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静岡に「タピオカ畑」の理由 「故郷の味」広めるため、キャッサバ7千本 「縁の深い国」とのつながり

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2019年11月20日 07:00  ウィズニュース

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写真タピオカの原料、キャッサバを栽培している日系ブラジル人の滝浪アデマル紀夫さん=朝日新聞
タピオカの原料、キャッサバを栽培している日系ブラジル人の滝浪アデマル紀夫さん=朝日新聞

全国的に広がるタピオカブームのタピオカ。原料は南米原産の芋の一種キャッサバです。日本ではなじみが薄いですが、実は国内でも栽培されています。特に多いのが静岡県。ブラジル出身者らの「故郷の味」として親しまれているのです。(朝日新聞静岡総局記者・和田翔太)

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そもそもタピオカとは?
静岡駅から駿府城公園にかけての繁華街では、タピオカドリンクを片手に歩く若者たちの姿が目につきます。昨秋以降、周辺にはタピオカの専門店が急増し、行列ができる風景も珍しくなくなってきました。

「ここ1年で10店舗ぐらい一気に増えた。東京より少し遅かったけど、静岡では今がブーム。全店舗制覇を目指します」と、行列に並んでいた女子大学生3人組は意気込んでいました。

タピオカとは一般的に、キャッサバの芋の部分から抽出したでんぷんのことを言います。モチモチした食感が特徴で、タピオカドリンクにはそれを粒状に丸めたものが使われています。

海外でキャッサバの病害虫対策に取り組むJICA(国際協力機構)の専門家の井芹信之さんによると、キャッサバは寒さに弱く、気温が15度を下回ると成長が止まってしまうということです。そのためナイジェリアやタイ、ブラジルなど熱帯地域で多く栽培されています。

家庭菜園でおなじみの野菜
タピオカの原料であるキャッサバを、県内でも作っている会社があると聞き、さっそく訪れました。

野菜販売会社を経営する日系ブラジル人の滝浪アデマル紀夫さん(61)は、磐田市と掛川市、袋井市でグアバやパクチーなど10種類以上の果物や野菜を15年以上前から栽培しています。中でもキャッサバの栽培には力を入れており、土地約1万平方メートルに7千本以上の木を植えています。

法務省在留外国人統計によると、静岡県内のブラジル人の数は2万9535人で、愛知県に次いで2番目です。そのため、ブラジルでは家庭菜園などでなじみの深いキャッサバを日本でも育てるブラジル人がとても多いといいます。

ハウスの中には高さ3メートルほどにもなるキャッサバの木が生い茂っており、葉っぱは八つ手のような形をしています。収穫の時期になると、土の中にたこ足のように連なって芋がつきます。木の高さは品種により異なりますが、ひざ下ぐらいにしかならないものもあれば天井窓から突き出るほど成長するものもあります。

母国の味を届けたい
滝浪さんは毎年15トン以上キャッサバを収穫し、浜松のブラジル料理店やブラジル産の食材を扱うスーパーなどに卸販売をしています。また、キャッサバの苗を全国の生産者にも届けています。

滝浪さんは「たくさんの人に食べてもらうため、キャッサバの普及に尽力したい」と話します。ブラジルでは1キロ100円を切りますが、国産は貴重であるため、1キロ800円でも注文が絶えないそうです。

キャッサバそのものを食材に使っている浜松市内のブラジル料理店を訪ねました。東区の郊外に立つ「トラジソン ミネイラ」。母国の味を県内に住むブラジル人たちに届けようと、白瀬ジョジアニー店長(45)が5月にオープンさせました。

ブラジルでは家庭菜園などでもキャッサバが植えられ、日常的に食べられているといいます。料理の種類は豊富で、代表的なものとして芋を揚げて食べるキャッサバフライがあります。実際に食べてみると、ジャガイモのフライに比べるとコリコリと歯ごたえがあります。そのほかのタピオカ料理も人気です。タピオカの粉をフライパンに入れてパンケーキのように焼き、コンデンスミルクやバナナなど好みのトッピングを加えたものを、朝食やおやつなどに食べます。

南米を思い浮かべながら……
国内ではキャッサバの生産が少ないため、国も県も生産量の統計は出していませんが、実は沖縄や鹿児島、群馬などでも栽培されています。

ただし、ブームとなったタピオカドリンクの原料にはなっていないようです。

キャッサバ生産に取り組む合同会社「あまみ徳之島絆ファーム」(鹿児島県徳之島町)によると、国内で使用されているタピオカは、キャッサバを大量に生産し、加工用の機械もそろった台湾などの外国産のものがはるかに多くを占めるといいます。キャッサバをタピオカにするのは手間がかかり、国内で作るのは割に合わないためです。

浜松市にはかつてキャッサバを栽培し、タピオカにして販売している企業もありましたが、費用面などから今はやっていないということです。滝浪さんもタピオカへの加工はやっていません。

一方、キャッサバ自体の需要は大きく、静岡県内では県西部で栽培が広がっていて、ブラジル人が多い浜松市などが消費地となっています。

キャッサバ料理に力を入れる白瀬ジョジアニーさんの店にはブラジル人Jリーガーらも来店するといいます。ジョジアニーさんは「来店すれば、いつでもブラジルに帰ってきたような気持ちになれるように作っています」と、今日も笑顔で客を迎えます。

一躍、令和の人気アイテムになったタピオカ。日本とも縁の深い南米とのつながりを思い浮かべながら楽しむと、また違ったおいしさが味わえるかもしれません。

このニュースに関するつぶやき

  • 「マンディオカ」 恩師が磯永吉賞受賞してます。
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  • 磐田とかにキャッサバ育てている人がいるとはしらなかった。そういえばブラジルの方はステーキ肉に粉かけたり、ポンデケージョに使ったりするもんね。
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