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娘がハマる“ニャン魚”に疑問 一之輔「下半身の魚は何?」

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2019年12月08日 16:00  AERA dot.

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写真春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。新刊書籍『春風亭一之輔のおもしろ落語入門 おかわり!』(小学館)が絶賛発売中!
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。新刊書籍『春風亭一之輔のおもしろ落語入門 おかわり!』(小学館)が絶賛発売中!
 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「猫」。

【画像】一之輔氏が“ニャン魚”に!?

*  *  *
 この時期は毎年、週刊朝日は一号まるまる猫特集。売れるんだって。なら、毎週「猫特集」にすれば良いのだが、そこまで無節操ではないが、年一くらいはやりたい週刊朝日。暮れはいろいろ物入りだ。猫特集をやれば安心して年が越せる、餅が買えるというもの。

 ここ何年か「猫」について書いてきたが、子供の頃、塀の上にいた猫に石を投げたら逆にフライングボディーアタックされたはなしや、家内の実家の飼い猫にやたらと嫌われていたはなしなど……どうもパッとしない。私も週刊朝日に貢献したい。こんなことなら今年の早いうちに猫カフェに行ったり、路地裏の野良猫を写真に収めたりすれば良かった。何かないか、猫。

 ……そうだ。最近、娘(9)が『ニャン魚』にハマっている。イオンに売っていた上半身が猫で下半身が魚のぬいぐるみ。『ニャン魚』が正式名称なのか、娘が勝手につけた愛称なのかは不明だ。娘の『ニャン魚』は目が点々の黒目がちでシンプルな顔立ち、下半身は青い魚だが、『ニャン魚』で検索するとそれとはまるで違う『ニャン魚』が山ほど出てくる。

 制作した会社が違っても名前はなぜか『ニャン魚』。『ニャン魚』のイラストも多数。たいていは可愛らしいが、なかには劇画タッチの『リアルニャン魚』もいる。浜辺で出くわしたくない御面相だ。胸に貝殻のビキニブラを着けた『ニャン魚』も。猫のおっぱいの位置と乳首の数は人間と違うんじゃないか? 自分の飼い猫の下半身に軍手をかぶせて、ひとこと『ニャン魚!』と添えただけの雑な画像も見つけた。

 とにかくみんな『ニャン魚』が好き、ということはよーくわかった。が、いまいち納得いかないのは「その下半身の魚は何なのか?」ということ(もっとも本家の『人魚』も同様だけど)。色は青、赤、ピンクが多い。娘の『ニャン魚』は青。青魚といっても鯖や鰯じゃない。真っ青だ。鮮やかな青。魚類図鑑を調べると一番近い色の魚は「ナンヨウブダイ」。暖かい海に生息するオデコの出っ張った口のとんがった大きな魚だ。これしかないな。我が娘の『ニャン魚』の下半身は「ナンヨウブダイ」。では他の赤、ピンクは?

 どうも「ナンヨウブダイ」は「イラブチャー」とも呼ばれているらしい。いや、「イラブチャー」のなかには赤やピンクの魚もいて、ブダイの仲間の総称が「イラブチャー」なんだそうな。ということは『ニャン魚』の下半身はみな「イラブチャー」と言えるだろう。ん? 「ナンヨウブダイ」に似た魚で「アオブダイ」というのもいるらしい。なんでもフグより遥かに強い毒を持つ危険な魚だ。有毒のスナギンチャクを食べるから毒が体内に蓄積されるという。

 ことによると娘の『ニャン魚』は「アオブダイ」ではないのか? 違いを調べてみると、安全な「ナンヨウブダイ」の尾びれは長く、「アオブダイ」の尾びれは……!!娘の『ニャン魚』はまさしく「アオブダイ」と同じ尾びれ!! 「気をつけて! そのニャン魚は猛毒!」と忠告すると、娘は私を無視して風呂に向かった。そうだろう、私が娘でもそうする。それにいつのまにか「猫」が「魚」になってしまった……。来年の「猫特集」は何とかしなければ……。そうだ、明日猫カフェに行こう。

※週刊朝日  2019年12月13日号

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