同学年が大卒でプロ入り!『2015年ドラフト高卒組』の今

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2019年11月19日 18:10  ベースボールキング

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ソフトバンク・高橋純平=札幌ドーム
◆ 先輩のプライド?即戦力の意地?

 今から約1カ月前の10月17日、プロ野球のドラフト会議が行われた。

 プロ野球選手になれるかどうかが決まる“運命の一日”。今年も大きな注目が集まったなか、支配下で74名のスター候補たちが指名を受け、そのうち高校生が35名、大学生は25名、社会人・独立リーグは14名という内訳に。なかでも今回注目したいのが、25名の大学生たちだ。

 広島にドラフト1位で指名された森下暢仁(明治大)を筆頭に、来季すぐの活躍が期待される即戦力候補はもちろんのこと、プロでの飛躍に期待がかかる素材型の選手も含まれているのが大学生の特徴。そしてこの中には、4年前の高卒時にはプロ入りが叶わなかったという選手もいる。

 今年の大卒ルーキーたちが進学して己を鍛えていた間、ひと足先にプロ野球選手というキャリアを歩んでいた“2015年・高卒入団”の選手たち。彼らはプロの舞台でどんな実績を残したのか、またどんな4年間を歩んできたのか、振り返ってみたい。


◆ 廣岡大志が2ケタ本塁打を達成

 2015年の高卒選手を振り返る前に、2015年の高校野球について少し振り返っておくと、春のセンバツは敦賀気比(福井)が春夏通じて初優勝、夏は東海大相模(神奈川)が45年ぶり2度目の優勝を成し遂げた。

 そして、夏の甲子園が終わると、すぐに『WBSC U-18野球ワールドカップ』が日本で開幕。初優勝を目指した日本だったが、決勝戦でアメリカに1−2で惜敗。王国に大会3連覇を許すという結果に終わっている。


 その後、秋に行われたドラフト会議では、夏の甲子園とW杯で大活躍を見せた平沢大河(ロッテ)とオコエ瑠偉(楽天)がドラフト1位でプロ入り。すぐの活躍が難しいとされる“高卒野手”ながら、1年目からいきなり一軍出場を果たしたものの、ここまでレギュラーを勝ち取るまでには至っていない。

 そんな中、徐々に頭角を現しつつあるのがヤクルトの廣岡大志だ。こちらもポジション確保とはいかずも、今季は後半戦で猛チャージを見せて自身初の2ケタ本塁打に到達。不調を乗り越えて、ついに打撃開花の兆しを見せた。しかし、ヤクルトはこのオフに遊撃手候補の助っ人アルシデス・エスコバーを補強。ポジション争いの激化は必至で、来季は真価が問われるシーズンとなりそうだ。

 楽天の堀内謙伍も、今季チーム最多の65試合でマスクをかぶるなど、出場機会を増やした選手のひとり。打率.156(122−19)と打撃面で苦戦したが、この経験というのは何にも代えがたい財産であることは間違いない。長らく正捕手を務めた嶋基宏の退団もあり、若き捕手たちによるポジション争いに注目が集まるが、このオフに右肘の手術を受けたのも、万全な状態で“勝負の5年目”を迎えるため。扇の要として定着することができるか、注目だ。

 最後に、この世代の“センバツ優勝投手”である日本ハム・平沼翔太も忘れてはいけない。高校時代は投手だったが、プロでは内野手として勝負。コンバートに時間を要する選手も少なくないなか、球団からの期待通りにサード・ショートを中心に出場機会を増やし、今季は73試合に出場。嬉しいプロ初本塁打も放っており、こちらも今後の飛躍に期待がかかる選手だ。


◆ ブルペンの一角に食い込んだ高橋純平

 投手では、小笠原慎之介(中日)と高橋純平(ソフトバンク)の2人が1位指名を受けた。

 夏の甲子園優勝投手であり、甲子園決勝ではチームを優勝に導く本塁打も放った小笠原はルーキーイヤーから先発の一角として期待され、プロ3年目の2018年には開幕投手も任されたほど。故障がちでシーズン通しての活躍はまだないものの、将来のエースとして大きな期待を受けている。

