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沢尻エリカ、多種類の違法薬物を“使い分け”る重度の依存症か…それでも女優復帰を許すべき

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2019年11月21日 19:21  Business Journal

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 合成麻薬MDMAの所持容疑で逮捕された女優の沢尻エリカ容疑者が、10年以上前からコカインや大麻、LSDなど、さまざまな違法薬物を使用していたと供述しているという。


 コカインは中枢神経興奮薬、大麻は中枢神経抑制薬、LSDとMDMAは幻覚薬に分類される。尿鑑定の結果は陰性だったが、本人の供述を信用すれば、「アッパー系ドラッグ」であるコカインで脳を興奮させながら、「ダウナー系ドラッグ」である大麻で脳を抑制していたわけで、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものだ。そのうえ、ときどき「サイケ系ドラッグ」であるLSDとMDMAで幻覚を体験していたのだとすれば、重度の薬物依存症ではないかと心配になる。


 男勝りで気が強い女性というイメージが定着していた沢尻容疑者は、NHKの大河ドラマに出演するほど女優の仕事が順調だったにもかかわらず、なぜ長年にわたり違法薬物を使用し続けていたのか?


 次の2つの要因があるように見受けられる。


1)ストレスとプレッシャー


2)本人の性格


 まず、2007年に「別に」発言で猛烈なバッシングを浴び、その後干されていた頃は、相当なストレスがあったはずだ。当時まだ20歳そこそこの女の子がボコボコにたたかれ、芸能活動休止に追い込まれたのだから。もう二度と女優として復帰できないのではないかという不安にさいなまれたことも、落ち込んで抑うつ状態になったこともあるかもしれない。もちろん、孤独だったにちがいない。


 そこから這い上がって、2012年に映画『ヘルタースケルター』で復活したわけだが、そのときも相当なプレッシャーがかかっていたのではないか。これでダメだったら、後はないというギリギリのところまで追い込まれていた可能性が高い。そのプレッシャーをはねのけて主役を見事に演じたからこそ、映画はヒットしたのだろうが、沢尻容疑者が感じていたプレッシャーがいかに強かったかは容易に想像がつく。


 女優として復活してからは順調に実績を積み重ね、大河ドラマに出演するほどになったが、その間も、せっかく築き上げた自分のポジションを失うのではないかとか、人気が落ちるのではないかという喪失不安にさいなまれたかもしれない。


 芸能人であれば誰でも多かれ少なかれこうしたストレスとプレッシャーにさらされ、喪失不安にさいなまれるのだろうが、彼女の場合、「エリカ様」と呼ばれ、気の強いイメージを維持し続けたことが、それに拍車をかけたように見える。



 沢尻容疑者の母親が「あの子、自分の弱みは親にだって絶対見せないんです」と証言している(「週刊文春」2012年5月31日号/文藝春秋)。また、「周囲のスタッフにも相談できない」という関係者の証言もある。


 薬物依存症の患者を数多く診察してきて、弱音を吐けない人や助けを求めるのが苦手な人が多いという印象を私は抱いている。他人に弱音を吐けず、助けも求められないと、1人で抱え込みやすく、結局薬物に逃げるしかなくなるのだと思う。


 沢尻容疑者も、こうした性格がわざわいして、薬物に助けを求めたのではないか。落ち込んで不安にさいなまれたときには、ハイにしてくれ、多幸感と自己万能感を与えてくれるコカインに頼り、プレッシャーに押しつぶされそうなときには、緊張感を和らげてくれる大麻に頼りながら。


本人の「病識」と覚悟が不可欠

 このように、沢尻容疑者は違法薬物をそのときどきで使い分けていたと考えられるが、今回の逮捕をきっかけに、違法薬物を断つことができるのだろうか?


 精神科医としての長年の臨床経験から申し上げると、本人が薬物依存症であるという自覚、つまり「病識」を持ち、やめなければならないという覚悟を決めて治療を受けるしかない。


 沢尻容疑者は、かつて周囲から「大麻をやめられないのか。このままではまずい」と問われて、「やめられない。これが私のライフスタイル」と答えたそうだが(同誌)、こんな姿勢では違法薬物をやめるのは到底無理だろう。


 やはり「病識」と覚悟を持って治療プログラムを受けるべきだが、家族をはじめとする周囲のサポートも欠かせない。また、薬物の供給源になっている交友関係を断ち切らなければならない。クラブで踊り明かすことが、ストレスを発散し、プレッシャーをはねのける手段になっているのはわかるが、クラブでの交友関係が薬物の供給源になっているのなら、クラブ遊びをきっぱりとやめるべきだ。



 随分厳しいことばかり言ってきたが、最後に申し上げたいのは、沢尻容疑者を芸能界から追放したら、薬物にのめり込む危険性が一層高まるということだ。天職ともいうべき女優の仕事を奪われ、過去の作品も抹殺されたら、彼女は何をよすがに生きていけばいいのか?


 そうなれば、また薬物に手を出す可能性が高い。不安や孤独感、抑うつ気分や鬱屈した気持ちを薬物が改善してくれた体験をした人は、同じようなつらい状況に陥ると、また薬物の助けを借りようとする。


 だから、甘いと批判されるかもしれないが、彼女が麻薬取締法違反(所持)容疑で起訴されても、その後違法薬物をやめられたら、もう一度チャンスを与えるべきだと思う。尿鑑定でシロだったことで、違法薬物の使用の罪については立件が困難になりそうなので、沢尻容疑者が、テレビは無理でも、舞台もしくは映画で女優として復活する日がくることを個人的には願う。そのほうが再犯の可能性が低いと考えるからである。


(文=片田珠美/精神科医)


【参考文献】


片田珠美『やめたくてもやめられない人―ちょっとずつ依存の時代』PHP文庫 2016年


松本俊彦『薬物依存症』ちくま新書 2018年


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  • >「やめられない。これが私のライフスタイル」 覚せい剤中毒患者のような派手な禁断症状はない代わりに大麻常習者の無気力な脱力症状は周囲が見てもすぐわかる
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