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田村優が学生SOに助言「自分ならトップリーグの下位チームを選ぶ」

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2019年12月07日 06:42  webスポルティーバ

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 日本代表が史上初めてベスト8に入る快挙を成し遂げた、ラグビーワールドカップから1カ月あまり。代表選手たちはテレビに出たり、雑誌の表紙を飾ったり、さらには日本代表のスローガン「ONE TEAM」が流行語大賞を受賞するなど、その余韻はまだ続いている。

 そんななか、来年1月12日に開幕するトップリーグに向けて、ワールドカップに出場した代表選手も12月になってチームに合流してきた。日本代表の絶対的司令塔として君臨し、51得点を挙げて得点ランキングで4位に入ったSO(スタンドオフ)田村優も、所属するキヤノンイーグルスの練習に参加した。

 2015年大会に続いて2回目のワールドカップ出場となった2019年大会を終えて、田村は今、どんな心境でいるのだろうか――。

「ワールドカップでベスト8に入って人生が変わったか?」と聞くと、「周りがどうなろうと、これまで生きてきた30年と、僕自身は何も変わっていない」と彼らしい答えが返ってきた。そして、ワールドカップという舞台については、「人生で最高の瞬間であることに間違いない。特別です。最高になるか、最悪になるかは自分で決められる場所だったので、最高の場所にできてよかった」と言葉を続けた。

 普段の田村は大舞台でプレーしていても、ほとんど緊張しない。しかし、ワールドカップ初戦のロシア代表戦は「今までの人生で一番、緊張した試合」で、前日の夜もあまり寝つけなかったという。

「2015年大会で3勝したので、そこが最低ライン。(今回の予選プールは)4連勝しかないと考えていた。ロシア代表は格下なので、勝ち点5は取らないといけない。(開幕戦で)ミスったら、今後ラグビーが注目されることは一生ないな……というプレッシャーを感じていた」

 ロシア代表戦の田村は、あまりいいパフォーマンスを発揮できなかった。次のアイルランド代表戦に向けての1週間、田村は同期のキャプテンFL(フランカー)リーチ マイケルと一緒にコーヒーをよく飲みに行ったという。

「僕も(リーチも)ロシア代表戦で調子が悪く、リーチは先発やキャプテンから外されたりした。その時はお互い触れあう時間を多くして、『100%全開の俺たちがいないと(アイルランド代表には)勝てない』とふたりで話し合った」

 アイルランド代表戦、田村は堂々としたパフォーマンスを発揮し、リーチも前半30分からの出場で力強いプレーを見せた。その結果、世界ランキング2位(当時)の強豪に勝利した「エコパの歓喜」につながった。この金星が日本中にラグビーブームをもたらす、大きなきっかけになったのは間違いない。

 続くサモア代表とスコットランド代表も撃破した日本代表は史上初のベスト8進出を果たし、決勝トーナメント1回戦で南アフリカ代表と対戦。前半こそ3−5で折り返したものの、後半は地力の差を見せつけられて3−26で敗れた。

「このチームが大好きなので、負けたことよりも、終わった悲しさのほうが大きかった」

 明治大を卒業した2011年度、田村はルーキーながらNECグリーンロケッツの10番としてチームを日本選手権ベスト4に導き、2012年4月にエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ/現イングランド代表HC)が日本代表の指揮官に就任すると同時に代表入りを果たした。それから足掛け8年、田村は日本代表チームにコミットし続けてきた。

「2012年に代表入りしましたが、2019年にワールドカップ日本開催が決まっていたので、そこまではやると決めていた」

 そうして田村が積み重ねたキャップ数は、実に63を誇る。

「W杯ベスト8という大枠の目標を作り、その次は1年で目標を立てて、それを半年、1カ月、1週間、1日と、ちょっとずつ目標をクリアしていく。大きなステップアップはなくて、結局、面倒なことをやって積み重ねていくしかない」

 目標を達成するべく、田村は長い年月をかけて邁進し続けた。

 南アフリカ代表との試合を終えたあと、田村は代表引退を示唆するかのような発言をした。

「(ジェイミー・ジャパンは過去の日本代表チームのなかで)史上最強・最高のチームであることは間違いない。8年間、日本代表に関わらせていただいた僕が、入ったときよりもいい状態で終われた。次へのバトン渡しは完了しました」

 しかし、大会終了後に「日本代表で今後もプレーするのか?」と聞かれると、田村は「ノーコメントでお願いします」と語っている。「日本代表は生半可な状態で行くものではない。自分が100%の状態で、なおかつ求められている状態じゃないと、無理だと思う。僕に決める権限はない」。

 その一方で、ジェイミー・ジョセフHCの続投が決まった今後の日本代表のSOに関しては、「外国人選手になる可能性が高いのでは?」という私見を述べた。その意図は、「トップリーグチームは勝たないといけないので、海外から外国人選手を連れてくる。だから、日本人の若いSOが育っている感じがあまりない。埋もれちゃっているので、かわいそう」と答えた。

 さらには、現在大学生のSOに対し、このようなアドバイスも送った。

「僕はたまたま当時のNECにSOがいなくて、辛抱強く使ってもらった結果、ジャパンに選ばれたのでラッキーだった。僕が今、大学生だったら、トップリーグの一番下の出られそうなチームを選んで経験を積みます。やっぱり試合に出ないと(代表に)目をつけられない」

 今後はまず、1月12日から始まるトップリーグに全力を注ぐ。今シーズンからベテランSH(スクラフハーム)田中史朗も加入し、日本代表のハーフ団がキヤノンを引っ張る形だ。

「ここから3年が、絶好調の年齢になると思います。僕はまだ、ラグビー人生で日本一を手に入れていないので、絶対に(日本一のタイトルを)取りたい!」

 そして、ワールドカップの影響でラグビーファンになった子どもたちに向けて、田村はこう語る。

「僕はラグビーが好きでやっています。スポーツはやっぱり、楽しむことが最初。(トップリーグはラグビーを)始めるきっかけにはもってこいなので、ぜひ、僕とフミさん(田中)を見に来てほしい!」

 田村の夢は尽きない。

「これからまた、新しいチャレンジもするつもり。好きなところで、気の向くままに、好きなところで大好きなラグビーをしたい」

 どうやら、日本以外でプレーする意向も持っているようだ。

「ラグビーは40歳までやります。毎年、ハイパフォーマンスをするつもりです」

 田村のラグビー人生は、まだまだ続いていく。桜のジャージーの10番に再び袖を通す日も、きっと来るはずだ。

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