『スカーレット』フカ先生の過去を知った喜美子の“覚悟”とは 5分間に及ぶイッセー尾形の独白

1

2019年11月15日 12:01  リアルサウンド

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

『スカーレット』写真提供=NHK

 マツ(富田靖子)が常治(北村一輝)の説得に失敗し、ちゃぶ台返しの寸前となった前回。『スカーレット』(NHK総合)第41話では、喜美子(戸田恵梨香)の決意が明かされた。


 喜美子は、昨日作業場で見てしまったフカ先生(イッセー尾形)の驚きの姿を明かす。うなり声をあげながら、火鉢と向かい合っていたフカ先生は、なんと笑っていたというのだ。


参考:『スカーレット』イッセー尾形、“弟子”戸田恵梨香の魅力を語る 「共演者に火をつけてくれる人」


 今回では、フカ先生が絵付け職人になるまでの過去が語られる。小さい頃から親を喜ばせるために絵を描いていたフカ先生は、若い頃は日本画を描き、賞を取り個展をやったりと認められた存在だったとのことだ。しかし、戦争が始まり従軍画家として大陸へ行くこととなったフカ先生は戦争画を描くことに。人が殺しあう姿を勇ましく描く、そんな絶望から戦争が終わっても絵を描くことからも遠ざかってしまった。


 しかしそんな絶望からフカ先生を救ったのが、絵付け火鉢だったという。「暖とるために絵なんていらんやん? そうか〜これが戦争が終わったっちゅうことや。なんとぜいたくなことを日本は楽しむようになったんや。僕は叫んだわ」と一息にその感情をあらわにする。だからこそ、絵付けをしている時は、どうしても笑みがこぼれてしまうというのだ。


 約5分間に渡るフカ先生の独白。長い時間をかけ語るイッセー尾形は本日の放送のハイライトであったが、それを聞く戸田恵梨香の表情もまた見事。主演でありながら、相手の一人芝居を受け止めきる、硬軟自在の魅力を放っていた。


 過去を明かしたフカ先生は、「絵付けがやりたいのか。絵付け師になりたいのか」と喜美子に問いかける。好きなことを趣味として楽しむのか。それとも仕事としてプロを目指すのか。喜美子だけでなく誰しもに当てはまる普遍的な問いだ。喜美子はそれを、“覚悟”と受け取る。


 一日悩み抜いた喜美子は結論を出す。「うちはフカ先生についていきたい。フカ先生に学びたい。学ばせてもらいたい。ほかの誰でもなくて、あのうれしそうに笑いながら、楽しそうにやってる、あのフカ先生に」。覚悟なんて後からついてくるものなのだ。まずは自分の「したい」に正直でいること。この一週間揺れ動いてた喜美子の決意は固まった。


 また、喜美子はフカ先生の弟子になる上で、目下の問題である常治だが、今日はなんとあかまつでフカ先生と呑み交わす姿が。フカ先生を絵付けの職人と認識した今、何を語るのか。明日の放送でも一波乱ありそうだ。


(文=安田周平)


    ニュース設定