界最大のDJ大会『DMC JAPAN DJ CHAMPIONSHIPS 2019 FINAL』(以下『DMC』)で優勝したばかり。同番組では、松永によるDJプレイが披露されるほか、R-指定が自身のライブで披露している「聖徳太子スタイル」というフリースタイルラップもパフォーマンスされる予定だ。今回は、同番組の収録を終えたばかりのCreepy Nutsにインタビュー。バラエティ番組への出演について感じていることや、パフォーマンスについての話など聞くことができた。(編集部)


(関連:【写真】番組収録後のCreepy Nuts


●DJ松永、『DMC』優勝で“世界一”の実感は?
ーー『有吉ジャポン』の収録はいかがでしたか? 


R-指定:ラップは緊張しましたね。現場によって反応が全然違うので、ヒップホップの現場以外でラップを披露するのは緊張するんです。やっぱり、今回もかなり緊張して。


DJ松永:同じく、ルーティン(ターンテーブル・ルーティン・プレイ)の中盤に差し掛かる前ぐらいで完全にミスっちゃったんですよね。どうやってリカバリーしようかなって思って、1回止まっちゃって。世界一になって、いろんな番組に出させていただいて、毎回ルーティンを披露してるんですけど、全部本番でミスってるんですよね。なんなんですかね(笑)。


ーーどこで失敗しているかわからないぐらい完璧なパフォーマンスに見えました。


DJ松永:ルーティンの場合、失敗してるかしてないかはプレイヤーか過去に同じプレイを見た人にしかわからないと思いますけど、やっぱり自分的には落ち込みますね。


ーー松永さんは8月に『DMC』で世界一になったばかりですが実感はありますか?


DJ松永:まだないですね。これまで「〇〇の1位」っていう肩書きを何も持ってなかったので、大会当日に急に「世界一」って肩書きがついてもなかなか実感が湧かないです。他人事って感じがします。だからしばらく経ってから、“あの時すごかったな”って感じるんだと思います。


ーー音楽番組以外のテレビ番組の出演も増えていると思いますが、ご自身が出演された番組は後で見返したりしますか?


DJ松永:僕に関しては、前は見るようにしてたんですけど……。うまくできてない自分を客観的に見たら凹んで1日立てなくなっちゃったりするので、最近は見ないようにしてますね。


ーーテレビ番組を通して松永さんのプレイを感覚的にかっこいいと感じている方は多いと思うのですが、具体的に何がすごいのかわからない方も多いと思うんです。DJプレイに詳しくない方が観るにあたって、どこに注目すればいいのでしょうか。


DJ松永:難しいですよね。でも最初はなんとなくでいいと思うんですよね。基本的に見た目込みの演奏だったりするので、感覚的にすごいと感じるでいいと思いますし、特に注目すべきところってないと思っていて。どこがすごいと感じるかは、プレイの数を見ていけば浮き彫りになってくると思います。


ーー『DMC』優勝を目指すにあたって、どういったところで他のプレイヤーとの差別化を図りましたか?


DJ松永:30年以上歴史のある大会なので、技とか展開の作り方とか曲の崩し方ってほぼほぼ出尽くされてるんですよね。みんなが知っているものを披露しても、それがたとえ技術的に上手くても発想的には上手くない。そんななかで驚きを与えるためにはどうしたらいいかは考えましたね。優勝するには、みんながやったこともない展開、曲の崩し方、技の組み合わせもやりつつ、技術的なうまさも必要で。そこが両立が上手くできたんじゃないのかなと思います。


●より上手く、楽しく……R-指定とDJ松永、今後の目標
ーーなるほど。R-指定さんから見て、松永さんの音楽スタイルのどういったところに魅力を感じていますか?


R-指定:松永さんは、“変だけどキャッチー”なトラックを作らせたらやっぱり一番やなと思いますね。癖のある音なのに人懐っこい。でも、ほんまにラップが上手くないとかっこいい曲として成立せえへんっていうバランスを試されてると感じていて。僕はそこに燃えます。もちろんトラック単体としてもかっこいいんですけどね。あと、ライブでの安心感と信頼感。一緒にライブすることで確実に何倍もいいものになるなっていうのは感じています。


ーーライブで相乗効果を得られると感じるのは、やはりR-指定さんのラップと松永さんのDJの相性がいいということなのでしょうか?


R-指定:どちらかというと、DJと組むにあたって“ライブを一緒に作る”っていう意識が重要だと思います。ラッパーのなかには、一緒に練習もしたことのないDJと当日いきなりライブする人もいるぐらいなので。DJはヒップホップのライブパフォーマンスする上でバンマスのような存在でもあるんです。だから、一緒に音を鳴らす相棒としてそのDJとパフォーマンスできるかっていう部分は、僕にとって大きいです。松永さんはほんまにライブパフォーマンスも上手いですし、DJ単体でルーティンさせても世界一の技術を見せられる。もちろん、トラックメイカーとしてもすごいですし。


ーー松永さんはR-指定さんのラップについてどう感じていますか。


DJ松永:ラップに関してはもう全面的に素晴らしいのでね。話芸としてもすごくレベルが高いんですよ。何回噛んでも味がするというか掘り下げ甲斐のあるめちゃめちゃ緻密で高度なことやってる。にも関わらず、聴覚的に聴くとすごく楽しい。歌詞の完成度の高さと聴覚的な完成度の高さを、日本でいちばん両立できているのはRさんだと思います。あと、ライブパフォーマンスにしても音源で入り組んだ難しいことをやってても全部再現する。キーとかリズム感とか声の通りひとつ取っても全部ばちばちはめてくるし、かといっておとなしいわけでもなくて迫力もある。全面的に素晴らしいです。


ーーでは、最後に今後の目標をお1人ずつ聞かせてください。


R-指定:僕個人としては、ラップが上手くなり続けたいということですかね。ラップし続けるためにラップを頑張ってるようなものなので。メディアで扱われなくなって仕事が無くなっても、ずっとラップが好きですね。Creepy Nutsの目標としては、お互いに“いい曲を作り続けたい”とか“いいライブをし続けたい”って感じていると思います。


DJ松永:僕も同じですね。基本的に“DJを楽しむ”ことが今後の目標です。大会に出るにあたってルーティンを作ってたんですけど、楽しいというより苦しい作業でしかなくて。10年近く挑戦し続けて、快感を得たり、よかったって感じた思い出がほとんどない。大会に出るのは呪いを解くための作業だったんです。でもそれがようやく解けて。これからは、心から楽しむためのDJがよりできるようになるなって思います。あと、ルーティンを作る作業と自分の技術を向上させることって意外と別の作業なんです。ルーティンを作るのに何年もかかってしまうので、練習したかったけどできなかった技もたくさんあって。もう大会用のルーティンを作る必要がなくなったので、もっと上手くなれると思いますね。


(北村奈都樹)


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