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日韓GSOMIA破棄延期 なぜ両国で言い分が食い違うのか?

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2019年12月05日 10:00  AERA dot.

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写真ソウル・明洞エリア(左)と東京・渋谷のセンター街。一枚につなげると、看板のハングルがなければ違いが分からないほど、行き交う人々の様子も街の雰囲気も似ている[撮影/小山幸佑、崔承●(●字は「壽」の下に「れっか(部首)」)]
ソウル・明洞エリア(左)と東京・渋谷のセンター街。一枚につなげると、看板のハングルがなければ違いが分からないほど、行き交う人々の様子も街の雰囲気も似ている[撮影/小山幸佑、崔承●(●字は「壽」の下に「れっか(部首)」)]
 ギリギリで失効が回避された日韓のGSOMIA。だが、両国で主張が食い違い、かえって不信感が強まってしまった。双方の言い分は、なぜ噛み合わないのか。AERA 2019年12月9日号では、日韓と米国との関係を踏まえながら解説する。

【驚くほど同じに見える? 日本と韓国の街並みを写真で比較した】

*  *  *
 日本も韓国も、望んだ延長ではなかったのだろう。

 土壇場でとりあえずの延長が決まった日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)。一件落着かと思いきや、すぐさま日本と韓国双方が相手を罵(ののし)り始めた。

 韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長は11月24日の記者会見で「韓日合意の発表前後の日本側のいくつかの行動に、深い遺憾の意を示さざるを得ない」とかみついた。韓国政府当局者も、「日本は譲っていない」という安倍首相の発言について「良心に従った言葉なのか」と激しく非難した。

 韓国が怒ったのは、「GSOMIAの破棄通告を停止したのは、日本が輸出管理規制措置を巡る協議に応じ、措置を撤回する動きを示し始めたから」(韓国政府関係者)という論理を、日本側が否定したからだ。

 鄭室長は記者会見の際、日本側が事実と異なる発表をしたことに抗議し、謝罪も受けたと説明した。これについても菅義偉官房長官が25日の記者会見で「政府として謝罪した事実はない」と否定した。

 双方の言い分は、なぜ食い違うのか。それは、日韓ともに、米国の圧力を受けて無理やり握手した結果だったからだろう。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は「日本が輸出管理規制措置を撤回すれば、GSOMIA延長を検討できる」と言い続けてきた。ところが、安倍政権は「輸出措置は日韓GSOMIAとは無関係」「GSOMIAが失効しても、日本には不利益にならない」と切り捨ててきた。日本政府内には「GSOMIAが失効しても、同じ文面を使えば、再締結はすぐできる。韓国の次の政権が登場するまで待っていれば良い」という声も出ていた。

 韓国も、8月にGSOMIA破棄を通告した背景には、米韓同盟に頼りすぎない外交を進めたいとする進歩(革新)勢力の戦略があった。

 実際、韓国外交安保政策の実質的な統括者とされる韓国大統領府、金鉉宗(キムヒョンジョン)国家安保室第2次長が11月18日から20日まで訪米するまでは、「日本が輸出管理規制措置を撤回ないし、撤回を確約しないのなら、GSOMIAを破棄する」という既存の方針は揺らいでいなかった。

 すでにこの時点で、米国務省や国防総省などは韓国側に対して「日韓GSOMIAの破棄は北東アジアの安全保障に深刻な影響を及ぼす」という強いメッセージを繰り返し送ってはいた。

 ただ、在韓米軍駐留費の韓国分担金には強い関心を示すトランプ米大統領は、安全保障には全く関心を示していなかった。金氏が言いたかったのは、「トランプ氏が怒らなければ、GSOMIAを破棄しても問題ない」という論理だった。

 だが、訪米した金氏に対し、ポッティンジャー米大統領副補佐官(国家安全保障担当)は「日韓関係とGSOMIAは別問題だ。GSOMIAはぜひ延長してほしい」と伝えた。ホワイトハウスが国務省や国防総省の意見を最終的に支持した瞬間、韓国は従来の原則を曲げざるを得なくなった。

「輸出管理規制措置の撤回の確約」という明確な表現を盛り込めないまま、韓国はGSOMIA失効通告の一時停止という道を選ぶことになった。

 一方、韓国の姿勢の軟化を受けても、日本側の態度は硬かった。22日、日韓合意案の根回しを受けた自民党関係者らは「韓国が勝手に振り上げた拳を下ろすだけの話ではないか」と指摘するなど、冷たい空気が充満していた。

 結局、十分な時間もないまま、GSOMIAの失効通告の停止が決まった。お互いの不信感がより強まっただけに、残る懸案である輸出管理規制措置と徴用工判決問題の解決は、さらに難しくなったといえそうだ。

 日韓外相は23日の会談で、12月に中国で開かれる日中韓首脳会談の際、安倍首相と文大統領との首脳会談を推進する方針を確認したが、逆に重い荷物を背負ったと言えるだろう。(朝日新聞編集委員・牧野愛博)

※AERA 2019年12月9日号

このニュースに関するつぶやき

  • 韓国も阿呆が国を危うくするhttps://ameblo.jp/sennenryuuou/entry-12554318360.html
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  • 韓国が自国に都合よく報道しているのです。悪いのは日本だと。
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