画像提供:マイナビニュース ●ひとつの曲のなかで成長を表現できたら
6thシングル「Share the light」をリリースした声優ユニットのRun Girls, Run!。「Share the light」は現在放送中TVアニメ『アサシンズプライド』の主題歌。同時に収録されている「キラリスト・ジュエリスト」はメンバーがメインキャストを務める作品『キラッとプリ☆チャン』の主題歌となっている。
今回はRun Girls, Run!の3人に、楽曲についてや今後の方向性、そして地元トークなどで盛り上がってもらった。
○●子どものころの憧れは?
――「Share the light」は現在放送中のTVアニメ『アサシンズプライド』の主題歌として放送されていますね。
林 「Share the light」は面白い曲だなと思いました。1曲のなかでいろいろな展開をするんですよ。最初は切なくしっとりして、急に明るくなったと思ったら、間奏でピアノとクラップの音も入る。実際に歌ってみると、サビなどで裏でリズムを取るところがあって難しかったです。表現も難しいですけど、作品のヒロインであるメリダちゃんの気持ちに寄り添うようにしたらサクサク歌えました。
森嶋 聴けば聴くほどクセになる感じだよね。これまでのRun Girls, Run!にはない楽曲なので、ライブでもスパイスになるんじゃないかな。お客さんの反応だったり、ライブでの映え方だったりね。歌えば歌うほど、一緒に成長できるような、これからが楽しみな楽曲です。レコーディングでも苦戦したので、たくさん歌って磨いていかないと。
厚木 気持ちよく歌えて楽しかったけど、リズムを取るのが得意じゃないので、そこは難しかったです。歌詞にもストーリー性があって、はじめは何かを見つけられるのか、という不安が大きいので、儚げなニュアンスを出しました。最後の方は守りたいものの戦うという力強さがあったので、ひとつの歌のなかで成長を表現できたらいいなと思って歌っていきました。
――一方「キラリスト・ジュエリスト」は『キラッとプリ☆チャン』の新主題歌となりました。
林 王道なアイドルっぽい楽曲ですよね。Run Girls, Run!って、あまり掛け声が入った楽曲ってないんですよ。"pa・pa・pa・ya・pa"という掛け声はキャラソンっぽくもあって、歌うのが楽しみになりました。
森嶋 そうそう。子どもたちが言いたくなるんだろうなってフレーズが散りばめられているよね。乙女チックな楽曲だなと思いました。"赤いリップグロス"とか、背伸びした女の子が憧れるような歌詞ですよね。
厚木 これまでの『プリ☆チャン』のなかでもずば抜けてかわいい曲ですよね。小さいころに観ていたTVアニメのOPっていまでも覚えているんですけど、そういう風にみんなに覚えてもらえる楽曲になるんじゃないかなって。あと"ずっと まっすぐ進んで てっぺん みえなくなって ちょっと 不安になって でもね 怖くなかった"という歌詞があるんですけど、「不安になった」というマイナスな感情が直接的に入っていて、物語が進んできた分、みんなの葛藤もあるんだなって思いました。
――小さいころは大人や、大人の持ち物に憧れることもありますよね。みなさんもそういう経験ってありますか?
林 あります!!
森嶋 私が印象に残っているのはヒールの靴かな。私の足のサイズって21.5で小さいんですけど。
林 ちっちゃい!
