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皇室の女系容認論は詭弁。昨日までサラリーマンだった人を天皇の資格ありと承認できるか?/倉山満

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2019年11月18日 09:02  日刊SPA!

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写真今年、お茶の水女子大付属中学校に入学された悠仁さま。皇位継承議論が遅々として進まなければ、将来、悠仁さまの肩にのしかかる重圧は計り知れないだろう(写真/時事通信社)
今年、お茶の水女子大付属中学校に入学された悠仁さま。皇位継承議論が遅々として進まなければ、将来、悠仁さまの肩にのしかかる重圧は計り知れないだろう(写真/時事通信社)
―[言論ストロングスタイル]―

◆皇位の“安定的”継承。これこそが、女系論者が流した詭弁の根本だ

 彼らは、女系派の回し者か?

 テレビで男系派の面々を見るたびに、天を仰ぐ。お世辞にも爽やかとは言えない面々が、非論理的な主張を繰り広げる。これでは普通の日本人は、「女系、女帝、女性宮家に賛成しなければならないのではないか」と考えざるを得ないだろう。

 男系派最大の愚説である「皇室の存在意義はY染色体遺伝子だ!」は論外としても、日ごろは“信者”に囲まれている論者が「男系継承を認めないとは、皇室そのものが差別だということになるのではないか」などと口走ってしまう。

 案の定、「皇室は存在そのものが差別だ。だから日本国憲法に基づいて作り変えよう」と主張している面々は、言質を取ったかのように拡散している。第三者を敵に回さないよう自覚をもってもらいたいものだが。

 正直言うと、女系派の論者の方が学識はあり、その論理も秀逸である。女系派は邪悪だが、愚劣ではない。

 その最も根本的な部分での詭弁を指摘しよう。女系派は「皇位の安定継承の為には、女系・女帝を容認しなければならない」と主張してきた。

 曰く。男性皇族の数が激減し、将来は男性皇族がいなくなる。今さらGHQに臣籍降下させられ、何世代も民間人として過ごしてきた方々を皇族に復帰させるなど、暴論にすぎない。

 たとえば、昨日までサラリーマンをやっていた人を、「今日から皇族です。天皇陛下になる資格があります」などと言って、国民が納得するのか。

 それよりは、国民に親しみのある女性皇族に結婚後も皇室に残っていただく為に女性宮家を創設し、いずれは女帝を可能にする皇室典範改正を行う。

 そうなると必然的に女系は容認せざるを得ない。まさか、今さら側室制度の復活など不可能だ。そもそも男系継承は側室制度を前提にした制度なのだから。云々。

 感嘆したくなるほど、見事なまでの詭弁である。これに具体的な証拠を突きつけられて反論できる識者が、何人いるか。

 かたや男系論者は、何かの一つ覚えのように「伝統だ」しか言わない。少なくとも世間からは、それしか言っていないように思われている。それどころか、女性差別論者だと思われているという自覚を持て、と言っても無駄か。

 だが、テレビに出ている男系論者に説得力が無いからと、女系論が正しいわけではない。詭弁は詭弁だ。

 皇位の安定的継承。これこそが、女系論者が流した詭弁の根本だ。

◆本気で「皇位の安定継承」を言うなら、「絶対に子供が生まれる医学」が誕生しなければ不可能だ

 では、聞く。「皇位の安定的継承」が行われた時代は、いつだ?

