中田英寿、イチロー……“メディア嫌い”のスポーツレジェンド、なぜ続々YouTubeデビュー?

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2019年11月22日 07:31  リアルサウンド

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動画サムネイルより

 元サッカー日本代表のエース・中田英寿、メジャーリーグを席巻したイチローと、スポーツ界のレジェンドが立て続けにYouTubeに登場し、話題を呼んでいる。


(参考:新庄剛志、高木豊、井端弘和……なぜ、プロ野球OBが続々“YouTuber”デビュー?


 中田とイチローは現役時代、どちらもマスメディアでの発言に慎重で、日々向けられるカメラの前で寡黙を貫いてきた節がある。「孤高の求道者」というイメージもある二人が、YouTubeという比較的自由なプラットフォームの上で、生き生きと自分語りをしているのが印象的だ。


 中田はこの11月から、公式チャンネル「Hidetoshi Nakata Official」に動画投稿を開始。11月22日現在、アーカイブはまだ4本だが、その内容は驚くほど濃い。


 「中田英寿『20年目の旅』」と銘打たれた同コンテンツは、中田が現役時代に渡り歩いたイタリアの5クラブ5都市を巡る旅をするというもの。その中で、スポーツライターの金子達仁氏がインタビューをしているのだが、「ペルージャへ行くときに、イギリス、スペイン、フランスのクラブからもオファーがあった」「(ASローマ時代)何が難しいって、トッティの言葉がわかりづらい。本っ当にわかりづらい!(笑)」(※トッティは生粋のローマっ子でローマ方言が激しい)など、当時のサッカーファンが思わず聞き入ってしまうような秘話を次々と披露しているのだ。


 この動画、1本1本がまるで地上波の紀行ドキュメンタリーのようによく作り込まれている。「イタリア5都市」を巡るということなので、これからパルマ、ボローニャ、フィオレンティーナと「旅」が続くのは間違いなく、今後どんなエピソードが語られるのか注目だ。


 一方のイチローだが、こちらはブランドパートナーを務めるSMBC日興証券の公式チャンネルへの出演となっている。


 その内容は、中田動画に負けず劣らず面白い。「人生100年 イチロー人生すごろく」と題された動画の中で、イチローはサイコロトークを展開。「僕、本が漫画でも読めないんですよ。パラパラめくっていくのが苦手で……」「高校時代とにかく集団行動が苦手で、修学旅行に行きたくなかったので、野球を頑張っていました」など、ぶっちゃけ話を惜しげもなく披露している。ひざを崩し、楽し気に談笑する姿は、オリックス後期〜メジャーリーガー時代に見せていたクールなイメージとは正反対の、“隣のあんちゃん”的親しみやすさがあるのも印象的だ。


 中田・イチローのような引退後のレジェンドに限らず、最近では、現シカゴ・カブスのダルビッシュ有が連日のように動画を投稿したり、また、現フィテッセの本田圭佑が元大阪府知事・橋下徹氏との対談動画をはじめ多数の動画を高頻度でアップしたりと、現役のスター選手もYouTubeで積極的に発信する事例が目立っている。


 忖度も制限もなく、自由に自分の思いを乗せやすく、さらに多くの人に届きやすいYouTubeというプラットフォームだからこそ、メディアと距離を取ってきたアスリートたちの新たな表現の場になっているのだろう。今後も、驚くようなレジェンド選手、あるいは現役選手の動画がある日突然YouTube上で公開され、今まで秘密のベールに包まれた素顔が明らかになっていくということは頻発していくのかもしれない。それにしても、こんな豪華コンテンツが無料で見られるとは、スポーツファンからするといい時代になったものだ。


(こじへい)


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