森嶋 幼稚園のころも小さかったの。年中〜年長くらいの子が履けるパンプスっぽい靴があったんだけど、足のサイズが小さすぎて履けなかったのね。だからお母さんのパンプスを履いたの。ぶかぶかだったんだけど。
厚木 え〜かわいい〜。
森嶋 そのあと、やっと履けるパンプスを見つけたんです。猫の柄が入っているやつ。その一足はいまでも覚えています
林 プリンセスになったら歌をうたえると思っていたから、私は小さいころの夢がプリンセスになることだったんです。特に『リトル・マーメイド』のアリエルが大好きだったの。アリエルの白いウェディングドレスとか白雪姫とかシンデレラのドレスを着て、友だちと一緒におままごとをしていました。
厚木 私はコスメが欲しかった。小さい子用の、口に入れても大丈夫なコスメを「買って買って〜!」って親にお願いして買ってもらいました。大人になった気分でお化粧をして楽しんでいました。
――そうやって小さいときに憧れていたときのように、いまみなさんが子どもたちの憧れになっているんだろうなあって。
林 たしかに。イベントで子どもたちがキャラクターの衣装を着てくれているときがあるんですよ。そういうときに私が演じている(桃山)みらいの格好をしてくれている子もして、すごくうれしくなります。ステージ上から見ていて、ウルッてなっちゃう。
○●待望の「季節シリーズ」
――そして、カップリング曲は「スノウ・グライダー」。「サクラジェラート」、「秋いろツイード」に続いて、只野菜摘さんが作詞、MONACAの石濱翔さんが作曲を手掛けている「カップリングの季節楽曲」ですね。
厚木 曲名を見た瞬間に「待ってました! 季節シリーズきた!」って。実際に聴いてみると、これまでで一番切なくてつらい歌詞でした。これまでのストーリーを追っていくと、キラキラしたものに憧れて、背伸びをして、でも素直になれなかった、その結果がこれなんだと思うと、つらいなあって。レコーディングのときも涙が出てくるくらい切なくなってしまいました。
林 私もなんて切ない歌詞なんだとびっくりしました。「サクラジェラート」、「秋いろツイード」も含めてひとつのお話みたいにつながっているストーリー性にも感動しました。自分たちが歌って、物語を追っているからこそ感情移入しちゃって、ウルウルしながらレコーディングをしていました。特に2番のサビの"おこりたくて 言葉にしたくて だけどそれじゃ きらわれてしまう"という歌詞。なんて乙女なんだ! って。
厚木 そこ、切ないよね。
林 この2行だけで乙女心を表していて、改めて只野さんはすごいなと思いました。でも、そんな切ない歌詞だけどメロディはテクノポップっぽくなっていて、明るくかわいくしてくれているんです。レコーディングのとき、石濱さんからは「歌が上手になりましたね」って言われて、感情が乗ったおかげかなと。母親にも聴かせたんですけど、私がソロで歌っているところを「これあなたが歌っているの?」って。それくらい私の表現も広がったのかなと思います。
森嶋 歌詞のことば数も多くないんですけど、その少ないことばのなかに切なやさもどかしさが詰まっているんです。最初に楽曲をいただいたときも、歌詞を熟読してしまうくらい心にグッときました。そのおかげかレコーディングはスムーズにできて、出来上がりを聴いて感動しました。
――ここで気になるのは残った夏ですね……。
厚木 気になりすぎる!
森嶋 ね〜。
林 どうなるのかなあ。
厚木 今回の「スノウ・グライダー」の最後の歌詞が"もういいの"で終わっちゃっているからね。
林 でも、これは強がりの"もういいの"だよね。だからこそ切ない。「良くないでしょ!」って。夏はどうなるんだろう。
――過去の話になるかも?
林 思い出! 夏ってノスタルジックなイメージもあるし……。
厚木 無理に季節シリーズを作っていくものではないんだけどね。
林 ね、考察しちゃう。
●Run Girls, Run!の可能性を
○●MVで恒例なこととは
――さて、楽曲の次は今回の衣装についてもお聞きしたいですね。
厚木 楽曲の衣装としては初の長袖なんですよ。
林 生地もすごいよね、メッシュというか、不思議。アサシンっぽい。
厚木 個人的に好きなのがフードがついているところ!
林 わかる〜!