 皇族の数が多すぎると争いになるのは、古今東西の歴史が証明している。多くの外国では、何十親等離れていようが、王位継承を主張できる。

 我が国でも古代の皇族の数が多かった時代は、皇位をめぐって争いが多発した。だから我が皇室では、皇族に生まれても特別の理由が無ければ、天皇から玄孫の代までに臣籍降下して皇室を離れなければならない。「五世の孫(そん)」の原則だ。

 なお、これまでの皇位継承で最も血縁が離れた皇位継承は、第25代武烈天皇と第26代継体天皇の十親等である。聖徳太子の100年前の時代の先例だ。

 我が国は諸外国と違い、単なる男系男子を皇族と認める国ではない。近衛文麿、西園寺公望、足利義満、源頼朝、平将門……。全員、天皇の血を引く男系男子だが、皇族ではなく民間人だ。

 これらの人たちが皇位継承を主張すれば、間違いなく日本の歴史は血塗られていただろう。皇室が続いたかも怪しい。我が国は君臣の別を明らかにし、皇位継承者を絞ってきたから、一度も途切れることなく、皇室が続いてきたのだ。

 皇族の数が多くても少なくても、皇位の継承は簡単ではないのだ。

 現在は、2600年以上の歴史を続けるか否か、悠仁親王殿下が、たった一人で背負っていらっしゃる。

 もちろん、悠仁親王殿下が即位され、男の子がお生まれになるに過ぎる幸せは無い。男の子が一人ではなく、何人もいてくだされば、なお国の幸いである。

 しかし、側室を何人も置いて多くの子供を作れば解決する訳ではないのは、長い皇室の歴史が証明している。

 第52代嵯峨天皇や第108代後水尾天皇には、何十人も皇子がいた。ほとんどが側室に産ませた子である。

 ところが嵯峨天皇の三世代後、後水尾天皇の五世代後に、皇位継承問題が発生している。その都度、傍系の皇族の方々に皇位を継承していただき、皇統を保持した。傍系継承によって危機をしのいだのだ。

 そもそも、である。男子だろうが、女子だろうが、子供が生まれなければ、家は絶える。他の家から養子を連れて継がせるなら簡単だが、皇室は民間人とは違うから、皇室なのだ。

 本気で「皇位の安定継承」を言うなら、いかなる制度であろうが、「絶対に子供が生まれる医学」が開発されない限り、不可能ではないか。不可能を前提にした主張、これを詭弁と言う。

 現在の皇室が、なぜ危機にあるのか。悠仁親王殿下の時代までは、皇位継承が可能だ。

 だが、殿下御即位あそばされた時、男性皇族は一人もいなくなる。その時、男の子が生まれなければ、直系は絶える。そして、直系が絶えた時、継ぐべき皇族がいないと、皇室は絶える。だから、宮家が存在しなければならないのだ。

 では、宮家を継がれる方々は存在するのか。既に公にされているが、東久邇家と賀陽家には、成人の男系男子が複数存在する。

 将来の危機に備えて為すべきは、現在は民間人としてすごされている方々に親王宣下し、すみやかに旧宮家を復活させることだ。ただし、その方々には、皇位継承権を認めるべきではないだろう。

 第60代醍醐天皇は、生まれた時は民間人だったが、親王宣下され、後に即位された。旧皇族から即位された、唯一の先例である。だが、父は第59代宇多天皇の子であり、自身も2歳で親王宣下されている。

 それに対し今の旧皇族の方々は、明らかに血が遠いし、何十年も民間人として過ごされている。皇位継承まで認める先例とはならない。

 だからこそ、一刻も早く旧皇族の方々に親王宣下し、その御子様方には「生まれた時から皇族」として生きていただくことが必要なのではないか。すなわち、悠仁親王殿下を支える藩屏(はんぺい)としての自覚を。

 我が国の歴史は、皇室と国民の絆である。国民が納得する知恵を、皇室の歴史に求める努力こそが必要ではないだろうか。

―[言論ストロングスタイル]―

【倉山 満】
憲政史研究家 ’73年、香川県生まれ。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。現在、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交について積極的に言論活動を行っている。ベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』など著書多数。最新著書に『13歳からの「くにまもり」』

このニュースに関するつぶやき

  • いまさら人権や友人関係を捨ててまで皇族に復帰したい旧皇族の子孫は一人もいないし、バカじゃね?
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  • アタクシは竹田以外なら誰でもいいから。 https://mixi.at/ai24uEc
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