 高橋純平も故障がちではあったが、今季ついにその才能が開花。リリーフとして信頼を勝ち取り、45試合に登板して防御率2.65の好成績を残した。シーズン終盤は勝ちパターンの一角を勝ち取るなど、飛躍のシーズンに。この秋は来季以降の先発転向も視野に、さらなるブレイクへ向けて奮闘中だ。


 一方、セ・リーグではもうひとりの“高橋”がローテーション投手への歩みを進めている。

 龍谷大平安からヤクルトへ入団した高橋奎二は、今季20試合の先発登板の機会を与えられ、小川や石川、ブキャナンに次ぐチーム4位の95回1/3イニングを投げた。防御率5.76、4勝6敗と成績は振るわなかったが、それでも一軍で投げ続けたのは球団の期待の現れでもある。来季は結果で応えたいところだ。

 阪神の望月惇志は、2018年に中継ぎとして37試合に登板。今季は8試合(先発5試合)と一軍での登板数は減ったが、クライマックスシリーズのファイナルステージで初戦の先発を任されるなど、こちらも首脳陣からの期待は大きい。長らく投手陣を率いてきたメッセンジャーが引退したこのタイミングで、次世代エース候補としての存在感を示したい。

 その他、この秋から新フォームに挑戦中のロッテ・成田翔や、広島・高橋樹也といったところがこの世代の主な投手となる。


 2015年のドラフトで指名された高卒選手のなかで、一軍である程度の実績を残した選手となると、高橋純平くらいか。その高橋も今年が“実質1年目”で、実績と呼ぶにはまだ早いかもしれない。

 とはいえ、来季に向けて楽しみな選手が続々と出てきていることも事実。同世代の選手たちが“即戦力”としてプロの世界に入ってくるところで、プロの先輩として意地を見せることができるだろうか。再び同じステージで戦うことになったライバルたちの存在を刺激に、5年目の飛躍を期待したい。


◆ 2015年ドラフト・高卒プロ入り選手
※支配下のみ

▼ ヤクルト
2位 廣岡大志(智弁学園/内野手)
3位 高橋奎二(龍谷大平安/投手)
4位 日隈ジュリアス(高知中央/投手) ※現在は育成契約
6位 渡辺大樹(専大松戸/内野手) ※現在は外野手登録

▼ 巨人
3位 与那原大剛(普天間/ 投手) ※現在は育成契約
6位 巽 大介 (岩倉/投手) ※現在は育成契約

▼ 阪神
4位 望月惇志(横浜創学館/投手)

▼ 広島
3位 高橋樹也(花巻東/投手)
7位 青木 陸(山形中央/捕手)※2018年退団

▼ 中日
1位 小笠原慎之介(東海大相模/投手)

▼ DeNA
5位 綾部 翔(霞ヶ浦/5位) ※2019年退団
6位 青柳昴樹(大阪桐蔭/外野手) ※2019年退団

▼ ソフトバンク
1位 高橋純平(県岐阜商/投手)
2位 小沢怜史(日大三島/投手)※現在は育成契約
3位 谷川原健太(豊橋中央/捕手)
4位 茶谷健太(帝京三/投手)※入団後内野手へ、現在はロッテで育成契約
5位 黒瀬健太(初芝橋本/捕手)※現在は育成契約
6位 川瀬 晃(大分商/内野手)

▼ 日本ハム
4位 平沼翔太(敦賀気比/内野手)
8位 姫野優也(大阪偕星学園/外野手)

▼ ロッテ
1位 平沢大河(仙台育英/内野手)
3位 成田 翔(秋田商/投手)
5位 原 嵩 (専大松戸/投手)

▼ 西武
4位 愛 斗 (花咲徳栄/外野手)
9位 藤田航生(弘前工/投手)

▼ オリックス
5位 吉田 凌(東海大相模/投手)
6位 佐藤世那(仙台育英/投手)※2018年退団

▼ 楽天
1位 オコエ瑠偉(関東一/外野手)
4位 堀内謙伍(静岡/捕手)
7位 村林一輝(大塚/内野手)


※数字は2019年シーズン終了時点

このニュースに関するつぶやき

  • 綾部投手はまぁ、当然の結果かと。
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