IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦しているウェイン・テイラー・レーシング(WTR)は11月15日、来年1月にデイトナ24時間レースで開幕する2020年シーズンのドライバーラインアップを発表した。過去2シーズンをチームとともに戦ったランガー・バン・デル・ザンデが残留する一方、その“相棒”となるレギュラードライバーに、元インディカードライバーのライアン・ブリスコーが起用される。
ウェイン・テイラー・レーシングはその名のとおり元レーシングドライバーで、スポーツカーレースにおけるレジェンドのひとりであるウェイン・テイラーが率いるチームだ。
IMSAシリーズの最高峰DPiクラスを戦う同チームは、2017年に開幕4連勝を飾るなどの活躍をみせシリーズタイトルを獲得。2年ぶりのデイトナ24時間総合優勝を目指した2019年シーズン開幕戦では、小林可夢偉とフェルナンド・アロンソを“助っ人”に迎え入れ、見事デイトナウイナーに輝いた。そして今年7月、デイトナで再び可夢偉を起用することをアナウンスしている。
そんなWTRの2020年ラインアップは、テイラー氏の子息であるジョーダン・テイラーがGTル・マン(GTLM)クラスにのコルベット・レーシングに移籍することからレギュラーシートに空きが生まれることになり、ここにブリスコーが収まることとなった。
元インディカードライバーで38歳のブリスコーは、2019年限りで4年間の活動を終えたフォード・チップ・ガナッシ・レーシングの一員としてIMSA GTLMクラスやル・マン24時間レースに参戦。リチャード・ウエストブルックとのコンビで44戦中8度のクラス優勝を飾ったほか、2018年にはデイトナ24時間で67号車フォードGTに勝利をもたらした。
「WTRの一員になることをとても楽しみにしている。彼らは非常に成功しているチームだ」と語ったブリスコー。
「フルタイムドライバーのひとりとしてチームに加わることができて光栄だよ。キャデラックDPi-V.Rは素晴らしいマシンであり、ドライブするのが待ちきれないね」
そのブリスコーのコンビを組むのはチーム在籍3年目を迎えるオランダ人、バン・デル・ザンデだ。彼は残留に際して「チーム(との契約)を継続できて本当にうれしいよ」とコメント。
「過去2シーズン、チームと良好な関係を築いてきたおかげで3年連続で10号車キャデラックDPi-V.Rをドライブすることになった。これは継続性の点で素晴らしいことだ」
「WTRは継続性と反復性を重視しているんだ。だから、このチームには10年以上、15年以上在籍しているスタッフもいる。それこそがチームを良くし、素晴らしいものにしているんだ。また、2020年に大きな成功を収められるよう努力していることは明らかだ」と語っている。
■デイトナではバン・デル・ザンデ、ブリスコー、ディクソン、小林可夢偉の豪華布陣
また、開幕戦のデイトナ24時間をはじめ、セブリング12時間、最終戦プチ・ル・マンで起用される第3ドライバーには、通算5度のインディカー・シリーズチャンピオンを獲得しているスコット・ディクソンが決定した。
シングルシーターと並行してスポーツカーシリーズにも参戦してきた39歳のベテランは、2006年と2015年にデイトナ24時間で優勝を飾っている。ブリスコーと同じくフォードGTのプログラム終了に伴いWTRへの参加が決定したディクソンは「プロトタイプカーでのレースが大好きで、最高峰クラスに戻れるのが本当に楽しみだ」コメント。
「ランガーと可夢偉との提携も楽しみにしており、10号車キャデラックの成功に貢献したいと思っている」と意気込みを述べた。
同様に、チーム内ではいち早く起用が発表されていた可夢偉も「ライアンとスコットは才能があるだけでなく、他のアメリカンレース・シリーズでも大きな成功を収めているので、彼らと一緒に仕事ができることを本当に楽しみにしています」と語っている。