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森友哉に“苦言”も… 埼玉西武・渡辺久信GMが目指す「理想の野球」とは?

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2019年12月07日 16:00  AERA dot.

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写真埼玉西武の渡辺久信GM (c)朝日新聞社
埼玉西武の渡辺久信GM (c)朝日新聞社
 埼玉西武は2年連続パ・リーグ制覇を果たしながら、CSファイナルでソフトバンクに敗れ去った。1勝のアドバンテージ、本拠地開催という圧倒的有利な状況下にもかかわらず、またしても勝ち上がれなかった。

【ファンが選んだ平成で最もカッコいいバッティングフォームはこの選手!】

 どうして勝てないのか? 何が勝敗を左右したのか?

 渡辺久信GMが短期決戦での考え方、戦い方を語ってくれた。そして中心選手・森友哉への思いにも話は及んだ。

「短期決戦は難しい。流れを掴まれてしまうと一気に行ってしまう。でも短期決戦に関しては、戦力差があっても勝てる。流れをどう読むか、掴むか、で変わってくる」

 埼玉西武・渡辺久信GMは冷静ながらも 悔しさを押し殺すように語り始めた。

 夏場を思わせるような強い日差し。宮崎県日南市南郷町では、恒例の埼玉西武・秋季キャンプがおこなわれていた。キャンプ地の南郷スタジアムには連日、活気あふれる声が響き渡っている。2年連続、CSファイナル敗退という現実を感じさせないような、ハードな練習が明るい雰囲気の中でおこなわれていた。 世界一を奪回したプレミア12が開催されている真裏での秋季キャンプ、渡辺GMはいつものようにそこにいた。

「なになに、話すことは何もないよ……」

 松坂大輔復帰の可能性などが大きく取り沙汰されていた頃だ。メディアとの距離もナイーブな時期だったが、質問内容を話すと熟考しながら語り始めてくれた。

「短期決戦の中でミスが出過ぎた。これが一番の敗因だと思う。とくに守備でのミスによって相手に流れを掴まれてしまった」

 ミスによっての自滅がCSでの敗因に尽きるという。中でも挙げられるのがCSファイナル初戦の8回表、森友哉が犯した決勝点となる後逸だった。識者やファンなど、周囲からは「このプレーが分岐点だった」という声が圧倒的だ。

「森が言われるのもしょうがない。基本的なミスを犯した。シーズン中からもああいうミスをやっているし、シーズンでパスボール12個は多過ぎる。それ以上に記録に現れないミスもあった。それは考えないといけない部分。捕手はやはり扇の要で一番、大事なポジションだから」

 守備の柱が捕手であるのは言うまでもない。森のミスが勝敗に結びついたのは必然であった。しかしディフェンスに関してはチーム全体に言える。

「守備に関してはチーム全体が弱い。防御率、失点など投手陣を含めたすべて。野手の中では強いて言えば、ショートとレフトだけはしっかり守れていた。サードも中村剛也はよくやっていたけど、やはり年齢的なものもあるから……。GMが言うのもなんだけど、うちの守備力でよく勝てたかなと(苦笑)。野球は失点を防げれば勝利も近づく。でもうちの場合は逆の野球をやっているよね」

 野球はディフェンスから、は野球のセオリーである。しかしながら現在の埼玉西武は、逆行したような野球をやっているようにも見える。「山賊打線」と形容される強力打線で相手をひれ伏せさせるように打ち勝つ野球だ。

「GMとして最初に考えるのは、ペナントレースを勝つこと。そのことに関して悲観することはない。うちの野球でシーズンの長丁場を勝ったことは誇りに思う。見ている人たちも、うちの野球はおもしろいと思うよ」

 何をやっても勝てば良い、という考え方をする人もいる。しかし渡辺GMはそうではないようだ。それは現役時代からの日本シリーズに対する考え方や挑み方からもわかる。

「現役の時は日本シリーズはおまけという考えだった。とにかくシーズンで結果を残す。だからプレッシャーも感じないし結果も出せたんじゃないかな。日本シリーズで通算7勝したけど、開幕戦や天王山の試合の時の方が緊張した。日本シリーズは勝った後の、ショーとまでは言わないけど、感覚的には『勝とうが負けようが……』という感じだった。日本一になってこそ、と思っていた人もいたかもしれない。そういう人からすれば、納得が行かない考えかもしれないけどね……」

 監督通算6年で438勝を挙げAクラス5度、そのうちリーグ優勝1回、日本一1回。監督退任後は、シニアディレクター、編成部長をつとめ19年からはGMへ。その間も6年でAクラス3度、そのうち優勝2回。監督、フロントと結果を残しているが……。

「僕みたいなタイプが監督やGMをやってはいけないんじゃないか、と思う時もあるんだけど……」

「シーズンを勝つおもしろい野球」

 渡辺GMの野球に好守で欠かせない森は、侍ジャパン選出は辞退して秋季キャンプに参加した。CSファイナルの戦犯扱いされ、世間からの逆風が強いが、必死に練習に取り組んでいた。渡辺GMの期待は大きく、さらなる進化を願っている。

「この世界に入ったらすべて受け止めないといけない。バッシングなどで凹んだり、潰れたりした選手は何人もいる。そっちの方が多い。そういう選手を数多く見てきた。根性論は好きではない。でも気持ちがないと、野球で良いものを持っていても負ける。そこで『くそー』と思ってバネにしてやる。気持ちがないと、ここ一番で負ける」

 渡辺GM自らも数多くの失敗を繰り返してきた。その都度バッシングを受けてきたが、歯を食いしばって乗り越えてきた。だからこそ今の森に大きな期待をしつつ、温かく見守っている。

「俺は技術がなかったけど、気持ちはあったかな。背負うのもプロとしてあってもいい。僕もそれを経験してきた。シーズンでは15勝した年の終盤、優勝を争う勝負どころで打たれた。そうすると完全に戦犯扱い。結局、プロはそういうものかなと。大事な場面で結果を出すことが求められる。若い時にそういう経験することは絶対に必要。ただでさえプロ野球選手はちやほやされる。バッシングにも慣れていない選手は多い。そういう期間があることが森のプロ野球、人間人生で大事な時期なんじゃないかな」

「日本シリーズに勝ちたい気持ちもあるけど、その前にCSで勝ちたい」

 渡辺GMには、選手時代とは少し異なる複雑な気持ちも芽生えているという。

「今はシステムが違ってCSがある。まずはCSに勝つことが大前提。特にリーグを勝ったチームはそうだと思う。長いペナントレースに勝ったということを頭でわかっていても、結果的に敗者となってしまう。CSで勝たないと出られないから、正直、日本シリーズまで考えていないかな……」

 CSの是非、に関しては毎年のように議論される。最も左右されているのは現場である。しかしルールで決められている以上はそれにのっとり『頂点=日本一』を目指すしかない。

「とにかく勝ち続ける、そういうチームを目指す」

 最後に渡辺GMは力強く結んでくれた。その言葉は自らを納得させ、鼓舞させているようにも聞こえた。トップが『覚悟』を持っている組織は強くて魅力がある。必ず結果で答えを見せてくれるはずだ。 (文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍やホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を不定期に更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。






このニュースに関するつぶやき

  • 短期決戦に勝つには土台をしっかりしないといけない事を言いたかったのでしょうね。
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  • 確かに短期決戦は流れや守備も大事で無駄な失点を減らしたいし,打者も調子があるから投手力が大事ですよね.ナベQはOBのヤクルトとか西武意外の違う監督をやるところを見たいです.
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