厚木 MVでは活躍しなかったんですけど、このフードがあることによって『アサシンズプライド』の世界観にグッと近くなった気がします。キャラクターも深めのフードを被っていることが多いので。
林 あと、魔法使いっぽくもあって、テンションが上がりました。『ハリーポッター』とか魔法ものが好きなんですよ。胸のベルトも格好良いし。
厚木 それと、パンツも久しぶりだね。衣装にガーターがつくことになるとはなあ。大人っぽくなりました。
――MVも教会での撮影で。
林 これまでのMV撮影では先にイメージカットを撮影してから、最後にダンスシーンの撮影だったんですけど、今回は朝から踊りました。朝の澄んだ空気のなかで踊ったので、いつも以上に集中できました。ステンドグラスに陽の光が差し込んでいるのがきれいだったなあ。
森嶋 影を使った演出とか、すごい凝っていたよね。
厚木 うんうん。世界観の表現がすごかった。アサシン感あった。
●「Share the light」MV
林 夜っぽいシーンとかね。私のソロカットは昼間に撮影しているのに、夜みたいに見えるんですよ。闇夜に紛れているみたいな。
森嶋 林の中の林……。
林 そう! これはスタッフさんがわざとやっているのかわからないんですけど、私はなぜか林のなかでの撮影が多いんです。
林 「スライドライド」のときも絵コンテに「林の中に佇む林」とか「林の中を走る林」とか。必ずあるんですよ、林にいるカットが。
●「スライドライド」MV
――そういう恒例なのはみなさんあるんですか?
厚木 私は「見る」ことが多いですね。「地図を見る厚木」とか。今回のMVでもコンパスを見ています。
森嶋 私はなんだろう……。
厚木 手タレ?
林 そうだ! 手タレ!
――手……?
森嶋 そうそう。「ダイヤモンドスマイル」のときはミキサーのボタンをポチッと押すシーンがあって。「キラッとスタート」も最初にスマホの画面を押すシーンからスタートして。
●「ダイヤモンドスマイル」MV
●「キラッとスタート」MV
林 「Share the light」も最初の手のカットがそうだよね。「そこ手元誰か。森嶋さんで」って。
森嶋 手タレです! 手の人です!
○●京都といえば?
――8月に開催された結成2周年ライブ「Run Girls, Run! 2nd Anniversary LIVE 1.2.3ジャンプ!!!」は盛り上がりましたね。単独のライブとしては、昨年10〜11月に行われた1stツアーぶり。
林 とにかく緊張しました。
厚木 ガチガチだったね。
林 うん。みんなマネージャーさんから「亀みたいになってる(笑)」って言われてた。単独ライブは久しぶりだったんですけど、ステージに上ったらみなさん温かく迎えてくれて……「スライドライド」なんて歓声がすごくて冒頭のオケが聞こえないくらいだったんです。感動しました。
森嶋 お客さんの力に助けられたよね。
厚木 不安も大きかったけど、ライブって楽しいと改めて思いました。
――11月には追加公演も開催されて、森嶋さんにとっては凱旋ライブでしたね。
森嶋 こんなに早く凱旋が実現するとは思っていなかったので、発表されたときは超絶サプライズでした。京都には20数年住んでいて、本当に大好きなんですよ。大学も大阪に行くことも東京に出ることもできたんですけど、京都で大学生活を終えたかったんです。京都の女子大生ってかわいくない?
林 かわいい! 正直、めっちゃ憧れる!
森嶋 ねー、そういった想いもあったので、今回Run Girls, Run!としての歴史を刻める、思い出を作れるのはうれしいです。
林 ライブが好きなので追加公演でライブができるっていうだけでありがたいんですけど、その中でもRun Girls, Run!としては初となる京都。私は修学旅行くらいでしかまともに行ったことがないので。
厚木 私もそうかも〜。
――林さんと厚木さんはあまり馴染みがないとのことで、森嶋さんに京都の良さをプレゼンしてほしいです。
森嶋 ふたりには前から言っているんですけど、ビッグなパフェを食べに行きたくて。
林 ラジオで言っていたやつだ。
――からふね屋珈琲ですね。
森嶋 それをご褒美として3人で食べたい。あとは京都らしいものを食べたいと思っているけど、何が京都らしいんだろう。
林 修学旅行のときに行けなかった湯葉のオムライスのお店が気になる〜。
森嶋 実は湯葉とか京野菜ってお店で食べたことがないの。いつも家で食べているから、これが京都の名物ってわからなくて。
――もしかして湯葉用のお鍋もあるんですか?
森嶋 ありますあります!
