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スペインの戦術家はキルギス戦に苦言「ボールを失う機会が多すぎる」

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2019年11月18日 11:42  webスポルティーバ

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「収穫としては乏しい試合だった。日本はボールを失う機会が多すぎ、攻撃を作れず、カウンターも浴びた。コンビネーションに欠け、サイドからの攻撃も有効でなく、試合を通じて苦しんだ」

“スペインの目利き”ミケル・エチャリ(73歳)は、キルギスに0−2で勝利した日本代表の戦い方について、率直に指摘をしている。

 エチャリは指導者として、元ヴィッセル神戸監督のフアン・マヌエル・リージョを十代の頃から手ほどきしてきた。多くの選手、指導者に強い影響を与え、「ピッチで大切なのは、数的優位ではなくポジション的優位」という言説を広めたのも彼である。”戦術マスター”とも言えるだろう。

「キルギス戦の勝利は重要なものだった。しかし、いつもの日本のプレーはできていない。ボールを失う場面が多すぎた。得点はPKとFKだけで、攻め崩したシーンは少なかった」

 珍しく日本代表に懸念を示したエチャリは、この試合の細部をどのように見たのか。

「日本はすでにひとつの形になっている4−2−3−1、もしくは4−4−2とも言えるシステムで挑んでいる。試合開始後しばらくは、相手の力を探るような時間帯だった。何度か手合わせし、日本の選手が技術的、体力的に優れていることは明白になった。そして14分には、右サイドの酒井宏樹(マルセイユ)のクロスに南野拓実(ザルツブルク)がヘディングで合わせ、決定機を作っている。

 しかし、キルギスはイニシアチブを譲らなかった。キルギスはMFエドガー・ベルンハルトが下がり目で、5−4−1に近いシステムだった。中盤でグルジギト・アリクロフが高いスキルを見せ、ボールを運び、縦に速く、裏を狙うカウンターを謀る。それが次第に功を奏していった。センターバックに高さのある選手を擁していたことで、FKからあわやの好機を作っている。権田修一(ポルティモネンセ)が好セーブを見せたが、結局、これはオフサイドの判定になった。

 日本はキルギスの守備に対して、ビルドアップでノッキング。ボールを前に運べなくなる。中盤やサイドでボールを失う機会が多く、そこでセンターバックの吉田麻也(サウサンプトン)がロングパスを狙うが、単発な攻撃に。前半、長友佑都(ガラタサライ)はほぼオーバーラップできず、攻撃は右に偏った。しかし右の酒井も珍しくボールを失うなど、全体に不具合が生じているのは明らかだった。

 むしろ、日本はキルギスの攻撃を受ける形が増えていった。前半32分には、中盤での攻防で敗れ、右サイドを突破され、折り返されたクロスをエリア内で合わされている。権田が防いだものの、失点してもおかしくなかった」

 エチャリはプレー内容に苦言を呈しつつ、勝因についても触れた。

「日本の攻撃は、ほとんど南野を経由していた。前半開始直後も、最終ラインと中盤の間でパスを受け、縦パスで決定機を演出。右サイドに流れ、数少ないコンビネーションも生み出していた。そして前半40分、裏にボールを呼び込み、GKと1対1に。巧妙に足を引っかけさせ、PKを奪った。それを自ら蹴りこみ、先制に成功している。

 リードしたことで、後半はいくらか優勢に立った。53分、相手を押し込んで得たFKを原口元気(ハノーファー)が右足で狙い、GKの逆を突く形になって追加点を得た。

 0−2として日本のペースになるかと思われたが、徐々にペースを奪われてしまう。ボールを失う回数が多いことへの不安か、じりじりと受けに回った。サイドでボールを持ち運べず、盛り返すことができない。

 森保一監督は中島翔哉(ポルト)を投入することによって、ポゼッションを高め、ボールを動かしたかったのだろう。コンビネーションは見られたが、流れを変えるまでには至っていない。結局、守りを固めるような形になってしまい、苦しい試合になってしまった」

 好意的な表現を選ぶことの多いエチャリにしては、厳しい評価と言える。日本は0−2と敵地で勝利したが、課題が出た一戦だった。

「日本はいつものように、”サイドで幅を作りながら、中央で深みを作る”というコンビネーションプレーが乏しかった。その前段階でボールを失う機会が多かったからだろう。中盤では、柴崎岳(デポルティーボ・ラ・コルーニャ)、遠藤航(シュツットガルト)のボランチ2人が劣勢でボールを前につなげられず、五分五分になったボールにも競り負けていた。そのせいで、高い位置を取って攻撃コンビネーションを作るはずのサイドバックも、後手に回ってしまったのだ」

 最後にエチャリは、肯定的にこう総括している。

「言うまでもないことだが、ワールドカップ予選で勝利するのは簡単なことではない。日本は無失点で4連勝を飾った。今は謙虚に改善点を探しながら、強化を続けていくべきときだろう。心から勝利を祝福したい」


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