■親に大反対されて
同い年の彼が正社員でなかったことから、「あなたが苦労するからやめなさい」と結婚を親に大反対されたコズエさん(33歳)。
「親は安定しか考えていない。私と彼がこんなに愛し合っているのに、という思いが先行して。私が正社員だから生活なんてどうにでもなるわ、と愛を貫いて結婚したんです。ふたりで婚姻届を書いて出しただけでしたが」
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ただ、いざ生活が始まってみると確かに親の言うようにすべてが彼女の肩にふりかかってきた。
「結婚と同時に彼が派遣を雇い止めになってしまって。それからはアルバイトをしていますが、彼は安いアパートの家賃を払うのが精一杯。光熱費や生活費はすべて私持ちで、彼の携帯代やお小遣いまで渡すこともあります。結婚して1年経ったつい先日、ついに私の貯蓄にまで手をつけることになった。このままでは子どもも産めない」
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恋は大反対されると燃え上がるもの。彼女も親の反対を押し切ることで、彼への愛を確認したかったのかもしれない。だが、現実の生活は甘くはなかった。
■恋敵に負けたくなかった
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「実は彼にふたまたをかけられていたんです」
そう言うのはシホさん(36歳)だ。4年つきあっていた彼と結婚したのは2年前のこと。つきあって間もなく、彼が彼女のマンションに転がり込んできたのだが、3年ほど経ったころ他に2年つきあっている女性がいることが判明した。
「私には彼女と別れたと言い、彼女には私と別れたと言いながら、それからさらに半年くらいはつきあっていたようです。ある日、私は婚姻届を彼に突きつけ、『これを書かないなら出て行って』と決断を迫りました。もうひとりの彼女は実家暮らしだと聞いていたから、彼は追い出されたら行くところがない。それがわかっていたので実力行使に出たんです」
もはや彼を自分だけのものにしておきたいという“意地”だったとシホさんは言う。彼女の思惑通り、彼は婚姻届を書いた。シホさんはもうひとりの彼女にも会い、婚姻届を見せながら、もう近づくなと威嚇したそうだ。
「彼女はビビッたみたいですが、二度と会わないという誓約書にサインしました。ようやくほっとしたんですが、今思えば、あれほどまでに苦労して結婚したい相手だったのか疑問です(笑)。この人でなくてもよかったんじゃないか。もっといい人がいたんじゃないか、と。彼に対して全面的に信頼できないので、いまだに子どもを作ろうという気にもなれなくて」
意地を張っての結婚に、あまりいいことはなさそうだ。やはり結婚前には、冷静な判断が必要なのかもしれない。