林 家庭の味だー! 京都ってそれが日常なんだね。私、お寺とか神社をめぐるのも好きなの。特に鈴虫寺が好き。小さいころに親と行ったことがあるんだけど、その直後に仕事が決まったことがあるんです。修学旅行のときはRun Girls, Run!の活動が決まりかけていたくらいだったので、「うまくいきますように」ってお願いしたんです。そうしたら、タイアップや主役のお話も決まって。
森嶋 鈴虫寺すごいよね。
厚木 お礼参りに行かなきゃ!
――地元トークは盛り上がりますね。
林 それぞれの地元でやりたいよね。
森嶋 いこいこ、うなぎいこう!
※編集部注:林さんの出身地は静岡県浜松市
厚木 たべたーい! 大好き!
林 いいね、しらす丼とかも美味しいよ。
○●3年目のRun Girls, Run!は
――7月から9月にかけて初の冠番組『Run Girls, Run!のらんがばん!』がTOKYO MXで放送されていましたね。初のバラエティ番組はいかがでした?
林 収録は毎回……正直きつかったです。バラエティってやったことがなかったので。誰がボケてツッコむのか、改めてRun Girls, Run!一人ひとりの立ち位置を考えさせられました。特にテレビだとラジオと違って、体も使ってリアクションをしなくてはいけないし、どんな風に見られているんだろうと考えないといけないですし。
森嶋 明確に「ここでボケてください」って指示があるんですよ。「森嶋さん、わかりますよね?」みたいな。ラジオにも台本はあるんですけど、そういった指示はないので、苦労しました。
厚木 あと、編集点を作るのが難しかった―。
林 オチもなくずっと話しちゃうみたいなね。
厚木 変にまとめようとすると「そこはオチつくらなくていいですよ」と言われることもあって。
森嶋 あったー。「まとめなくていいですよー」って。
林 「わからない!」って思うことも多かったですけど、めちゃくちゃ勉強になりました。
――またやってみたいですか?
林 はい! あんなに貴重な機会はないですし、地上波ってすごいんだなあって。東京に旅行に来ていた友だちから、「いまテレビ出てた?」みたいな連絡がきて、影響力がすごいなって。
森嶋 あるある。「観たよ」、「録画したよ」って。私って生きているんだなって実感した。存在を認められた感があった。
厚木 私も友だちが観てくれていて。「今週も生きているな」って生存確認されていました(笑)。
――今後、3年目以降のRun Girls, Run!はどうなっていくんでしょうか。目標などはありますか?
林 『らんがばん!』などもあって、パーソナルな部分も見せられていると思うので、3年目は個人の強みを磨いていきたいですね。そして3人集まったら無敵のグループになる。私たちの魅力は声優もアーティストもやっていることなので、楽曲を大切に、ライブを通して作品や楽曲の良さを広めて、その架け橋になれたらいいですね。あとは、ワンマンライブをもっとできたらいいですね。ツアーもまたやりたいです!
厚木 いろいろな楽曲をいただいて、新しい私たちがどんどん出てきていると思います。今回も3曲とも違う側面があるんだなって知っていただけると思うので、もっとRun Girls, Run!の魅力を伝えていきたいですね。どんどん上に駆け上がっていくので、Run Girls, Run!の可能性を感じていただけたらと思います。
森嶋 いろんな方面から私たちのことを好きになってほしいよね。楽曲から知った人は『らんがばん!』やラジオからパーソナルなところを好き人ってもらいたいし、バラエティ番組やTVアニメから知った人は楽曲も聴いてもらいたい。どの私たちでも楽しんでもらえるように、面白さと元気を届けられるようにありたいですね。
○●Run Girls, Run!6thシングル「Share the light」
CD+Blu-ray
価格:2,310円(税込)
CD only
価格:1,650円(税込)
・CD収録内容
M1.Share the light
M2.キラリスト・ジュエリスト
M3.スノウ・グライダー
M4.Share the light(Instrumental)
M5.キラリスト・ジュエリスト(Instrumental)
M6.スノウ・グライダー(Instrumental)
・BD収録内容
Share the light ミュージックビデオ(加藤大樹)